オンライン大学受験予備校ゴウカライズのロゴ
オンライン大学受験予備校ゴウカライズ
LINEで相談!
ゴウカライズの大学受験ブログページを案内するヘッダー画像

Blog

大学受験ブログ

【期待値マスター講座28】tail-sumでさいころ2回の最大値を求めるに関する大学受験ブログ記事のサムネイル画像

【期待値マスター講座28】tail-sumでさいころ2回の最大値を求める

    ゴウカライズ編集部
    3 June, 2026

    この記事では、tail-sum formula の最初の実戦として、さいころを2回振ったときの最大値 ${M}$ の期待値を、 ${E(M) = \sum_k P(M\ge k)}$ から計算します。

    ${P(M = k)}$ を直接出す道と比べて、ぐっと見通しが良くなることを確認します。

    公式LINEでテキスト配布中
    公式LINE追加期待値テキスト と送信
    で120ページ超えのテキストを自動送信!

    無料勉強相談も受付中
    学習相談も受け付けています。
    ゴウカライズは情報の少ない獣医学部や医学部受験にも精通しています。
    一般入試はもちろん、総合型選抜や推薦など、なんでもお問い合わせください!

    シリーズ全体の流れを先に見たい方は、まず 期待値マスター講座の導入記事 からどうぞ。全56回の構成と読み進め方をまとめています。

    https://note.com/goukalize/n/n9de4e3c6c4fb


    問題

    さいころを2回振り、出た目の最大値を $${M}$$ とする。 $${E(M)}$$ を求めよ。

    $${M}$$ は $${1}$$ から $${6}$$ の値をとります。 $${P(M = k)}$$ を直接出す道は、第I部の練習問題で計算しました。 $${P(M\le k) = \bigl(\frac{k}{6}\bigr)^2}$$ から差分を取って $${P(M = k) = \frac{k^2 - (k-1)^2}{36} = \frac{2k - 1}{36}}$$ で

    $$
    E(M) = \sum_{k=1}^{6} k\cdot \frac{2k - 1}{36} = \frac{161}{36}.
    $$

    これでも答えは出ますが、tail-sum を使うとさらに見通しがよくなります。

    tail-sumで解く

    $${M\ge k}$$ となるのは「少なくとも一方の目が $${k}$$ 以上」のとき。余事象は「両方とも $${k-1}$$ 以下」で確率 $${\bigl(\frac{k-1}{6}\bigr)^2}$$ なので

    $$
    P(M\ge k) = 1 - \Bigl(\frac{k-1}{6}\Bigr)^2\quad (k = 1, 2, \ldots, 6).
    $$

    tail-sum から

    $$
    \begin{aligned}
    E(M)
    &= \sum_{k=1}^{6} P(M\ge k) \\
    &= \sum_{k=1}^{6}\left(1 - \Bigl(\frac{k-1}{6}\Bigr)^2\right) \\
    &= 6 - \frac{1}{36}\sum_{k=1}^{6}(k - 1)^2 \\
    &= 6 - \frac{0 + 1 + 4 + 9 + 16 + 25}{36} \\
    &= 6 - \frac{55}{36} = \frac{216 - 55}{36} = \frac{161}{36}.
    \end{aligned}
    $$

    答えは $${E(M) = \frac{161}{36}\approx 4.47}$$。 $${P(M = k)}$$ ルートと一致しました。

    どこが楽になったか

    tail-sum ルートと差分ルートを比べると、

    • 差分ルート:$${P(M\le k)}$$ を出す → $${P(M = k)}$$ を差分で出す → $${k\cdot P(M = k)}$$ を足す
    • tail-sum:$${P(M\ge k) = 1 - P(M\le k - 1)}$$ をそのまま足す

    tail-sum のほうが 「差分を取る」ステップが省ける ぶん、計算が1段すっきりします。

    最大値の分布を扱うときの王道として、

    • 最大値の問題には、まず $${P(M\le k)}$$ の方が簡単に出るかを確認
    • 出るなら tail-sum で和を取る

    を反射的に思い出せると、第VI部の最大値・最小値編がスムーズに進みます。

    一般化:さいころを $${n}$$ 回振った最大値

    同じ手法を $${n}$$ 回に拡張すると

    $$
    P(M\le k) = \Bigl(\frac{k}{6}\Bigr)^n,\quad P(M\ge k) = 1 - \Bigl(\frac{k-1}{6}\Bigr)^n.
    $$

    tail-sum から

    $$
    E(M) = \sum_{k=1}^{6}\left(1 - \Bigl(\frac{k-1}{6}\Bigr)^n\right) = 6 - \frac{1}{6^n}\sum_{k=0}^{5} k^n.
    $$

    $${n = 1}$$ なら $${E(M) = 6 - \frac{0 + 1 + 2 + 3 + 4 + 5}{6} = 6 - \frac{15}{6} = \frac{21}{6} = \frac{7}{2}}$$(さいころ1回の期待値そのもの)、 $${n = 2}$$ なら上で計算した $${\frac{161}{36}}$$、 $${n = 3}$$ なら $${6 - \frac{0 + 1 + 8 + 27 + 64 + 125}{216} = 6 - \frac{225}{216} = \frac{1071}{216}\approx 4.96}$$、と、 $${n}$$ が大きくなるほど6に近づきます。直観どおりです。

