『入試数学 解法のセオリー』(河合出版)は、数学Ⅰ・A・Ⅱ・B(数列)・C(ベクトル)を対象とする全207題の問題集です。学んだ解法を「知っている」段階から「問題を見て選べる」段階へ進めることを狙っています。編集部としては、基本事項や教科書の例題は理解できているのに、初見の入試問題では方針が立たない人が検討する一冊だと考えます。なお、数学Ⅲと、数学Cの平面上の曲線・複素数平面は対象外です。
この記事では、出版社の公開情報と見本PDFで確認できる事実をもとに、次の4点を整理します。
- レベルの考え方
- 青チャートなど網羅系参考書との使い分け
- 進め方と日数の目安
- 正誤表の確認方法
「誰に向くか」「どう使うか」は編集部の提案です。事実とは分けて書いています。
結論:こんな人が検討する一冊
- 授業や網羅系参考書で解法を一通り学んだが、入試問題になると何から手をつけるか迷う
- 志望校の対策にⅠ・A・Ⅱ・B(数列)・C(ベクトル)の記述・標準問題の演習が必要
- 解答だけでなく「なぜその方法を選ぶのか」を読んで納得したい
反対に、解説を読んでも式変形や用語が追えない単元が多い場合は、手元の基礎教材に戻るほうが近道です。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 伊東敦 |
| 出版社 | 河合出版 |
| 発売日 | 2025年6月2日 |
| 判型・ページ数 | A5判・440ページ・2色 |
| 問題数 | 207題(全8章) |
| 対象範囲 | 数学Ⅰ・A・Ⅱ・B(数列)・C(ベクトル) |
| 対象外 | 数学Ⅲ、数学C(平面上の曲線・複素数平面) |
| 出版社の対象表示 | 高校3年生、二次・私大対策 |
| ISBN | 978-4-7772-3016-7 |
出典:河合出版 書籍詳細ページ
どんな参考書か:「指針」で解法の選び方を学ぶ
出版社が公開している見本PDFでは、解法を選ぶ考え方を示す「指針」が紹介されています。指針は、どの解法を選ぶかの考え方を示すものです。身につけた知識を実際の問題で使えるようにする、という意図も説明されています。
出典:河合出版 見本PDF
この構成を生かすため、編集部は次の使い方を提案します。指針は答え合わせのときに読むだけでなく、自分の方針と比べるための材料にするのがポイントです。
- 解き始める前に、使おうと思う方針を一言でメモする
- 解いた後に指針を読み、方針が合っていたか、どの条件に注目すべきだったかを書き出す
- 方針がずれた問題に印を付け、数日後に問題文だけを見て方針を言えるか確かめる
レベルは? 偏差値ではなく「方針が立つか」で判断する
この本に向くかどうかを、模試の偏差値だけで決めるのはおすすめしません。偏差値は模試や単元によって変わり、同じ偏差値でも得意・不得意は人それぞれだからです。編集部は、次の状態で判断することを勧めます。
取り組む目安
- 公式や定理の意味を自分の言葉で説明できる
- 教科書の例題レベルなら自力で解ける
- 初見の問題では、どの方法で始めるかで手が止まる
先に基礎へ戻る目安
- 解説の式変形や用語で分からない箇所が多い
- 教科書の例題でも解き方が思い浮かばない
迷う場合は、見本PDFや書店の店頭で、苦手ではない単元の問題を数題解いてみてください。解説を読んで理解できるかどうかが、判断の手がかりになります。
青チャートなど網羅系参考書との使い分け
本書と青チャートなどの網羅系参考書のどちらを使うかは、身についている単元や演習の目的から考えましょう。そこで編集部は、難易度の比較ではなく役割の違いとして考えることを提案します。
- 手元の網羅系で穴を確認する:例題を見て解き方がすぐ浮かばない単元を洗い出す
- 本書で解法を選ぶ練習をする:洗い出した単元を中心に、指針と自分の方針を比べる
- 志望校の過去問で必要性を確かめる:出題範囲や形式に対して、この練習が足りているかを見る
網羅系をすでに進めている人が、すぐに新しい問題集を買い足す必要はありません。過去問を解いてみて「方針を選ぶ段階でつまずいている」と分かってから検討しても十分です。進め方は志望校や残り時間によって変わるため、決まった一本のルートとして受け取らないでください。
何日で終わる? 1日の題数ごとの目安
初回に解く分だけを、仮の条件で計算すると次のとおりです。
- 1日3題:207÷3=69学習日
- 1日5題:207÷5=41.4なので、切り上げて42学習日
これはあくまで計算上の目安です。問題によって重さが違うほか、次の時間は別に確保する必要があります。
- 復習
- 休む日
- 苦手単元の補習
- 過去問演習
この日数で終わることや、合格を保証するものではありません。
使う前に正誤表を確認する
河合出版の正誤情報ページから、本書の現行の正誤表PDFを確認できます。2025年5月20日発行の初版第1刷について、次の3点が案内されています。
- p.72:解答(3)への説明の追加
- p.330:式の訂正
- p.62:複素数の相等の説明に関する留意事項
まず手元の本の奥付で版と刷を確かめ、そのうえで最新の正誤表と照らし合わせてください。どの刷で反映されたかは、正誤表や出版社の案内で確認するのが確実です。
出典:河合出版 正誤情報ページ/『入試数学 解法のセオリー』正誤表PDF
関連書籍
以下は関連書籍として紹介するものです。本書の前後に必ず使う決まったルートではなく、この記事では内容の比較もしていません。選ぶときは、目次や見本で対象範囲と解説の量を確かめ、志望校の過去問と照らし合わせてください。
次の数学Ⅲ・C(平面上の曲線と複素数平面)の書籍は、本書の対象範囲外の単元を扱う関連教材です。数学Ⅲが必要な人は、本書とは別に対策を考えてください。
教材選びに迷ったら
手元の教材、模試の結果、志望校の過去問を見ても、何をどの順番で使うか一人で決めにくいことがあります。その場合は、学習相談を利用するのも一つの方法です。
確認日と一次資料
確認日:2026年10月4日

