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【東北医科薬科大学】2023年度 小論文:青少年のインターネット利用と健康被害【模範解答あり】

    13 December, 2025

    こんにちは!オンライン学習塾 ゴウカライズです!
    今回は、東北医科薬科大学医学部で2023年度に出題された「青少年のインターネット利用」に関する問題を解説します。
    スマホやSNSの普及は便利さの反面、ネット依存傾向や睡眠時間の短縮など健康への悪影響との関連が国内外の研究で指摘されています(例:厚生労働省「インターネット依存対策の現状」、日本小児保健協会誌の関連論文など)。
    小児科や精神科領域の重要テーマとして、医学的な視点から対策を論じる力が求められます。
    合格答案の書き方を一緒に学びましょう!

    なお、他の年度の小論文の解説などはこちらの記事にまとめてあります!

    https://note.com/goukalize/n/n9d0b74b16df0

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    テーマ解説:デジタル社会の弊害と子供の健康

    背景と現状

    青少年のインターネット利用時間は長期的に増加傾向にあり、こども家庭庁「青少年のインターネット利用環境実態調査(令和5年度)」では、高校生の1日あたりの利用時間は「6時間前後」と報告されています。調査によって多少の差はあるものの、「5時間を超える」長時間利用が一般的になりつつあります。
    利用目的は「動画視聴」「SNS」「オンラインゲーム」などの娯楽的な利用が高い割合を占めており、同じくこども家庭庁調査でも、動画視聴・ゲーム・SNSが上位に挙がっています。一方で、「検索」や「勉強への利用」も一定の割合を占めており、学習目的の活用も同時に進んでいることに注意が必要です
    こうした長時間のインターネット利用は、短い睡眠時間や学力の低下傾向、運動時間の減少・体力低下との関連が多くの観察研究で報告されています(例:文部科学省「全国学力・学習状況調査」分析報告、学校現場を対象としたスクリーンタイム研究など)。ただし、因果関係は一方向とは限らず、家庭環境やもともとの体調など、複数の要因が関わっていると考えられます。

    医療者としての視点

    医学的な観点からは、その一つとして「ネット依存(ゲーム障害)」が大きな懸念となっています。睡眠障害やうつ症状など他の健康問題と合わせて、総合的にとらえる必要があります。
    WHO(世界保健機関)は、国際疾病分類 ICD-11 において「Gaming Disorder(ゲーム障害)」を新たな疾患として分類しています(WHO, ICD-11, 2019)。
    アルコールや薬物依存とは分類は異なるものの、「やめたいと思ってもやめられず、日常生活に重大な支障をきたす」という点で共通する「嗜癖性の行動障害」として、専門的な支援や治療が必要とされています
    また、SNSを通じた「いじめ」や誹謗中傷が、不安・抑うつ、自傷行為や自殺念慮のリスク上昇と関連していることが国内外の研究で報告されており(例:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等調査」、サイバーブリングと自殺関連行動に関する国際的システマティックレビューなど)、心と体の両面からの包括的なケアが求められます。

    今後の展望と重要論点

    GIGAスクール構想により、義務教育段階(小・中学校)では原則として児童生徒1人1台の端末整備がほぼ完了したと文部科学省が報告しています(文部科学省「GIGAスクール構想の実現」関連資料)。高校段階でも同様の整備が進められつつありますが、地域差が残っています。
    デジタル機器を生活や学習の場から完全に排除することは、もはや現実的ではありません。むしろ、どのように使えば心身の健康や学びにプラスになるのかを考えることが重要です。
    今後は、「デジタル・シティズンシップ教育(善き使い手になるための教育)」や、「ペアレンタル・コントロール(親による適切な管理)」 の重要性が増します。
    すでに、国立病院機構久里浜医療センターなど、ネット・ゲーム依存を専門に診る外来や入院プログラムを持つ医療機関も日本各地に存在します(例:国立病院機構久里浜医療センター「ネット依存治療プログラム」)。一方で、地域差や受診のしやすさの課題もあり、こうした専門外来や治療プログラムを全国的に整備していくことが今後の重要な課題です

    頻出キーワード

    • ゲーム障害(Gaming Disorder): ゲーム行動のコントロールが困難になり、学業・仕事・人間関係などの日常生活に明らかな支障が出ているにもかかわらずプレイをやめられない状態。WHOが国際疾病分類 ICD-11 に正式に収載した疾患概念です(WHO, ICD-11, 2019)。
    • ネット・リテラシー: インターネット上の情報を正しく理解し、適切に活用する能力。
    • フィルタリング: 有害なサイトへのアクセスを制限する機能。
    • ブルーライト: 波長の短い青色光で、夜間に強く浴びると睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌を抑制し、入眠の遅れや眠気の低下をもたらすことが実験研究で示されています(例:Harvard Medical Schoolの解説、睡眠医学の総説論文など)。そのため、就寝前の長時間のスマホ・タブレット利用は睡眠リズムを乱す一因になり得ます。

    【2023年度】実際に出題された問題

    問題の内容

    次の資料(青少年のインターネット利用時間の推移、利用目的のグラフ、スマートフォンの普及率)を見て、現状の問題点を指摘し、その対策を600字以内で述べなさい。

    出典:こども家庭庁「令和6年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 報告書(概要)」をもとに作成。

    出典:こども家庭庁「令和6年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 報告書(概要)」をもとに作成。

