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【母関数マスター講座 第21回】いざ東大へ!〜2026年理系第6問・約数の余りの個数への完全解答〜

    ゴウカライズ編集部
    11 April, 2026

    前回(第20回)までに、母関数の全ツールが揃いました。

    今回は、その集大成として2026年東京大学理系数学第6問に完全解答します。本講座で学んできた「3の剰余フィルター」「指標関数の乗法性」「素因数ごとの局所分解」のすべてが合流する、まさにクライマックスの1問です。

    母関数マスター講座の全体像、シラバスは以下の記事でご覧ください。

    https://note.com/goukalize/n/ne5f45c351ab2

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    公式LINEを追加して「母関数マスター講座」と送信していただいた方に、講座全体をまとめたPDF(全63ページ)を無料でお配りしています。

    自動送信のため、送信文は 「母関数マスター講座」 と正確にお送りください。

    https://line.me/R/ti/p/@965ezfgt?oat_content=url

    問題

    $${n}$$ を正の整数とする。 $${n}$$ の正の約数のうち、3で割って1余るものの個数を $${f(n)}$$ 、3で割って2余るものの個数を $${g(n)}$$ とする。

    1. $${f(2800)}$$ 、 $${g(2800)}$$ を求めよ。
    2. $${f(n) \geq g(n)}$$ を示せ。
    3. $${g(n) = 15}$$ であるとき、 $${f(n)}$$ がとりうる値を求めよ。

    (1) の解答

    $${2800 = 2^4 \times 5^2 \times 7}$$ です。約数 $${d = 2^a \times 5^b \times 7^c}$$ ( $${0 \leq a \leq 4, \, 0 \leq b \leq 2, \, 0 \leq c \leq 1}$$ )の3での余りを、各素因数の余りから追跡します。

    第19回で学んだ指標関数の乗法性に従い、各素数のべき乗の3での余りを確認すると、

    • $${2 \equiv -1 \pmod{3}}$$ なので $${2^a \equiv (-1)^a \pmod{3}}$$
    • $${5 \equiv -1 \pmod{3}}$$ なので $${5^b \equiv (-1)^b \pmod{3}}$$
    • $${7 \equiv 1 \pmod{3}}$$ なので $${7^c \equiv 1 \pmod{3}}$$

    余りの掛け算(mod 3)から、 $${d \equiv (-1)^{a+b} \pmod{3}}$$ です。

    • $${d \equiv 1 \pmod{3}}$$ ⟺ $${a + b}$$ が偶数
    • $${d \equiv 2 \pmod{3}}$$ ⟺ $${a + b}$$ が奇数

    (2800は3の倍数でないので、 $${d \equiv 0 \pmod{3}}$$ となる約数は存在しません。)

    $${a + b}$$ が偶数になる場合の数を数えます。

    • $${a}$$ が偶数(0, 2, 4の3通り)かつ $${b}$$ が偶数(0, 2の2通り):$${3 \times 2 = 6}$$
    • $${a}$$ が奇数(1, 3の2通り)かつ $${b}$$ が奇数(1の1通り):$${2 \times 1 = 2}$$

    合計 $${8}$$ 通り。 $${c}$$ の選び方は2通りなので、

    $$
    \begin{aligned}
    f(2800) = 8 \times 2 = 16 \tag{①}
    \end{aligned}
    $$

    同様に、 $${a + b}$$ が奇数になる場合は $${3 \times 1 + 2 \times 2 = 7}$$ 通り。

    $$
    \begin{aligned}
    g(2800) = 7 \times 2 = 14 \tag{②}
    \end{aligned}
    $$

    検算:$${f + g = 30 = 5 \times 3 \times 2 = d(2800)}$$ で、約数の総数と一致します。

    (2) の解答

    $${f(n) - g(n) \geq 0}$$ を示します。ここで第17回の「3の剰余フィルター」と「乗法性」を使います。

    指標関数の導入

    各約数 $${d}$$ に対して次の関数 $${\chi(d)}$$ を定義します。

    • $${d \equiv 1 \pmod{3}}$$ のとき $${\chi(d) = 1}$$
    • $${d \equiv 2 \pmod{3}}$$ のとき $${\chi(d) = -1}$$
    • $${d \equiv 0 \pmod{3}}$$ のとき $${\chi(d) = 0}$$

