オンライン大学受験予備校ゴウカライズのロゴ
オンライン大学受験予備校ゴウカライズ
LINEで相談!
ゴウカライズの大学受験ブログページを案内するヘッダー画像

Blog

大学受験ブログ

【期待値マスター講座53】昭和医2019(数学) tail-sumで解く裏技解法!に関する大学受験ブログ記事のサムネイル画像

【期待値マスター講座53】昭和医2019(数学) tail-sumで解く裏技解法!

    ゴウカライズ編集部
    10 June, 2026

    この記事では、第X部の最後として昭和大学2019年度I期医学部第3問(3)を扱います。

    さいころの目の和が5以上になるまで投げ続ける問題で、tail-sum公式 ${E(N) = \sum_k P(N\ge k)}$ を使うと、答えが ${\bigl(\frac{7}{6}\bigr)^4}$ という二項定理の形で出てくる、見事な構造です。

    公式LINEでテキスト配布中
    公式LINE追加期待値テキスト と送信
    で120ページ超えのテキストを自動送信!

    無料勉強相談も受付中
    学習相談も受け付けています。
    ゴウカライズは情報の少ない獣医学部や医学部受験にも精通しています。
    一般入試はもちろん、総合型選抜や推薦など、なんでもお問い合わせください!

    シリーズ全体の流れを先に見たい方は、まず 期待値マスター講座の導入記事 からどうぞ。全56回の構成と読み進め方をまとめています。

    https://note.com/goukalize/n/n9de4e3c6c4fb


    問題

    1つのサイコロを投げることをくり返し、出た目の和が5以上になったら終わることにする。
    (3-1) 1回投げて終わる確率を求めよ。
    (3-2) 2回投げて終わる確率を求めよ。
    (3-3) 終わるまでに投げる回数の期待値(平均値)を求めよ。

    累積和を $${S_k = X_1 + \cdots + X_k}$$( $${S_0 = 0}$$ )とし、振った回数を $${N}$$ とします。 $${N = k \iff S_{k-1} < 5\le S_k}$$。

    (3-1) 1回投げて終わる確率

    $${P(N = 1) = P(X_1\ge 5)}$$。これは目が5または6のときで

    $$
    P(N = 1) = \frac{2}{6} = \frac{1}{3}.
    $$

    (3-2) 2回投げて終わる確率

    $${X_1 < 5}$$ かつ $${X_1 + X_2\ge 5}$$ のとき。 $${X_1 = i\ (i = 1, 2, 3, 4)}$$ を固定して $${X_2\ge 5 - i}$$ となる場合の数を数えます。

    • $${X_1 = 1}$$:$${X_2\ge 4}$$ で3通り(4,5,6)
    • $${X_1 = 2}$$:$${X_2\ge 3}$$ で4通り
    • $${X_1 = 3}$$:$${X_2\ge 2}$$ で5通り
    • $${X_1 = 4}$$:$${X_2\ge 1}$$ で6通り

    合計18通り。全 $${6^2 = 36}$$ 通りなので

    $$
    P(N = 2) = \frac{18}{36} = \frac{1}{2}.
    $$

    (3-3) 期待値はtail-sumで

    $${N}$$ は非負整数値なので、tail-sum公式

    $$
    E(N) = \sum_{k=1}^{\infty} P(N\ge k)
    $$

    を使います。 $${N\ge k}$$ は「 $${k - 1}$$ 回までの和が5未満」と同値、すなわち $${S_{k-1}\le 4}$$。

    $${j}$$ 個のさいころの目の和が4以下となる場合の数 $${f(j)}$$ を数えます。

    • $${j = 0}$$:和は0で4以下。1通り(試行0回の自明な状態)
    • $${j = 1}$$:1〜4の4通り
    • $${j = 2}$$:1+1, 1+2, 2+1, 1+3, 2+2, 3+1の6通り
    • $${j = 3}$$:(1,1,1), (1,1,2)の並べ替え3通り、合計4通り
    • $${j = 4}$$:(1,1,1,1)の1通り
    • $${j\ge 5}$$:最小和が $${j\ge 5}$$ なので不可。 $${f(j) = 0}$$

    つまり $${f(0), f(1), f(2), f(3), f(4) = 1, 4, 6, 4, 1}$$。

    $${P(N\ge k) = P(S_{k-1}\le 4) = \frac{f(k-1)}{6^{k-1}}}$$ なので

    $$
    \begin{aligned}
    E(N)
    &= \sum_{k=1}^{5}\frac{f(k-1)}{6^{k-1}} \\
    &= \frac{1}{1} + \frac{4}{6} + \frac{6}{36} + \frac{4}{216} + \frac{1}{1296}.
    \end{aligned}
    $$

    $${(7/6)^4}$$ が出る

    ここで、 $${f(0), f(1), \ldots, f(4) = 1, 4, 6, 4, 1}$$ という数列は 二項係数 $${\binom{4}{j}}$$ そのものです。したがって

    $$
    E(N) = \sum_{j=0}^{4}\binom{4}{j}\Bigl(\frac{1}{6}\Bigr)^j = \Bigl(1 + \frac{1}{6}\Bigr)^4 = \Bigl(\frac{7}{6}\Bigr)^4 = \frac{2401}{1296}.
    $$