    出典:こども家庭庁「令和6年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 報告書」をもとに作成。

    OK回答例

    青少年のインターネット利用は平日平均約5時間、高校生は6時間超と長時間化している。その多くは学習ではなく、娯楽に約3時間、コミュニケーションに1時間が充てられ、中高生の9割以上が自分専用スマートフォンを持つ。ネットが日常生活の中心的インフラとなっていることが、現状の出発点である。
    問題は、急速な普及と利用時間の増加に対し、社会の指導体制が追いついていない点にある。アルゴリズムが好みを強化する「フィルターバブル」や承認欲求を刺激する仕組みは、価値観形成途上の青少年を偏った情報や過激な言動へ誘導しやすい。長時間利用という土台の上で依存や誹謗中傷、犯罪被害のリスクが高まっていることが、この問題の核心だと考える。
    しかし、ネットを単純に禁止しても、学習機会やデジタルスキルまで奪ってしまう。まずは法規制を整え、違法・有害コンテンツや課金誘導から子どもを守る枠組みを強化すべきだ。そのうえで家庭と学校が連携し、情報の真偽を見抜く力や相手を尊重するモラル、時間管理といったリテラシー教育を系統的に行うことが欠かせない。
    大人は監視者として一方的に制限を課すのではなく、子どもと利用時間や投稿内容を一緒に振り返り、自律的な使い方を学ばせる役割を担うべきだ。リアルな遊びや対面での対話を確保し、オンラインとオフラインのバランスを育てることが、青少年を健全なデジタル・シティズンへ導く策になると考える。

    回答のポイント

    • 現状分析と問題の核心の置き方
      冒頭で「平日約5時間」「娯楽3時間・コミュニケーション1時間」「中高生の専用スマホ9割超」という具体的データを用いて、ネットが生活インフラ化している現状を示している。そのうえで、「使いすぎ」だけを責めるのではなく、「急速な普及と利用時間の増加に社会の指導体制が追いついていないこと」を問題の核心として位置づけている。
    • ハード面とソフト面を組み合わせた対策
      法規制による「違法・有害コンテンツや課金誘導から守る枠組み」の強化をハード面の対策として示しつつ、家庭と学校が連携したリテラシー教育(真偽の見極め、モラル、時間管理)をソフト面の中核に据えている。単なる禁止ではなく、長時間化・娯楽偏重という実態に応じた「使い方の学習」を重視している点が、資料との対応関係を明確にしている。
    • 大人の責任とデジタル・シティズンシップ
      結論では、大人を「監視者」ではなく「共に振り返り、自律を支える存在」として描き、オンラインとオフラインのバランスを整える環境づくりを社会の責任として強調している。「健全なデジタル・シティズンへ導く」という表現により、単なる被害防止ではなく、次世代を主体的な市民として育てるという倫理的スタンスを示している。

    NG回答例

     青少年のネット利用時間が増えているのは深刻な問題だ。ネット依存になれば、学業や健康に悪影響が出る。子供は自制心が未熟なので、大人が管理する必要がある。
     具体的には、親がフィルタリング機能を設定し、利用時間を厳しく制限すべきだ。例えば「1日1時間まで」「夜9時以降は使用禁止」といったルールを作り、破った場合はスマホを没収するなど、毅然とした態度で接することが重要だ。
     学校でも、スマホの持ち込みを原則禁止にし、ネットの危険性を教える授業をもっと増やすべきだ。子供を危険から守るためには、大人が環境をコントロールするしかない。(298文字)

    NGのポイント

    • 「管理・監視」への偏重
      「制限する」「没収する」「禁止する」といった外的コントロールに頼りすぎています。これでは子供の自律性(自分で考えて行動する力)が育たず、親の目が届かない場所で反動が出るリスクがあります。
    • 対話の欠如
      一方的にルールを押し付けるだけで、子供との「対話」や「合意形成」のプロセスがありません。これでは信頼関係が損なわれ、悩みがあっても相談できない状況を作ってしまいます。
    • デジタル社会への適応不足
      「遠ざけること」を主な解決策としていますが、学校教育における1人1台端末整備(GIGAスクール構想)や、行政・医療サービスのオンライン化が進んでいる現状を踏まえると、単にデジタル機器を禁止するだけでは現実的な対応とは言えません。

    まとめ

    デジタル機器は、いまや学習・仕事・人間関係など、私たちの生活のあらゆる場面に深く入り込んでいます(こども家庭庁「青少年のインターネット利用環境実態調査」、文部科学省GIGAスクール関連資料など)。一方で、長時間利用による睡眠不足や依存傾向、SNSを通じたいじめ・メンタルヘルス悪化など、健康面でのリスクも多くの研究で指摘されています(WHOのゲーム障害の報告や国内の疫学研究など)。
    したがって、「使わせない」か「放任するか」という二者択一ではなく、子ども自身がリスクを理解し、自律的にコントロールできるように支える姿勢が重要です。医療者や教育者、保護者は、デジタル・シティズンシップ教育やネット・リテラシー教育を通じて、「どうすれば心身の健康を守りながら上手に活用できるか」を一緒に考え、対話を重ねていく必要があります。
    小論文では、こうした現状とエビデンスを踏まえつつ、「リスクを直視しつつも、デジタルと共存する道を探る」という視点から、自分なりの対策や医療者としての役割を論じていくことが求められます。


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