    練習問題

    $${{1, 2, \ldots, n}}$$ から無作為に $${k}$$ 個を同時に取り出す( $${1\le k\le n}$$ )。取り出された数の最大値を $${M}$$ とする。tail-sum を使って $${E(M)}$$ を求めよ。

    $${M\ge j}$$ となるのは「取り出した $${k}$$ 個のうち少なくとも1つが $${j}$$ 以上」のとき。余事象は「 $${k}$$ 個すべて $${j-1}$$ 以下」で

    $$
    P(M\ge j) = 1 - \frac{\binom{j-1}{k}}{\binom{n}{k}}.
    $$

    ここで $${j - 1 < k}$$ のときは $${\binom{j-1}{k} = 0}$$ と約束。

    tail-sum から

    $$
    E(M) = \sum_{j=1}^{n} P(M\ge j) = n - \frac{1}{\binom{n}{k}}\sum_{j=k}^{n-1}\binom{j}{k}.
    $$

    ホッケースティック恒等式 $${\sum_{j=k}^{n-1}\binom{j}{k} = \binom{n}{k+1}}$$ を使うと

    $$
    E(M) = n - \frac{\binom{n}{k+1}}{\binom{n}{k}} = n - \frac{n - k}{k+1} = \frac{k(n+1)}{k+1}.
    $$

    答えは $${E(M) = \frac{k(n+1)}{k+1}}$$。

    シリーズ第1記事の京大2026年で $${k = 3}$$ の場合を扱いました( $${E(M) = \frac{3(n+1)}{4}}$$ )。ここで一般の $${k}$$ で出した式は、 $${k = 1}$$ なら $${\frac{n+1}{2}}$$(中央値)、 $${k = n}$$ なら $${n}$$(最大値そのもの)と、極限の値も自然です。

    補足:tail-sumと「最大値の分布」の相性

    なぜ最大値・最小値の問題で tail-sum がここまで効くか、まとめておきます。

    • 最大値 $${M = \max(X_1, \ldots, X_n)}$$ について $${P(M\le k) = \prod_i P(X_i\le k)}$$ が独立性から出る(後の記事で扱う)
    • $${P(M\ge k) = 1 - P(M\le k - 1)}$$ で余事象に逃げる
    • tail-sum で和を取れば期待値が出る

    「分布が直接出にくいけど、 $${P(\text{以下})}$$ や $${P(\text{以上})}$$ なら簡単に出る」という構造が、最大値の問題に共通して現れます。 「分布が簡単に出る」道と「tail-sumに乗せる」道のどちらが早いかを毎回判断する クセをつけてください。

    次に読む記事

    次回は、また少し趣向を変えて「階段状の得点」や「条件付き加点」のような、得点の期待値を扱う題材を見ます。指示関数を使うと、ボーナス点や条件付きスコアも線形性に乗せて整理できます。

    【無料相談受付中】学習マネジメントはゴウカライズにおまかせを!

    「成績が伸び悩んでいるけどどうやって打破すればいいかわからない…」
    「塾・予備校に行ってるけど、全体の成績が思ったように上がらない…」

    そんな悩みをお持ちの受験生・保護者の皆様、ゴウカライズにご相談ください!

    入試を突破するため、私たちはあなたの志望校や受験方式に必要なすべてをトータルサポートします。

    【一般入試】完全オーダーメイドの学習計画
    入試は、わずかな失点が合否を分けることもあります。
    あなたの現状と志望校の出題傾向を分析し、合格ラインに到達するための最短ルートを設計。
    日々の進捗管理で、学習の遅れも見逃しません。

    【推薦・総合型選抜】面接・小論文もプロが対応
    推薦入試や総合型選抜で必須となる「面接・小論文・志望理由書」の対策もお任せください。
    医学部や獣医系特有のテーマ(動物倫理や獣医療時事など)に対応できるプロ講師が、合格レベルの答案作成と受け答えを指導します。

    プロ講師・優秀学生講師の個別指導
    学習管理だけでなく、経験豊富なプロ講師や、高倍率から選抜された優秀な学生講師による完全個別指導も提供。
    苦手科目の克服や過去問解説など、あなたのニーズに合わせた1対1の指導が可能です。

    【医学部・獣医学部対策】特殊な対策に完全対応
    医学部入試、獣医学部入試は特殊な対策が必要です。
    面接などがある入試形式の場合、面接対策も侮れません。
    そんな入試に精通したプロがゴウカライズには多数在籍しています。
    ゴウカライズ代表の大北も医学部・獣医学部受験の指導経験は15年を超える大ベテランです。

    まずは無料相談で、あなたの合格までのロードマップを一緒に描きませんか?
    無理な勧誘は一切ありません。
    予備校選びに迷っているなどの相談でも、客観的にアドバイスを行います。

    公式LINEでいつでも無料相談を受け付けています!

    https://goukalize.com/

    https://goukalize-official-line-harness.tiny-atlas.workers.dev/r/Expected-Value

    #オンライン予備校 #大学受験 #数学 #期待値 #最大値

    医学部受験生はこちらへ!

    獣医学部受験生はこちらへ!

    ゴウカライズ編集部

    オンライン予備校ゴウカライズの編集部が、大学受験に役立つ情報を整理してお届けしています。

    前後の記事