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【獣医学部】岐阜大学・鳥取大学に「共同獣医学部」設置へ (2028年度入試の定員・難易度と志望校判断)

    ゴウカライズ編集部
    24 August, 2026

    この記事では、獣医学部を目指す高校生や保護者に向けて、岐阜大学と鳥取大学による2028年度「共同獣医学部」設置構想の内容と、募集定員・入試難易度への影響、出願検討時の注意点を整理して解説します。

    2026年7月、岐阜大学と鳥取大学が、 2028年4月に「共同獣医学部」を設置する構想 を発表しました。

    「新しい学部ができるなら、募集人数が増えて入りやすくなるのでは」
    「新設初年度は倍率が下がって狙い目になるのではないか」
    「いま高校2年生の子どもの受験にどう影響するのか」

    獣医学部を目指すお子さんを持つ保護者の方であれば、このような疑問や期待を持つかもしれません。

    今回の発表は注目すべき動きですが、「獣医学部の募集枠が純増する」「入試が易しくなる」という話ではありません。

    現在すでに行われている岐阜大学・鳥取大学の共同獣医学科を、より独立性の高い「学部」という組織へ発展させる計画です。

    2028年度入試を受ける現在の高校2年生にどう関係するのか、制度の変更点と受験上の注意点を切り分けて整理します。

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    「共同獣医学科」から「共同獣医学部」への改組内容

    現在、両大学で獣医学を学ぶ学生は、それぞれ既存の学部の中にある学科に所属しています。

    • 岐阜大学 :応用生物科学部 共同獣医学科
    • 鳥取大学 :農学部 共同獣医学科

    今回の構想は、これらを2028年4月から既存学部から切り離し、独立した 「共同獣医学部」 へ改組するものです。

    鳥取大学は、現在の共同獣医学科を「独立した教育・運営組織」として共同獣医学部へ発展させると説明しています。設置が実現すれば、山口大学・鹿児島大学に次ぐ全国で2例目の共同獣医学部となる予定です。

    獣医学科がゼロから新設されるわけではなく、既存の学科組織を独立した学部へと発展させる改組である点を押さえておく必要があります。

    募集定員と入試方式の現状

    保護者の方が特に気にする募集人数について、大学側は次のように明記しています。

    入学定員と入試方法は、現在から変更しない予定

    現在の定員は以下の通りです。

    • 鳥取大学 :35名
    • 岐阜大学 :30名
    • 合計 :65名

    全国で65人分の獣医学部定員が新たに増えるわけではありません。

    現在すでに存在する65人の募集枠が、新しい「共同獣医学部」に移る形です。

    新設初年度の倍率・難易度に対する見方

    大学入試では、新学部や新学科ができると「初年度は認知度が定着せず倍率が下がるのではないか」と考える方もいます。

    しかし、今回のケースでその見方を当てはめるのは禁物です。

    岐阜大学と鳥取大学の獣医学教育そのものは新設ではありません。

    両大学は 2013年度から共同獣医学科を設置 しており、すでに10年以上にわたって共同教育を行っています。2019年には大学院共同獣医学研究科も設置されました。

    既存の共同獣医学科が学部として独立する形をとるため、受験生から見た大学の知名度や教育内容が急に変わるわけではありません。

    募集定員も現行通り維持される見通しです。

    現時点で「2028年度は新設初年度だから入りやすくなる」と判断できる材料はありません。従来通りの高い難易度と倍率を前提に対策を進める必要があります。

    岐阜大学・鳥取大学における共同教育の実績

    現在の共同獣医学科でも、すでに両大学間で緊密な共同教育が行われています。

    学生は岐阜大学と鳥取大学の 両大学に在籍 しながら、どちらか一方を「本籍大学」とします。

    • 両大学の教育施設や研究設備の利用
    • 遠隔講義システムによる授業の共同受講
    • 学生がもう一方の大学へ移動して受ける集中授業・実習
    • 岐阜大学長・鳥取大学長の連名による学位記(卒業証書)の授与

    今回の改組は、ゼロから共同教育を始めるためのものではなく、 すでに10年以上積み上げてきた共同教育を、より自由度と独立性の高い学部組織へ発展させる動き と捉えるのが正確です。

    学部として独立させる狙いと4つの重点分野

    すでに共同教育を行っている両大学が、あえて学部として独立させる背景には、現代の獣医師に求められる役割の高度化があります。

    獣医学の役割は、犬や猫などの小動物臨床にとどまりません。家畜の感染症対策、食の安全、人獣共通感染症への対応、畜産業の振興、動物福祉など、社会的な課題は多岐にわたります。

