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【医学部MMI対策講座 第2回】「指導医の指示が間違っているかも…」あなたならどうする?~チーム医療における対立解決~
医学部受験生の皆さん、こんにちは!ゴウカライズメディカルです。
「医学部MMI対策講座」、第2回のテーマは、多くの受験生が苦手とする**「チーム内の意見対立」**です。特に、立場が上の相手に対して、どのように自分の意見を伝えればよいのかは、非常に難しい問題です。医師として必須のコミュニケーション能力が問われるこの課題、あなたならどう考えますか?
【今回の課題】
あなたは研修医です。ある患者さんの治療方針について、指導医からAという治療薬を投与するよう指示を受けました。しかし、あなたは最新の治療ガイドラインで、この患者さんのようなケースでは、副作用の少ないBという薬が第一選択薬として推奨されていることを知っています。 指導医は非常に忙しそうで、話しかけづらい雰囲気です。あなたならどのように行動しますか?
MMI思考のフレームワークで考える
このような状況で最も大切なのは、パニックにならず、論理的に行動の選択肢を考えることです。
1. 最優先事項の確認
まず、この状況で絶対に守らなければならない最優先事項は何かを明確にします。それは**「患者さんの安全と利益」**です。自分の立場や人間関係は、その次に考えるべき問題です。この軸がブレてしまうと、回答全体が的外れなものになってしまいます。
2. ステークホルダーとそれぞれの状況の分析
次に関係者(ステークホルダー)の状況を整理し、客観的に状況を把握します。
- 患者さん: 医療の専門家ではない。医師を信頼しているが、最も良い治療を受ける権利がある。
- 指導医: 経験豊富で、あなたよりも多くの症例を知っている。しかし、多忙のため最新の知識が更新されていない可能性や、何か特別な意図があってA薬を指示した可能性もある。プライドもあるかもしれない。
- あなた(研修医): 知識は新しいが、経験は浅い。患者さんのために行動する義務があるが、指導医との関係を損なうことへの懸念もある。
- チーム(看護師など): 指示系統の混乱は医療ミスにつながる。チーム全体で情報を共有し、一貫した方針で動く必要がある。
3. 行動の選択肢とメリット・デメリットの検討
考えられる行動を複数挙げ、それぞれのメリット・デメリットを考えます。
- A案: 何も言わず、指示通りA薬を投与する
- メリット: 指導医との対立を避けられる。
- デメリット: 患者さんが不利益を被る可能性がある。医師としての倫理的責任を果たせない。
- B案: 指導医の指示は間違っていると、強く主張する
- メリット: 患者さんの安全を守れる可能性がある。
- デメリット: 指導医の気分を害し、人間関係が悪化する。チームの和を乱す。自分の知識が間違っていた場合、取り返しがつかない。
- C案: 敬意を払いつつ、疑問点として質問する形で確認する
- メリット: 対立を避けつつ、患者さんの安全を確保できる可能性が最も高い。指導医の考えを知る機会にもなる。
- デメリット: うまく伝えられないと、意図が伝わらない可能性がある。
良い回答例・悪い回答例
上記の分析から、C案が最も望ましい行動であることが分かります。では、それをどのように言葉にするか、見ていきましょう。
悪い回答例 👎
「患者さんの安全が第一なので、黙っているという選択肢はありません。指導医の先生に『最新のガイドラインではB薬が推奨されています。なぜA薬を使うのでしょうか?』と、はっきり質問します。もし納得のいく説明がなければ、患者さんのためにB薬を使うべきだと主張します。」
【評価】
- 攻撃的・挑戦的: 「なぜですか?」という直接的な問いかけは、相手を詰問しているような印象を与えかねません。
- 自己中心的: 自分の知識が絶対に正しいという前提に立っており、相手の経験や考えへの配慮が欠けています。
- チームワークの欠如: 「主張します」という言葉は、対話ではなく対立を生む可能性があります。
良い回答例 👍
「まず、最優先すべきは患者さんの安全であると考えます。その上で、指導医の先生との良好な関係を保ち、チーム医療を円滑に進めることも重要です。
そこで私は、まず指導医の先生のタイミングを見計らい、『お忙しいところ恐れ入ります。今、少しだけよろしいでしょうか』と丁寧にお声がけします。そして、質問という形で確認させていただきます。その際、『私の勉強不足で大変恐縮なのですが』と前置きをした上で、『先日、最新のガイドラインを拝見したところ、今回の患者さんのようなケースではB薬が推奨されておりました。先生がA薬をご指示されたのには、私がまだ学べていない特別な理由やご経験に基づいたお考えがあるかと存じます。今後の勉強のためにも、その意図をご教示いただけますでしょうか』とお伺いします。このように質問することで、先生のお考えを否定することなく、治療方針の背景を確認できます。もし先生がご存じなかった場合は、そこで情報共有ができますし、私の知らないリスクや患者さんの特殊な背景があってA薬が選択されたのであれば、それを学ぶことができます。いずれにせよ、患者さんにとって最善の治療法をチームとして再確認するきっかけになると考えます。」
【評価】
- 敬意と謙虚さ: 「勉強不足で」「ご教示いただけますでしょうか」といったクッション言葉を使い、相手への敬意を示せています。
- 非対立的な質問形式: 相手を非難するのではなく、自分が教えを乞うというスタンスで対話のきっかけを作れています。
- 目的の明確化: 「患者さんにとって最善の治療法を確認する」という本来の目的が明確です。
- 学習意欲: 自分の成長につなげようという前向きな姿勢もアピールできています。
【今回のまとめ】
- 最優先事項は「患者の安全」。この軸を絶対にブラさない。
- 相手を「否定」するのではなく、自分の「疑問」として質問する。
- 「教えてください」という謙虚な姿勢が、円滑なコミュニケーションの鍵。
- **対立ではなく「対話」**を目指し、チームとして最善の解を探す姿勢を示す。
医師の仕事は、常にチームで行われます。MMI面接官は、あなたがチームの中で賢く、かつ誠実に振る舞える人材かを見ています。ぜひ、この思考プロセスを身につけてください。
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