    すると、

    $$
    \begin{aligned}
    f(n) - g(n) = \sum_{d \mid n} \chi(d) \tag{③}
    \end{aligned}
    $$

    乗法性による分解

    $${\chi}$$ は完全乗法的( $${\chi(ab) = \chi(a)\chi(b)}$$ )なので、 $${\displaystyle \sum_{d \mid n} \chi(d)}$$ は $${n}$$ の素因数分解に対して乗法的に分解できます。

    $${n = p_1^{a_1} p_2^{a_2} \cdots p_r^{a_r}}$$ のとき、

    $$
    \begin{aligned}
    f(n) - g(n) = \prod_{i=1}^{r} \left( \sum_{j=0}^{a_i} \chi(p_i^j) \right) = \prod_{i=1}^{r} \left( \sum_{j=0}^{a_i} \chi(p_i)^j \right) \tag{④}
    \end{aligned}
    $$

    ④の各因子を、素数 $${p}$$ の3での余りによって場合分けします。

    $${p = 3}$$ のとき:
    $${\chi(3) = 0}$$ なので $${\displaystyle \sum_{j=0}^{a} \chi(3)^j = 1}$$ ( $${j = 0}$$ の項のみ生き残る)

    $${p \equiv 1 \pmod{3}}$$ のとき:
    $${\chi(p) = 1}$$ なので $${\displaystyle \sum_{j=0}^{a} 1^j = a + 1 \geq 1}$$

    $${p \equiv 2 \pmod{3}}$$ のとき:
    $${\chi(p) = -1}$$ なので $${\displaystyle \sum_{j=0}^{a} (-1)^j}$$
    $${a}$$ が偶数なら $${1}$$ 、 $${a}$$ が奇数なら $${0}$$

    結論

    ④の各因子はすべて $${0}$$ 以上です(それぞれ $${1}$$ 、 $${a+1}$$ 、 $${0}$$ または $${1}$$ )。したがって、

    $$
    \begin{aligned}
    f(n) - g(n) \geq 0 \tag{⑤}
    \end{aligned}
    $$

    すなわち $${f(n) \geq g(n)}$$ が示されました。

    (3) の解答

    $${g(n) = 15}$$ のとき、 $${f(n)}$$ がとりうる値を求めます。

    準備

    $${n}$$ の素因数分解を3での余りで分類します。

    • $${p = 3}$$ の指数を $${c}$$ ( $${c = 0}$$ も許す)
    • $${p \equiv 1 \pmod{3}}$$ である素数の指数の集合を $${a_1, a_2, \dots}$$
    • $${p \equiv 2 \pmod{3}}$$ である素数の指数の集合を $${b_1, b_2, \dots}$$

    $${3}$$ の倍数である約数は $${f(n)}$$ にも $${g(n)}$$ にも寄与しないので、 $${f(n)}$$ と $${g(n)}$$ の値は $${c}$$ に依存しません。3と互いに素な部分 $${m = \prod p_i^{a_i} \prod q_j^{b_j}}$$ だけで決まります。

    $${\Delta = f(n) - g(n)}$$ と $${D = f(n) + g(n)}$$ ( $${= }$$ 3と互いに素な約数の個数)を使うと、

    $$
    \begin{aligned}
    f(n) = \frac{D + \Delta}{2}, \quad g(n) = \frac{D - \Delta}{2} \tag{⑥}
    \end{aligned}
    $$

    ④の分析から、

    $$
    \begin{aligned}
    D &= \prod (a_i + 1) \cdot \prod (b_j + 1) = A \cdot B \tag{⑦}
    \end{aligned}
    $$

