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麻布大学学校推薦型選抜 小論文対策③ 2021を題材に

4 November, 2025

麻布大学獣医学部を目指す受験生の皆さん、こんにちは!

今回は、獣医学という枠を越え、科学と社会の関わりそのものが問われる、非常に思考力が試される問題をご紹介します。

2021年度に出題されたのは、まさに当時、世界中が直面していた「新型コロナウイルスとワクチン」というテーマです。この記事を通して、複雑な社会課題を多角的に分析し、論理的に自分の考えを構築する力をどう養うか、そのヒントを掴んでいきましょう。


2021年度 獣医学科 小論文問題


この年の問題は、課題文が著作権の都合で非公開となっていますが、設問からその内容は十分に推測できます。


問 次の文章を読んで設問に答えなさい。

「この文章は著作権法上の都合により公開できません。」 (出典)BBC NEWS JAPAN cite_startジェイムズ・ギャラガー、BBC健康科学担当編集委員


設問 この記事では、新型コロナウイルスの収束には、たとえ有効なワクチンができたとしても、「膨大な数」の課題が残っていると科学者たちが考えていると書かれています。有効なワクチンが開発された後の私たちの社会の中にある「膨大な数」の課題とはどのようなことが考えられるか、またその対策は何か、あなたの考えを800字以内に述べなさい。




問題のポイント解説


この問題の最大のポイントは、設問にある**「膨大な数」の課題**という言葉です。一つの側面から課題を語るのではなく、複数の異なる視点から、社会に山積する課題を体系的に捉え、それぞれに対策を述べられるかが問われています。

  • ポイント1:課題の多角的な視点 「ワクチンができても残る課題」を、様々な角度から洗い出しましょう。思考の切り口として、以下のような分類が考えられます。
    • 科学的・医学的課題:ワクチンの有効期間、副反応、変異株への対応など
    • 物流・経済的課題:生産量、超低温での輸送・保管、コスト、先進国と途上国の格差など
    • 社会的・倫理的課題:接種の優先順位、接種の強制や差別(ワクチンパスポート)、デマや誤情報の流布など
  • ポイント2:課題と対策のセットで考える 課題を挙げるだけで終わってはいけません。「〇〇という課題がある」と述べたら、必ず「その対策として△△が必要だ」というように、課題と対策をセットで論じる必要があります。対策は、精神論(例:みんなで頑張る)ではなく、具体的な行動(例:政府は〜すべき、科学者は〜すべき)として示しましょう。
  • ポイント3:獣医学との接続 一見すると医学や社会学の問題ですが、獣医学も無関係ではありません。新型コロナウイルスも動物由来感染症の疑いがあるように、パンデミックは**「One Health(ワンヘルス)」**の理念、すなわち「人と動物、環境の健康は一つ」という考え方と密接に関わっています。答案のどこかで、こうした公衆衛生や人獣共通感染症の視点に触れられると、獣医学部を志望する者としての意識の高さを示すことができます。

それでは、これらのポイントを踏まえて、答案例を見ていきましょう。


ダメな答案例(どこがダメか考えながら読んでみよう!)


有効なワクチンが開発されても、多くの課題が残ると思います。一番の課題は副反応です。どんなに効果があっても、副反応が怖くて打ちたくないという人がたくさんいると思います。これでは集団免疫ができません。対策としては、国がもっと安全性をアピールするべきです。テレビCMなどを使って、ワクチンは安全だという情報を流し続けることが必要です。また、ワクチンを打たない人が差別されないように、みんなで気をつけることも大切です。海外ではワクチンが足りない国もあると聞きます。日本は豊かな国なので、余ったワクチンを寄付してあげるべきです。世界中が協力しないと、コロナは収束しないと思います。みんなで力を合わせて、この危機を乗り越えるべきです。

【ダメなポイント】

  • 課題の視点が単一的】:「副反応が怖い」という課題に偏っており、「膨大な数」という設問の要求に応えられていません。
  • 対策が具体的でない】:「安全性をアピールする」「みんなで気をつける」といった対策は、具体性に欠ける精神論です。誰がどうやって行うのかが見えません。
  • **論理の飛躍がある】:**副反応の話から、唐突に海外への寄付の話に飛んでおり、文章全体の一貫性がありません。
  • **獣医学との関連が皆無】:**獣医学部を目指す答案としては、専門分野への関心や視点が全く示されていません。


良い答案例(体系的な分析と具体策に注目!)


