オンライン大学受験予備校ゴウカライズのロゴ
オンライン大学受験予備校ゴウカライズ
LINEで相談!
ゴウカライズの大学受験ブログページを案内するヘッダー画像

Blog

大学受験ブログ

【期待値マスター講座50】一橋大2012(数学)で「3つの対」に集約する鮮やかな解法を学ぶに関する大学受験ブログ記事のサムネイル画像

【期待値マスター講座50】一橋大2012(数学)で「3つの対」に集約する鮮やかな解法を学ぶ

    ゴウカライズ編集部
    9 June, 2026

    この記事では、一橋大学2012年度(前期)第5問を扱います。

    さいころの置き直しの問題で、 「向かい合う面の和が7」という性質を、3つの対 ${{1, 6}, {2, 5}, {3, 4}}$ に集約する という見方で、6状態の漸化式を3状態に圧縮します。

    公式LINEでテキスト配布中
    公式LINE追加期待値テキスト と送信
    で120ページ超えのテキストを自動送信!

    無料勉強相談も受付中
    学習相談も受け付けています。
    ゴウカライズは情報の少ない獣医学部や医学部受験にも精通しています。
    一般入試はもちろん、総合型選抜や推薦など、なんでもお問い合わせください!

    シリーズ全体の流れを先に見たい方は、まず 期待値マスター講座の導入記事 からどうぞ。全56回の構成と読み進め方をまとめています。

    https://note.com/goukalize/n/n9de4e3c6c4fb


    問題

    最初に $${1}$$ の目が上面にあるようにサイコロが置かれている。その後、 $${4}$$ つの側面から $${1}$$ つの面を無作為に選び、その面が上面になるように置き直す操作を $${n}$$ 回繰り返す。なお、サイコロの向かい合う面の目の和は $${7}$$ である。
    (1) 最後に $${1}$$ の目が上面にある確率を求めよ。
    (2) 最後に上面にある目の数の期待値を求めよ。

    「上面の目を置き直す」操作を $${n}$$ 回繰り返したとき、最終的な上面の状態を考える問題。素直に6状態の漸化式を立てると煩雑なので、 「対」にまとめる 対称性が鍵です。

    3対への集約

    向かい合う面の目の和は7。上面が $${f}$$ のときは下面が $${7 - f}$$ で、 $${4}$$ つの側面は残りの4つの目。これらを3対

    $$
    A = {1, 6},\quad B = {2, 5},\quad C = {3, 4}
    $$

    にまとめます。

    どの目が上面でも、操作で次に上面に来うるのは「自分が属する対以外の2対の合計4数」で、それぞれ等確率 $${\frac{1}{4}}$$。すなわち、各状態から、他の2状態にそれぞれ確率 $${\frac{2}{4} = \frac{1}{2}}$$ ずつ移り、 自分自身の対には戻らない という遷移になります。

    これで、6面ある状態が 3対の状態 に圧縮されました。 $${A, B, C}$$ の3状態のマルコフ連鎖です。

    状態確率の漸化式

    $${n}$$ 回後に状態 $${A, B, C}$$ にある確率をそれぞれ $${\alpha_n, \beta_n, \gamma_n}$$ とおきます。初期は上面 $${1\in A}$$ なので $${\alpha_0 = 1}$$、 $${\beta_0 = \gamma_0 = 0}$$。

    確率の総和 $${\alpha_n + \beta_n + \gamma_n = 1}$$ が常に成り立つので

    $$
    \alpha_{n+1} = \frac{1}{2}\beta_n + \frac{1}{2}\gamma_n = \frac{1}{2}(1 - \alpha_n).
    $$

    「次に状態 $${A}$$ に行くには、いま $${B}$$ か $${C}$$ にいる必要があり、そこから $${\frac{1}{2}}$$ で $${A}$$ に遷移」という関係です。

    整理すると

    $$
    \alpha_{n+1} - \frac{1}{3} = -\frac{1}{2}\Bigl(\alpha_n - \frac{1}{3}\Bigr).
    $$

    これは公比 $${-\frac{1}{2}}$$ の等比数列で

    $$
    \alpha_n - \frac{1}{3} = \Bigl(-\frac{1}{2}\Bigr)^n\Bigl(\alpha_0 - \frac{1}{3}\Bigr) = \frac{2}{3}\Bigl(-\frac{1}{2}\Bigr)^n.
    $$