    また、

    $$
    \begin{aligned}
    \Delta = \prod (a_i + 1) \cdot \prod (\text{$b_j$ ごとの寄与}) \tag{⑧}
    \end{aligned}
    $$

    $${A = \prod(a_i + 1)}$$ 、 $${B = \prod(b_j + 1)}$$ と置きます。

    場合1:ある b_j が奇数のとき

    ⑧の対応する因子が $${0}$$ になるので $${\Delta = 0}$$ 、すなわち $${f(n) = g(n)}$$ です。

    $${g(n) = 15}$$ なら $${f(n) = 15}$$ です。

    場合2:すべての b_j が偶数のとき

    すべての $${b_j}$$ は偶数なので $${b_j + 1}$$ はすべて奇数で3以上です。 $${B}$$ は奇数になります。

    ⑧の各因子は $${1}$$ なので $${\Delta = A}$$ です。 $${g(n) = \frac{AB - A}{2} = \frac{A(B-1)}{2} = 15}$$ より、

    $$
    \begin{aligned}
    A(B - 1) = 30 \tag{⑨}
    \end{aligned}
    $$

    $${B - 1}$$ は偶数( $${B}$$ が奇数なので)で、 $${B \geq 3}$$ (素数 $${q \equiv 2 \pmod 3}$$ が少なくとも1つ存在し、偶数乗なので $${b_j \geq 2}$$ 、 $${b_j + 1 \geq 3}$$ )です。

    $${B = 1}$$ の場合( $${q \equiv 2}$$ なる素因数が存在しない)は $${B - 1 = 0}$$ となり⑨を満たしません。

    ⑨を満たす $${(A, B)}$$ の組を探します。 $${B}$$ は3以上の奇数の積として実現可能でなければなりません。

    • $${A = 1, B - 1 = 30, B = 31}$$ :$${B = 31}$$ は奇数で実現可能(例えば $${2^{30}}$$ の約数を考える)→ $${f = \frac{31+1}{2} = 16}$$
    • $${A = 3, B - 1 = 10, B = 11}$$ :奇数で実現可能 → $${f = \frac{33+3}{2} = 18}$$
    • $${A = 5, B - 1 = 6, B = 7}$$ :奇数で実現可能 → $${f = \frac{35+5}{2} = 20}$$
    • $${A = 15, B - 1 = 2, B = 3}$$ :奇数で実現可能 → $${f = \frac{45+15}{2} = 30}$$

    ( $${B}$$ が偶数になる組 $${(A, B) = (2, 16), (6, 6), (10, 4), (30, 2)}$$ は、 $${B}$$ が奇数という条件に反するため不適。)

    答え

    場合1と場合2を合わせて、 $${f(n)}$$ がとりうる値は、

    $$
    \begin{aligned}
    f(n) \in \{15, \, 16, \, 18, \, 20, \, 30\} \tag{⑩}
    \end{aligned}
    $$

    各値が実際に実現されることを確認しておきます(いずれも $${g(n) = 15}$$ になることは公式から追跡できます)。

    • $${f = 15}$$ :場合1の例。 $${n = 2^{29}}$$ では $${b_1 = 29}$$ (奇数)なので $${\Delta = 0}$$ 、 $${D = 30}$$ 、 $${f = g = 15}$$ 。
    • $${f = 16}$$ :場合2の例。 $${n = 2^{30}}$$ では $${A = 1, B = 31}$$ (指数30が偶数)、 $${D = 31, \Delta = 1}$$ 、 $${f = 16, g = 15}$$ 。
    • $${f = 18}$$ :場合2の例。 $${n = 7^2 \cdot 2^{10}}$$ では $${A = 3, B = 11}$$ 、 $${D = 33, \Delta = 3}$$ 、 $${f = 18, g = 15}$$ 。
    • $${f = 20}$$ :場合2の例。 $${n = 7^4 \cdot 2^6}$$ では $${A = 5, B = 7}$$ 、 $${D = 35, \Delta = 5}$$ 、 $${f = 20, g = 15}$$ 。
    • $${f = 30}$$ :場合2の例。 $${n = 7^{14} \cdot 2^2}$$ では $${A = 15, B = 3}$$ 、 $${D = 45, \Delta = 15}$$ 、 $${f = 30, g = 15}$$ 。

    まとめ

    本講座で積み上げてきた道具のほぼすべてがこの1問に集約されています。約数を余りで分類する指標関数の乗法性(第19回)、素因数ごとの局所因子への分解(第17回〜第18回の応用)、そして閉じた式に落とし込む代数的処理。「母関数を学んだ人」と「そうでない人」で、この問題への見通しは天と地ほど違います。

    次回、最終回となる第22回では、母関数を試験会場で使いこなすための実戦戦略を伝えます。


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