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大学受験ブログ

【母関数マスター講座 第17回】複素数平面との融合〜1の3乗根と「3の剰余フィルター」〜
第4部(第12回〜第16回)では、漸化式・カタラン数・分割数・2進法と、母関数の適用範囲を大きく広げてきました。
今回からの第5部は、最高峰の入試問題に挑むための最終兵器を揃えます。その第一弾は、第6回で学んだ「偶奇分離」を3の剰余に拡張する「1の3乗根フィルター」です。
母関数マスター講座の全体像、シラバスは以下の記事でご覧ください。
https://note.com/goukalize/n/ne5f45c351ab2
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1. 第6回の偶奇分離を振り返る
第6回では、 $${f(1)}$$ と $${f(-1)}$$ を組み合わせて「偶数次の係数の和」と「奇数次の係数の和」を分離しました。
$${x = 1}$$ は $${x^2 = 1}$$ の解、つまり「1の2乗根」です。 $${x = -1}$$ も $${x^2 = 1}$$ のもう一つの解です。偶奇分離は、1の2乗根をすべて代入して組み合わせる操作だったと言い換えることができます。
では、「3で割った余りが0, 1, 2」の3グループに分離するには? 答えは「1の3乗根」を使うことです。
2. 1の3乗根とは
$${z^3 = 1}$$ を満たす複素数は3つあります。
$$
\begin{aligned}
z = 1, \quad \omega = \frac{-1 + \sqrt{3}i}{2}, \quad \omega^2 = \frac{-1 - \sqrt{3}i}{2} \tag{①}
\end{aligned}
$$
$${\omega}$$ は「1の原始3乗根」と呼ばれ、次の性質を持ちます。
- $${\omega^3 = 1}$$
- $${1 + \omega + \omega^2 = 0}$$
2番目の性質が、フィルターの核心です。
3. 3の剰余フィルターの仕組み
母関数 $${f(x) = a_0 + a_1 x + a_2 x^2 + a_3 x^3 + \cdots}$$ に $${x = 1, \omega, \omega^2}$$ をそれぞれ代入して足してみましょう。
$$
\begin{aligned}
f(1) + f(\omega) + f(\omega^2) &= \sum_k a_k (1^k + \omega^k + \omega^{2k}) \tag{②}
\end{aligned}
$$
ここで、 $${1^k + \omega^k + \omega^{2k}}$$ の値は $${k}$$ を3で割った余りによって決まります。
- $${k \equiv 0 \pmod{3}}$$ のとき: $${1 + 1 + 1 = 3}$$
- $${k \equiv 1 \pmod{3}}$$ のとき: $${1 + \omega + \omega^2 = 0}$$
- $${k \equiv 2 \pmod{3}}$$ のとき: $${1 + \omega^2 + \omega^4 = 1 + \omega^2 + \omega = 0}$$
つまり、余りが0でない項はすべて消え、余りが0の項だけが3倍されて生き残ります。
$$
\begin{aligned}
\frac{f(1) + f(\omega) + f(\omega^2)}{3} = a_0 + a_3 + a_6 + \cdots \tag{③}
\end{aligned}
$$
③が「3で割って余り0の番目の係数の和」です。
4. 余り1と余り2も抽出する
余り1の項だけを取り出すには、代入時に $${\omega}$$ の逆数をウェイトとして掛けます。
$$
\begin{aligned}
\frac{f(1) + \omega^{-1} f(\omega) + \omega^{-2} f(\omega^2)}{3} = a_1 + a_4 + a_7 + \cdots \tag{④}
\end{aligned}
$$
$${\omega^{-1} = \omega^2}$$ なので、④は次のようにも書けます。
$$
\begin{aligned}
\frac{f(1) + \omega^2 f(\omega) + \omega f(\omega^2)}{3} = a_1 + a_4 + a_7 + \cdots \tag{⑤}
\end{aligned}
$$
同様に、余り2の項は、
$$
\begin{aligned}
\frac{f(1) + \omega f(\omega) + \omega^2 f(\omega^2)}{3} = a_2 + a_5 + a_8 + \cdots \tag{⑥}
\end{aligned}
$$
③⑤⑥の3つの式を使い分ければ、係数を「3の剰余」で完全に分類できます。
5. 二項係数への適用
$${f(x) = (1+x)^n}$$ で試してみましょう。
- $${f(1) = 2^n}$$
- $${f(\omega) = (1+\omega)^n = (-\omega^2)^n = (-1)^n \omega^{2n}}$$
- $${f(\omega^2) = (1+\omega^2)^n = (-\omega)^n = (-1)^n \omega^n}$$
ここで $${1 + \omega = -\omega^2}$$ 、 $${1 + \omega^2 = -\omega}$$ を使いました。
③に代入すると、
$$
\begin{aligned}
\sum_{\substack{k \geq 0 \\ k \equiv 0 \pmod{3}}} {}_n\mathrm{C}_k = \frac{2^n + (-1)^n(\omega^{2n} + \omega^n)}{3} \tag{⑦}
\end{aligned}
$$
$${\omega^{2n} + \omega^n}$$ は $${n \bmod 3}$$ に応じて $${2, -1, -1}$$ のいずれかの値をとるので、⑦は具体的な数値に計算できます。
まとめ
$${x = 1}$$ と $${x = -1}$$ で偶奇を分離したのと同じ発想で、 $${x = 1, \omega, \omega^2}$$ を使えば3の剰余で分離できます。複素数が登場するため一見ハードルが高く感じますが、やっていることは第6回の拡張にすぎません。
次回、第18回ではこの「1の3乗根」を「1の $${m}$$ 乗根」へと一般化し、任意の剰余でフィルタリングする一般論を完成させます。
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