    したがって

    $$
    \alpha_n = \frac{1}{3} + \frac{2}{3}\Bigl(-\frac{1}{2}\Bigr)^n.
    $$

    同様に $${\beta_n = \gamma_n}$$(対称性、 $${\beta_0 = \gamma_0 = 0}$$ から始まる)で

    $$
    \beta_n = \gamma_n = \frac{1}{3} - \frac{1}{3}\Bigl(-\frac{1}{2}\Bigr)^n\quad (n\ge 0).
    $$

    (1) 最後に1が上面にある確率

    $${n\ge 1}$$ では、状態 $${A}$$ に到達するときは必ず別の対( $${B}$$ または $${C}$$)から $${\frac{1}{4}}$$ ずつで遷移するため、 $${A}$$ 内では $${1}$$ と $${6}$$ が 等確率 です。 $${P(\text{上面} = 1\mid A) = \frac{1}{2}}$$。

    したがって

    $$
    P(\text{上面} = 1) = \frac{1}{2}\alpha_n = \frac{1}{6} + \frac{1}{3}\Bigl(-\frac{1}{2}\Bigr)^n\quad (n\ge 1).
    $$

    $${n = 1}$$ では、もとの $${1}$$ の対 $${A = {1, 6}}$$ には戻れないので $${P = 0}$$。

    $${n\to\infty}$$ では $${P\to \frac{1}{6}}$$(一様分布に近づく)、というのも自然な極限です。

    なお、 $${n = 0}$$ では最初から $${1}$$ が上面なので $${P(\text{上面} = 1) = 1}$$ ですが、これは上の式に $${n = 0}$$ を入れた $${\frac{1}{6} + \frac{1}{3} = \frac{1}{2}}$$ とは一致しません。これは、 $${n\ge 1}$$ では対内で2目が等確率 という条件を使っているからで、 $${n = 0}$$ は別扱いです。 公式は $${n\ge 1}$$ で適用 することを忘れずに。

    (2) 上面の目の期待値

    $${n\ge 1}$$ で各対の中の2目は等確率なので、上面の目の期待値は

    $$
    \begin{aligned}
    E_n
    &= \frac{1+6}{2}\alpha_n + \frac{2+5}{2}\beta_n + \frac{3+4}{2}\gamma_n \\
    &= \frac{7}{2}(\alpha_n + \beta_n + \gamma_n) \\
    &= \frac{7}{2}.
    \end{aligned}
    $$

    なんと、 $${n\ge 1}$$ で常に $${\frac{7}{2}}$$

    「各対の和が7」というのと、「対内で2目が等確率」が組み合わさって、 $${n}$$ がいくらであっても期待値は $${\frac{7}{2}}$$ になる、というのが見どころです。

    $${\frac{7}{2}}$$ になる理由

    期待値の計算を読み直すと、 対の選び方 $${\alpha_n, \beta_n, \gamma_n}$$ には依存せず、 各対の内側の平均 $${\frac{7}{2}}$$ だけが残ります。

    なぜか。対 $${A = {1, 6}}$$ の中で2目が等確率なら平均は $${\frac{7}{2}}$$、対 $${B = {2, 5}}$$ でも平均は $${\frac{7}{2}}$$、対 $${C = {3, 4}}$$ も同じ。 どの対にいても、対内の期待値は $${\frac{7}{2}}$$ で、加重平均しても $${\frac{7}{2}}$$ のまま、というカラクリです。

    これは、 「向かい合う面の和が7」 というさいころの性質を巧みに使った美しい結果です。

    3対への集約という見方

    この問題で本質だったのは、 「6状態を3状態に圧縮する」 対称性の見立てです。

    操作の制約「上面と下面以外から選ぶ」は、 「自分の対以外の対へ移る」 と同値。遷移の構造が対の言葉で対称になるため、6状態の漸化式を3状態に圧縮できました。

    仮に対への集約を見落として6状態のまま漸化式を立てると、状態数が倍になり計算が4倍程度に膨らみます。 問題の対称性を活用すると計算量が劇的に減る 、というのは数学全般の重要な戦略です。

