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大学受験ブログ

【母関数マスター講座 第14回】カタラン数と最短経路〜「超えられない壁」の完全理解〜
前回(第13回)は、確率の連立漸化式を母関数で解く方法を学びました。
今回は、格子経路の問題で登場する「カタラン数」を母関数の視点から解明します。「対角線を超えてはいけない最短経路」は入試でも難問として知られますが、母関数を使うと、その構造が鮮やかに見えてきます。
母関数マスター講座の全体像、シラバスは以下の記事でご覧ください。
https://note.com/goukalize/n/ne5f45c351ab2
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1. 問題:対角線を超えない最短経路
次の有名な問題を考えます。
【問題】
原点 $${(0, 0)}$$ から点 $${(n, n)}$$ まで、右(R)と上(U)の1歩ずつで進む最短経路のうち、常に対角線 $${y = x}$$ の上側に出ない(つまりどの時点でも「Rの回数 ≧ Uの回数」を満たす)ものは何通りあるか?
制約なしなら $${{}_{ 2n}\mathrm{C}_n}$$ 通りですが、「対角線を超えない」という制約がつくと、数え上げが格段に難しくなります。この答えが「カタラン数」です。
$$
\begin{aligned}
C_n = \frac{1}{n+1} {}_{2n}\mathrm{C}_n \tag{①}
\end{aligned}
$$
2. カタラン数の漸化式
カタラン数には次の漸化式が成り立ちます。 $${C_0 = 1}$$ とし、
$$
\begin{aligned}
C_n = \sum_{k=0}^{n-1} C_k \, C_{n-1-k} \quad (n \geq 1) \tag{②}
\end{aligned}
$$
②の意味を経路で考えてみましょう。出発後、最初のステップは必ずR(右)です。そのあと、初めて再び対角線(Rの回数 = Uの回数)に戻る瞬間を考えます。その時点を $${(k+1, k+1)}$$ とすると、「出発からその瞬間まで」は $${(0,0) → (k+1, k+1)}$$ の対角線接触なしの経路で $${C_k}$$ 通り、「その後から $${(n, n)}$$ まで」は $${C_{n-1-k}}$$ 通りあります。 $${k}$$ を $${0}$$ から $${n-1}$$ まで動かして足し上げると②になります。
3. 母関数で閉じた形を求める
カタラン数の母関数を $${G(x) = \displaystyle \sum_{n=0}^{\infty} C_n x^n}$$ と定義します。②の右辺は $${G(x)}$$ の「自分自身との畳み込み」になっているので、
$$
\begin{aligned}
G(x) - 1 = x \cdot G(x)^2 \tag{③}
\end{aligned}
$$
(左辺の $${-1}$$ は $${n = 0}$$ の項 $${C_0 = 1}$$ を分離したもの、右辺の $${x}$$ は添字を1つずらすためのものです。)
③を整理すると、 $${G(x)}$$ についての2次方程式が現れます。
$$
\begin{aligned}
xG(x)^2 - G(x) + 1 = 0 \tag{④}
\end{aligned}
$$
④を解の公式で解きます。
$$
\begin{aligned}
G(x) = \frac{1 \pm \sqrt{1 - 4x}}{2x} \tag{⑤}
\end{aligned}
$$
$${x \to 0}$$ のとき $${G(x) \to C_0 = 1}$$ でなければなりません。 $${+}$$ を選ぶと $${\frac{1 + \sqrt{1}}{0}}$$ と発散するので、
$$
\begin{aligned}
G(x) = \frac{1 - \sqrt{1 - 4x}}{2x} \tag{⑥}
\end{aligned}
$$
⑥がカタラン数の母関数の閉じた形です。
4. 一般項を読み取る
⑥から $${C_n}$$ を読み取るために、 $${\sqrt{1 - 4x} = (1 - 4x)^{1/2}}$$ を一般化二項定理で展開します。ここで、 $${r}$$ が実数(整数でなくてよい)のときの一般化二項係数を
$$
\begin{aligned}
\binom{r}{k} = \frac{r(r-1)(r-2)\cdots(r-k+1)}{k!}
\end{aligned}
$$
と定義すると、形式的冪級数として $${(1+u)^r = \displaystyle \sum_{k=0}^{\infty} \binom{r}{k} u^k}$$ が成り立ちます( $${r}$$ が正の整数のとき、この式は通常の二項定理と一致します)。
$$
\begin{aligned}
(1 - 4x)^{1/2} = \sum_{k=0}^{\infty} \binom{1/2}{k} (-4x)^k \tag{⑦}
\end{aligned}
$$
⑦を⑥に代入して $${x^n}$$ の係数を取り出すと、 $${\binom{1/2}{n+1}(-4)^{n+1}}$$ を $${2}$$ で割り $${-1}$$ で掛けた形になり、整理すると
$$
\begin{aligned}
C_n = \frac{1}{n+1} {}_{2n}\mathrm{C}_n \tag{⑧}
\end{aligned}
$$
が得られ、①の公式が母関数から導出されました。
最初のいくつかの値を確認すると、 $${C_0 = 1, \, C_1 = 1, \, C_2 = 2, \, C_3 = 5, \, C_4 = 14}$$ となり、実際に経路を数え上げた結果と一致します。
まとめ
カタラン数は「畳み込み型の漸化式」という形をしていて、これが母関数の世界では「 $${G(x)}$$ の2次方程式」に翻訳されます。2次方程式を解いて展開するだけで、一般項の閉じた公式が手に入る。格子経路だけでなく、括弧の対応、二分木の数え上げなど、カタラン数が顔を出す問題はすべてこの母関数で統一的に理解できます。
次回、第15回では「整数の分割」を母関数で扱います。オイラーの五角数定理の世界への入り口です。
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