    近年は、人・動物・環境の健康を一体として考える 「One Health(ワンヘルス)」 の理念が世界的に重視されています。

    新設される共同獣医学部では、次の4分野を重点的に強化する方針です。

    • 感染症対策関連教育 :越境性感染症や人獣共通感染症への対応力強化
    • 畜産・産業動物関連教育 :地域畜産業を支える産業動物獣医師の育成
    • 参加型総合臨床実習 :高度獣医療や実践的な臨床スキルの習得
    • 動物福祉・愛護教育 :国際基準に即した動物福祉の理念と実践

    両大学の専門性と補完関係

    共同獣医学部の強みとして大学側が挙げているのが、2大学それぞれの得意分野を相互に補完できる点です。

    鳥取大学の強み

    • 鳥由来感染症研究(鳥インフルエンザ等)
    • 高度獣医療
    • 産業動物臨床教育

    岐阜大学の強み

    • 医学・獣医学・薬学・工学を横断した医獣薬工連携研究
    • 創薬研究
    • がんの放射線治療や高度低侵襲医療

    単一の大学だけではカバーしきれない領域を2大学のリソースを合わせて学べる環境が整います。

    国家試験実績と教育体制の信頼性

    通常の完全な新設学部であれば、卒業生の実績や国家試験の合格率が分からず、進路としての判断が難しい面があります。

    しかし今回の場合は、共同獣医学科として10年以上の教育実績があります。

    公表されている過去5年間の獣医師国家試験平均合格率は以下の通りです。

    • 岐阜大学 :89.7%
    • 鳥取大学 :92.7%

    これらは現在の共同獣医学科の実績ですが、これまでの共同教育の実績や教育基盤を生かした改組となるため、教育体制の質に対する過度な不安は不要です。

    2028年度入試(現高校2年生)に向けたスケジュールと注意点

    共同獣医学部の設置予定は 2028年4月1日 です。

    2026年8月現在の 高校2年生が大学に入学するタイミング と一致します。

    認可申請前の構想段階である点

    鳥取大学の発表でも明記されている通り、現在は文部科学省への設置認可申請前の「構想段階」であり、今後の審査や手続きによって内容が変更される可能性があります。

    文部科学省への設置認可申請は 2027年3月を予定 していると報じられています。2028年度の受験生は、今後の正式な認可発表を確認する必要があります。

    「入試方法は変わらない予定」の捉え方

    大学側は「共同獣医学部設置後も入試方法は現行から変更しない予定」としています。

    ただし、これは「今後一切の入試変更がない」という意味ではありません。

    学部化とは別に、各大学が独自に選抜方式を見直すことは通常通り起こり得ます。

    例えば岐阜大学では、共同獣医学部への改組とは別に、 2027年度の共同獣医学科・学校推薦型選抜Ⅱについて、アドミッション・ポリシーや選抜方法の変更を予告 しています。

    2028年度の正式な入試科目・配点・選抜方法については、最終的に公表される「入学者選抜要項」や「学生募集要項」で確認してください。

    出願検討時に確認したい4つのポイント

    現段階では、このニュースだけを理由に志望校の優先順位を大きく変える必要はありません。

    2028年度入試で岐阜大学や鳥取大学を候補に考えている場合、今後は次の4点を確認していきましょう。

    1. 文部科学省から正式に設置が認可されるか
    2. 2028年度入試の正式な募集要項(配点・科目・選抜方式)
    3. 大学独自の推薦入試・一般入試の変更予告がないか
    4. 新しい共同獣医学部のカリキュラムや実習内容の詳細

    入試情報については、「現時点での予定」と「確定した募集要項」をしっかり区別して情報を追う姿勢が大切です。

    まとめ

    今回のニュースで押さえておきたい要点は次の通りです。

    • 募集定員は純増しない :岐阜大学30名、鳥取大学35名の計65名は現行通り維持される予定
    • 新設初年度の易化は期待できない :10年以上の教育実績がある共同獣医学科の学部化であり、知名度も難易度も維持される見込み
    • 教育内容はさらに充実する方針 :One Health、感染症、産業動物、臨床実習、動物福祉などの分野が重点強化される予定
    • 現高校2年生は要項発表を追う :2027年3月の設置申請や、その後に公表される2028年度募集要項を確認する

    獣医学部受験は定員が非常に少なく、国公立・私立を問わず高い学力が求められます。制度の変更に過度な期待や不安を抱くことなく、日々の基礎学力養成と志望校に合わせた対策を一つひとつ積み重ねていきましょう。

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