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【医学部MMI対策講座 第3回】「友人の父親の病気」を偶然知ってしまったら…?~守秘義務と倫理的ジレンマ~

4 November, 2025


医学部受験生の皆さん、こんにちは!ゴウカライズメディカルです。

MMI対策講座、第3回へようこそ。今回のテーマは、医師が守るべき最も重要な義務の一つ**「守秘義務」**と、それに伴う倫理的ジレンマです。もし、あなたの個人的な関係と、医療者としての責任が衝突したら…?非常に判断が難しいこの問題、あなたならどう乗り越えますか?


【今回の課題】

あなたは大学病院で臨床実習中の医学部生です。ある日、実習先の外来で、あなたの親友の父親が診察を受けている場面に遭遇しました。カルテを見る機会があり、その父親が遺伝性の可能性のある重い病気を患っていることを知ってしまいました。後日、その親友から「近々結婚して、子どもも考えているんだ」という話を聞かされます。親友は父親の病気について何も知らない様子です。父親本人からは、担当医に対して「家族には絶対に病気のことを伝えないでほしい」と強い希望が伝えられています。この状況で、あなたはどうしますか?友人として、また医療を学ぶ者として、あなたの考えと行動を述べてください。


MMI思考のフレームワークで考える


この問題は、単に知識を問うているのではありません。「友人への思い」と「医療者としての絶対的なルール」という2つの間で葛藤し、それでもなお倫理的に正しい道を選択できるか、その思考プロセスが見られています。

1. 揺るがしてはならない大原則の確認

まず、どのような感情があっても、絶対に破ってはならない医療の原則を自分の中で確定させます。

  • 守秘義務: 職務上知り得た患者の情報を、本人の同意なく第三者に漏らしてはならない。これは医師法にも定められた法的義務であり、医療倫理の根幹です。これを破ることは、患者さんと医療全体の信頼を失墜させる行為です。
  • 患者の自己決定権(オートノミー): 患者さんには、自身の情報を誰に伝えるか、伝えないかを決定する権利があります。

この2つの原則が、あなたの行動の基盤となります。

2. 状況の整理と感情の客観視

次に、自分がおかれている状況と、自身の感情を客観的に整理します。

  • 事実: 友人の父親が遺伝性の可能性のある病気であること。友人はそれを知らずに将来設計をしようとしていること。父親は告知を望んでいないこと。
  • あなたの立場: 医療チームの一員(実習生)であると同時に、患者家族の親友でもあるという二重の立場。
  • あなたの感情: 親友の将来を心配し、「教えてあげたい」と思う気持ち。一方で、守秘義務を破ることへの恐怖と倫理的な罪悪感。

この「感情の葛藤」を自分自身で認識していることを面接官に伝えることが、人間的な深みを示す上で重要です。


良い回答例・悪い回答例


では、これらの整理を基に、具体的な回答を見ていきましょう。


悪い回答例 👎


「親友の将来に関わる一大事なので、黙っていることはできません。守秘義務は大切ですが、友人の人生がかかっています。私なら、父親の病気のことは伏せつつ、『一度、遺伝カウンセリングとか、ブライダルチェックとか、受けてみたら?』というように、ヒントを与えて友人が自分で気づくように仕向けます。」

【評価】

  • 守秘義務違反: たとえ間接的であっても、職務上知り得た情報を使って友人の行動を誘導するのは、守秘義務違反(目的外利用)と見なされる可能性が極めて高いです。
  • 問題のすり替え: 「直接言わなければ良い」という安易な発想であり、問題の根本的な解決になっていません。
  • 独断的な行動: 誰にも相談せず、自分でコントロールしようとする姿勢は、チーム医療の一員として不適格と判断されかねません。


良い回答例 👍


「非常に難しい状況ですが、まず大原則として、医療を学ぶ者として患者さんの守秘義務を厳守します。たとえ親友のためであっても、患者さんであるお父様の同意なく、私が友人に情報を伝えることは決してありません。
しかし、友人として彼の将来を案じる気持ちも、倫理的な責任を感じる気持ちも同時に存在し、強い葛藤を覚えます。私が取るべき行動は、まず、この件について一人で抱え込まず、臨床実習の責任者である指導医に相談することです。その際、『実習中に偶然このような事実を知り、患者さんのご家族と個人的な関係があるため、倫理的にどう振る舞うべきか悩んでおります。もちろん守秘義務は厳守いたします』と、自分の立場と悩みを正直に伝えます。その上で、指導医の先生と相談し、医療チームとしてできることを考えます。例えば、担当医の先生からもう一度、お父様ご本人に対して、病気が遺伝する可能性や、それをご家族、特にご友人が知ることの重要性について、丁寧に説明していただく機会を設けることはできないか、検討をお願いするかもしれません。ご本人が自らの意思でご家族に話す決断ができるよう、専門家としてサポートすることが最も重要だと考えるからです。
私自身が友人に直接、あるいは間接的に何かを伝えることは絶対にせず、あくまで医療チームの一員として、ルールに則った上で、患者さんご本人の意思決定を支援する方法を模索します。」

【評価】

  • 倫理原則の堅持: 最初に守秘義務の遵守を明確に宣言し、行動の基盤がしっかりしていることを示せています。
  • 自己の葛藤の客観視: 悩んでいることを正直に認め、人間的な誠実さを見せています。
  • 報告・連絡・相談(報連相)の実践: 独断で行動せず、まず指導医に相談するというチーム医療の基本姿勢が取れています。
  • 建設的かつ倫理的な提案: 自分が直接動くのではなく、「患者本人が意思決定できるようチームで働きかける」という、最も倫理的で現実的な解決策を提示できています。

【今回のまとめ】

  • 守秘義務は絶対。 どんな個人的な感情よりも優先される。
  • 感情的な葛藤を認識し、それを正直に認めることは弱さではない。
  • 一人で抱え込まない。 必ず上司やチームに相談する姿勢が重要。
  • 解決策は「自分が伝える」ことではない。 「本人が伝えられるように支援する」ことである。

倫理的なジレンマは、医師になれば必ず直面する問題です。完璧な正解がない中で、いかに誠実に、そして原則に則って最善の道を探せるか。MMIではその「姿勢」が評価されています。



ゴウカライズメディカルで、夢への一歩を。


ゴウカライズメディカルでは、今回のような答えのない難問に対しても、論理的かつ倫理的に思考を組み立てるトレーニングを徹底的に行います。プロの講師との模擬面接で、あなたの「医師としての姿勢」を磨き上げましょう。

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