    練習問題

    同じ設定で、 $${n = 3}$$ の場合の $${\alpha_3, \beta_3, \gamma_3}$$ を求めよ。

    公式から

    $$
    \alpha_3 = \frac{1}{3} + \frac{2}{3}\Bigl(-\frac{1}{2}\Bigr)^3 = \frac{1}{3} - \frac{1}{12} = \frac{4 - 1}{12} = \frac{3}{12} = \frac{1}{4}.
    $$

    $$
    \beta_3 = \gamma_3 = \frac{1}{3} - \frac{1}{3}\Bigl(-\frac{1}{2}\Bigr)^3 = \frac{1}{3} + \frac{1}{24} = \frac{8 + 1}{24} = \frac{9}{24} = \frac{3}{8}.
    $$

    確認:$${\frac{1}{4} + \frac{3}{8} + \frac{3}{8} = \frac{2 + 3 + 3}{8} = 1}$$ で総和1。3回目には対 $${A}$$ にいる確率はやや低く(最初の対なので戻りにくい)、 $${B, C}$$ に等しく振り分けられる、というのが分かります。

    次に読む記事

    次回は、慶應義塾大学2025年度医学部第2問を扱います。袋から玉を取り出す試行で、赤玉は戻すが白玉は戻さない、という 後戻りしない遷移 の問題。状態確率の漸化式を順に解き、 $${Y_n = 2^{X_n}}$$ という巧妙な変換で期待値・分散を出すところがハイライトです。

    【無料相談受付中】医学部・獣医学部受験対策はゴウカライズにおまかせを!

    「一般入試の勉強だけでも大変なのに、面接や小論文までどう準備すればいいかわからない…」
    「医学部や獣医学部のような専門性の高い入試に、本当に今の対策で足りるのか不安…」

    そんな悩みをお持ちの受験生・保護者の皆様、医学部・獣医学部専門塾 ゴウカライズにご相談ください!

    医学部受験・獣医学部受験は、学科試験だけでなく、面接、小論文、志望理由書など学部特有の対策が必要になる入試です。
    ゴウカライズでは、それぞれの志望校や受験方式に合わせて、合格に必要なすべてをトータルサポートします。

    【一般入試】完全オーダーメイドの学習計画
    医学部・獣医学部の一般入試は、わずかな失点が合否を分けることもあります。
    あなたの現状と志望校の出題傾向を分析し、合格ラインに到達するための最短ルートを設計します。
    日々の進捗管理で、学習の遅れも見逃さず、適宜ルートを最適に修正します。

    【推薦・総合型選抜】面接・小論文もプロが対応
    推薦入試や総合型選抜で必須となる「面接・小論文・志望理由書」の対策もお任せください。
    医学部・獣医学部特有のテーマに対応できるプロ講師が、合格レベルの答案作成と受け答えを指導します。

    プロ講師・優秀学生講師の個別指導
    学習管理だけでなく、経験豊富なプロ講師や、高倍率から選抜された優秀な学生講師による完全個別指導も提供。
    苦手科目の克服や過去問解説など、あなたのニーズに合わせた1対1の指導が可能です。

    【医学部・獣医学部対策】特殊な対策に完全対応
    医学部入試、獣医学部入試は、どちらも特殊な対策が必要です。
    面接などがある入試形式の場合、学科試験以外の準備も侮れません。
    そんな入試に精通したプロがゴウカライズには多数在籍しています。
    ゴウカライズ代表の大北も医学部・獣医学部受験の指導経験は15年を超える大ベテランです。

    まずは無料相談で、あなたの合格までのロードマップを一緒に描きませんか?
    無理な勧誘は一切ありません。
    予備校選びに迷っているなどの相談でも、客観的にアドバイスを行います。

    公式LINEでいつでも無料相談を受け付けています!

    https://goukalize.com/

    https://goukalize-official-line-harness.tiny-atlas.workers.dev/r/Expected-Value

    #オンライン予備校 #大学受験 #数学 #一橋大学 #漸化式

    医学部受験生はこちらへ!

    獣医学部受験生はこちらへ!

    ゴウカライズ編集部

    オンライン予備校ゴウカライズの編集部が、大学受験に役立つ情報を整理してお届けしています。

    前後の記事