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【医学部MMI対策講座 第4回】「自分が医療ミスを…」その時どう動く?~誠実さと危機管理能力~
医学部受験生の皆さん、こんにちは!ゴウカライズメディカルです。
MMI対策講座、第4回のテーマは、誰もが起こしうる、しかし決して起きてはならない**「医療過誤(医療ミス)」**です。人間である以上、医師も間違いを犯す可能性はゼロではありません。重要なのは、その「万が一」が起きてしまった時に、一人の人間として、そして医療者として、いかに誠実に行動できるかです。あなたの真価が問われるこのテーマ、しっかりと向き合っていきましょう。
【今回の課題】
あなたは内科病棟で勤務する研修医です。ある患者さんに薬剤を静脈注射した直後、自分が指示された量の10倍の濃度で薬剤を投与してしまったことに気づきました。今のところ、患者さんの容態に変化は見られません。このミスに気づいているのは、あなただけです。この状況に気づいたとき、あなたはまず何をしますか?具体的に述べてください。
MMI思考のフレームワークで考える
パニックになりそうなこの状況で、面接官が見ているのは**「冷静な判断力」と「行動の優先順位」**です。自分の保身ではなく、患者中心の行動が取れるかが最大のポイントです。
1. 行動の優先順位を立てる
まず、やるべきことを頭の中で瞬時に整理し、優先順位をつけます。この手の問題の鉄則は以下の通りです。
- 最優先: 患者さんの安全確保。(今、そしてこれから起こりうることへの対応)
- 第二: 上級医への迅速かつ正確な報告。(独断での行動を避け、チームで対応する)
- 第三: 患者さん・ご家族への誠実な説明と謝罪。(透明性の確保と信頼関係の再構築)
- 第四: 原因究明と再発防止策の検討。(システム全体の問題として捉え、未来に繋げる)
この順番を間違えることが、最も評価を下げてしまいます。
2. 誰のために行動するのかを明確にする
行動の全ての根底にあるべきなのは、**「全ては患者さんのために (Patient-centeredness)」**という考え方です。自分の評価、立場、ミスの隠蔽といった「自分中心」の考えが少しでも回答に見えると、医師としての適性を疑われます。
良い回答例・悪い回答例
このフレームワークに基づき、具体的な回答例を見ていきましょう。
悪い回答例 👎
「まずは落ち着いて、患者さんの様子をしばらく観察します。幸い容態に変化がないようなので、誰にも気づかれないかもしれません。もし、今後何か変化があった時点で、すぐに指導医に報告しようと思います。まずは自分で対応できないか、薬剤の副作用について急いで調べます。」
【評価】
- 隠蔽体質: 「誰にも気づかれないかも」という考えは、医師として最もしてはならない自己保身です。
- 判断の遅れ: 報告を後回しにすることで、対応が遅れ、患者さんを危険に晒す可能性があります。
- 独善的な行動: チーム医療の原則を無視し、一人で解決しようとする姿勢は非常に危険です。
- 優先順位の誤り: 「報告」よりも「隠蔽」や「自己での調査」を優先してしまっています。
良い回答例 👍
「まず、最優先すべきは患者さんの安全確保です。直ちに患者さんのベッドサイドへ向かい、バイタルサインの測定や意識状態の確認など、全身状態を注意深く観察します。それと並行して、一刻も早く指導医の先生に報告します。その際、『大変申し訳ありません。たった今、〇〇(患者名)さんに、△△という薬剤を指示の10倍量で投与してしまいました。現在のところ、患者さんのバイタルは安定しています』というように、言い訳を一切せず、事実を正確かつ簡潔に伝えます。そして、今後の観察項目や治療方針について、速やかに指示を仰ぎます。指導医の先生と今後の対応を決定した上で、患者さんご本人、そしてご家族に対し、私自身の口から、起きてしまった事実と、それによって起こりうる健康への影響、そして今後の治療方針について、誠心誠意ご説明し、謝罪いたします。そして、今回の重大な過ちを二度と繰り返さないために、なぜエラーが起きたのか(指示の確認プロセスに問題はなかったか、薬剤の準備環境はどうだったかなど)をチーム全体で詳細に振り返り、具体的な再発防止策の立案に、責任をもって貢献したいと考えています。」
【評価】
- 優先順位が完璧: 「患者の安全確保」→「報告」→「説明」→「再発防止」という理想的な流れで行動できています。
- 患者中心の姿勢: 全ての行動が患者さんのために行われていることが明確です。
- 誠実さと説明責任: 隠蔽せず、言い訳せず、正直に事実を伝える姿勢(ディスクロージャー)が示せています。
- 当事者意識と学習意欲: 自分のミスで終わらせず、チームやシステムの問題として捉え、改善に繋げようという建設的な視点を持てています。
【今回のまとめ】
- ミスをした時、最優先は「患者の安全」。
- 隠蔽は最悪の選択肢。 直ちに**「報告」**し、チームで対応する。
- 報告の際は、言い訳せず、事実を正確に伝える。
- 患者さんには誠実に謝罪し、説明責任を果たす。
- 個人の失敗で終わらせず、**「再発防止」**という未来の視点を持つ。
誰にでも失敗はあります。MMIでは、失敗しない完璧な人間ではなく、失敗から学び、誠実に対応できる人間性を持った人物が求められています。
ゴウカライズメディカルで、夢への一歩を。
ゴウカライズメディカルでは、今回のようなプレッシャーのかかる状況設定でも、冷静に論理的に思考し、自分の言葉で誠実に伝える力を養います。プロの講師との一対一の対話を通じて、あなただけの「人間力」を最大限に引き出します。
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