    二項定理で綺麗にまとめられました。

    答えは $${E(N) = \bigl(\frac{7}{6}\bigr)^4 = \frac{2401}{1296}}$$。

    $${f(j) = \binom{4}{j}}$$ になる理由

    $${j}$$ 個のさいころで和が4以下になる場合の数が、なぜ二項係数になるのか。

    各目が1以上6以下ですが、和が4以下となる場面では、各目は1以上4以下に自然に制限されます。変数変換 $${Y_i = X_i - 1\ge 0}$$ にすると、和は $${S_j - j}$$ になり、 「 $${Y_i\ge 0}$$ の和 $${\le 4 - j}$$」 の問題に翻訳されます。

    「 $${j}$$ 変数の非負整数解で和が $${4 - j}$$ 以下」の総数は $${\binom{(4-j) + j}{j} = \binom{4}{j}}$$ になります(重複組合せ)。 $${Y_i}$$ の上限 $${\le 3}$$ という制約は、和 $${\le 4 - j}$$ の範囲では自動的に満たされる、というのもキレイにハマります。

    このカラクリのおかげで、 $${f(j) = \binom{4}{j}}$$ が成立し、tail-sumの和が二項定理の形に書けるわけです。

    tail-sum vs 漸化式

    別解として、状態を「現在の累積和 $${s}$$」で分けて、漸化式

    $$
    e_s = 1 + \frac{1}{6}\sum_{i=1}^{6} e_{s+i}\quad (s\le 4),\quad e_s = 0\quad (s\ge 5)
    $$

    を立てることもできます。 $${e_4, e_3, e_2, e_1, e_0}$$ の順に逆向きに解けば $${e_0 = E(N)}$$ が出ます。

    実際に計算すると、

    • $${e_4 = 1 + \frac{1}{6}\cdot (0\cdot 6) = 1}$$( $${e_5 = e_6 = \cdots = e_{10} = 0}$$ )
    • $${e_3 = 1 + \frac{1}{6}\cdot (e_4 + 0\cdot 5) = 1 + \frac{1}{6} = \frac{7}{6}}$$
    • $${e_2 = 1 + \frac{1}{6}(e_3 + e_4 + 0\cdot 4) = 1 + \frac{1}{6}\cdot \frac{13}{6} = 1 + \frac{13}{36} = \frac{49}{36}}$$
    • $${e_1 = 1 + \frac{1}{6}(e_2 + e_3 + e_4 + 0\cdot 3) = 1 + \frac{1}{6}\cdot \frac{49 + 42 + 36}{36} = 1 + \frac{127}{216}}$$
      $${= \frac{343}{216}}$$
    • $${e_0 = 1 + \frac{1}{6}(e_1 + e_2 + e_3 + e_4 + 0\cdot 2) = 1 + \frac{1}{6}\cdot \frac{343 + 294 + 252 + 216}{216}}$$
      $${= 1 + \frac{1105}{1296} = \frac{2401}{1296}}$$

    tail-sum と同じ答え $${\frac{2401}{1296}}$$ に到達します。

    漸化式ルートは順に解くので機械的ですが、 tail-sumルートでは「二項定理の形が見える瞬間」の鮮やかさ が魅力です。

    一般化(上限制約が効かない範囲)

    「和が $${m}$$ 以上になるまで投げ続ける」と一般化したとき、 上限制約(各目 $${\le 6}$$)が効かない範囲 では、同じ議論で

    $$
    E(N) = \Bigl(\frac{7}{6}\Bigr)^{m-1}
    $$

    の形になります。

    本問は $${m = 5}$$ なので $${\bigl(\frac{7}{6}\bigr)^4}$$。 $${m = 4}$$ なら $${\bigl(\frac{7}{6}\bigr)^3 = \frac{343}{216}}$$、 $${m = 3}$$ なら $${\bigl(\frac{7}{6}\bigr)^2 = \frac{49}{36}}$$。これは上で計算した $${e_2, e_1}$$ と一致しています。

    ただし、 $${m}$$ が大きくなると上限制約(各目 $${\le 6}$$)が効いてくるため、 $${m\ge 7}$$ あたりからこの単純な式は成り立たなくなります。包除原理などの補正が必要になります。本問の $${m = 5}$$ では、各目 $${\le 4}$$ で済むので、上限制約が完全に無効化される範囲に収まっています。