有効なワクチン開発はパンデミック収束への大きな一歩だが、社会実装には設問の通り「膨大な数」の課題が考えられる。私はそれらを「公平性」「安全性」「社会制度」の三つの側面から考察し、対策を述べたい。第一の課題は、供給における「公平性」だ。生産量が限られる中、開発国がワクチンを独占するワクチン・ナショナリズムは、世界的な感染収束を遅らせる。対策として、日本はCOVAXファシリティのような国際的枠組みへ積極的に資金やワクチンを拠出し、グローバルな公衆衛生に貢献すべきだ。また国内では、医療従事者や高齢者、基礎疾患者といった接種の優先順位について、政府が科学的根拠と倫理的妥当性を国民に透明性高く説明し、合意形成を図ることが不可欠である。第二に、ワクチンの「安全性」に関する情報伝達の課題だ。副反応への不安を煽るデマや誤情報は、SNSを通じて瞬時に拡散し、ワクチン忌避を生む。対策は、国や研究機関による迅速かつ正確なファクトチェックと、リスクコミュニケーションの徹底に尽きる。短期・長期の副反応データを継続的に収集・公開し、利益とリスクを客観的に比較できる情報を提供することが、国民の科学的リテラシーを高め、冷静な判断を促す。第三に、接種に伴う「社会制度」の課題だ。ワクチンパスポート等の導入は、経済活動再開に寄与する一方、接種を受けられない、あるいは受けないと選択した人々への差別を生む危険を孕む。対策として、接種は個人の自由意志を尊重する原則を堅持しつつ、パスポート導入の際は、代替措置として安価で迅速な検査を受けられる体制を整備するなど、人権に配慮した慎重な制度設計が求められる。これら複雑な課題の解決には、科学、倫理、国際協調が欠かせない。新型コロナも動物由来が疑われる人獣共通感染症であり、獣医学が貢献すべき公衆衛生分野の課題だと考える。私は将来、One Healthの視点から感染症対策に貢献できる獣医師になりたい。

【良いポイント】

  • **体系的な構成】:**冒頭で課題を「公平性」「安全性」「社会制度」の3つに分類すると宣言し、それに沿って論理的に文章が展開されており、非常に分かりやすいです。
  • **課題と対策が明確に対応】:**挙げた3つの課題それぞれに、具体的で実現可能性のある対策(COVAX、リスクコミュニケーション、代替措置付きの制度設計など)がセットで述べられています。
  • **多角的な視点】:**国際関係、国内の政策、情報リテラシー、人権問題まで、幅広い視野で課題を捉えられています。
  • **獣医学への接続】:**最終段落で、この問題を人獣共通感染症、One Healthという獣医学の重要な概念と結びつけ、獣医師としての将来像を示すことで、志望動機を効果的にアピールしています。


まとめ


2021年度の問題は、時事問題への深い理解と、それを多角的に分析・整理し、論理的な解決策を提示する高度な知性が求められる問題でした。

このような問題に対応するためには、

  1. 日頃から社会問題に広く関心を持つ
  2. 一つの問題を複数の視点(科学、経済、社会、倫理など)から見る癖をつける
  3. その問題が、自分の目指す獣医学とどう繋がるのかを考える

この3つの訓練が非常に有効です。 表面的な知識だけでなく、物事の本質を深く考える力を養い、自信を持って試験に臨んでください。応援しています!

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