    練習問題

    サイコロを目の和が4以上になるまで投げ続ける。投げる回数の期待値 $${E(N')}$$ を求めよ。

    上の一般化で $${m = 4}$$ なら

    $$
    E(N') = \Bigl(\frac{7}{6}\Bigr)^3 = \frac{343}{216}.
    $$

    または tail-sum で $${P(N'\ge k) = \frac{f'(k-1)}{6^{k-1}}}$$、 $${f'(j) = \binom{3}{j}}$$(同じ議論で)。

    $$
    E(N') = \sum_{j=0}^{3}\binom{3}{j}\Bigl(\frac{1}{6}\Bigr)^j = \Bigl(\frac{7}{6}\Bigr)^3 = \frac{343}{216}.
    $$

    「和が4以上」だと、 $${f'(j) = \binom{3}{j}}$$ になる範囲は $${j = 0, 1, 2, 3}$$ で、変換 $${Y_i = X_i - 1}$$ で「 $${Y_i\ge 0}$$ の和 $${\le 3 - j}$$」の解の数 $${\binom{3}{j}}$$ になる、という同じ仕掛けです。

    第X部のまとめ

    第X部では、入試の実問題6題を扱いました。

    • 鹿児島大2024:順序統計量の積、 $${E(XY)>0}$$ となる最小 $${m = 4}$$、 $${\mathrm{Cov}(X, Y)>0}$$ という意外な結論
    • 東北大2025:試行を二値化して二項分布に翻訳、 $${n\not\equiv 0\pmod 3}$$ では戻る確率が0
    • 一橋大2012:6面の状態を3対に集約、 $${E_n = \frac{7}{2}}$$ という $${n}$$ 不変
    • 慶應医2025:後戻りしない遷移、 $${Y_n = 2^{X_n}}$$ の巧妙な変換
    • 京大2026:シリーズの集大成、 $${\frac{3(n+1)}{4}}$$
    • 昭和医2019:tail-sumで $${\bigl(\frac{7}{6}\bigr)^4}$$ という二項定理の形

    実問題はどれも、 指示関数・線形性・tail-sum・漸化式の組合せ で解けることを確認しました。問題の条件を見て、どの道具を使うかを判断する眼を養うのが、第X部の本質です。

    次の第XI部は、シリーズの最後として自作演習3題で総合演習を行い、シリーズ全体を締めくくります。

    次に読む記事

    次回から第XI部「仕上げ編」です。自作の演習問題3題で、シリーズで身につけた道具の運用を最終確認します。第1問は「色分け配置の隣接同色ペアの個数」を扱います。

    【無料相談受付中】医学部・獣医学部受験対策はゴウカライズにおまかせを!

    「一般入試の勉強だけでも大変なのに、面接や小論文までどう準備すればいいかわからない…」
    「医学部や獣医学部のような専門性の高い入試に、本当に今の対策で足りるのか不安…」

    そんな悩みをお持ちの受験生・保護者の皆様、医学部・獣医学部専門塾 ゴウカライズにご相談ください!

    医学部受験・獣医学部受験は、学科試験だけでなく、面接、小論文、志望理由書など学部特有の対策が必要になる入試です。
    ゴウカライズでは、それぞれの志望校や受験方式に合わせて、合格に必要なすべてをトータルサポートします。

    【一般入試】完全オーダーメイドの学習計画
    医学部・獣医学部の一般入試は、わずかな失点が合否を分けることもあります。
    あなたの現状と志望校の出題傾向を分析し、合格ラインに到達するための最短ルートを設計します。
    日々の進捗管理で、学習の遅れも見逃さず、適宜ルートを最適に修正します。

    【推薦・総合型選抜】面接・小論文もプロが対応
    推薦入試や総合型選抜で必須となる「面接・小論文・志望理由書」の対策もお任せください。
    医学部・獣医学部特有のテーマに対応できるプロ講師が、合格レベルの答案作成と受け答えを指導します。

    プロ講師・優秀学生講師の個別指導
    学習管理だけでなく、経験豊富なプロ講師や、高倍率から選抜された優秀な学生講師による完全個別指導も提供。
    苦手科目の克服や過去問解説など、あなたのニーズに合わせた1対1の指導が可能です。

    【医学部・獣医学部対策】特殊な対策に完全対応
    医学部入試、獣医学部入試は、どちらも特殊な対策が必要です。
    面接などがある入試形式の場合、学科試験以外の準備も侮れません。
    そんな入試に精通したプロがゴウカライズには多数在籍しています。
    ゴウカライズ代表の大北も医学部・獣医学部受験の指導経験は15年を超える大ベテランです。

    まずは無料相談で、あなたの合格までのロードマップを一緒に描きませんか?
    無理な勧誘は一切ありません。
    予備校選びに迷っているなどの相談でも、客観的にアドバイスを行います。

    公式LINEでいつでも無料相談を受け付けています!

    https://goukalize.com/

    https://goukalize-official-line-harness.tiny-atlas.workers.dev/r/Expected-Value

    #医学部 #オンライン予備校 #昭和大学 #tailsum

    医学部受験生はこちらへ!

    獣医学部受験生はこちらへ!

    ゴウカライズ編集部

    オンライン予備校ゴウカライズの編集部が、大学受験に役立つ情報を整理してお届けしています。

    前後の記事