オンライン大学受験予備校ゴウカライズのロゴ
オンライン大学受験予備校ゴウカライズ
LINEで相談!
ゴウカライズの大学受験ブログページを案内するヘッダー画像

Blog

大学受験ブログ

【期待値マスター講座47】E(X)=1からモンモール数の恒等式を逆算する (大学入試数学)に関する大学受験ブログ記事のサムネイル画像

【期待値マスター講座47】E(X)=1からモンモール数の恒等式を逆算する (大学入試数学)

    ゴウカライズ編集部
    8 June, 2026

    この記事では、第IX部の締めくくりとして「期待値の値から、組合せ恒等式を導く」逆向きの応用を扱います。

    モンモール問題のヒット数 ${E(X) = 1}$ という単純な事実から、 ${\sum_{k=0}^{n} k\binom{n}{k} D_{n-k} = n!}$ という恒等式を引き出します。

    公式LINEでテキスト配布中
    公式LINE追加期待値テキスト と送信
    で120ページ超えのテキストを自動送信!

    無料勉強相談も受付中
    学習相談も受け付けています。
    ゴウカライズは情報の少ない獣医学部や医学部受験にも精通しています。
    一般入試はもちろん、総合型選抜や推薦など、なんでもお問い合わせください!

    シリーズ全体の流れを先に見たい方は、まず 期待値マスター講座の導入記事 からどうぞ。全56回の構成と読み進め方をまとめています。

    https://note.com/goukalize/n/n9de4e3c6c4fb


    期待値の値から場合の数を読む

    期待値はいつも「確率変数 → 期待値」という方向で計算してきました。ところが、 期待値の値が分かっていれば、その式の中身を「場合の数」の関係に読み替えられる ことがあります。

    具体的には、 $${E(X) = \sum_k k\cdot P(X = k)}$$ という定義から

    $$
    \sum_k k\cdot P(X = k) = E(X)
    $$

    を、 $${P(X = k) = \frac{h_k}{N}}$$( $${h_k}$$ は $${X = k}$$ となる場合の数、 $${N}$$ は全事象の数)と書き直すと

    $$
    \sum_k k\cdot h_k = N\cdot E(X).
    $$

    「場合の数 × 値の和」が「全数 × 期待値」、というのが基本式です。期待値が綺麗な値(たとえば $${1}$$ )になる問題では、 場合の数についての非自明な等式 が得られます。

    例題:モンモール問題で確認

    1から $${n}$$ までの番号がついたカード $${n}$$ 枚を、無作為に1列に並べる。「カード $${k}$$ が左から $${k}$$ 番目」となるカードの個数を $${X}$$ とする。
    (1) $${E(X) = 1}$$ を用いて、並べ方の総数 $${n!}$$ のうち「 $${X = k}$$」となるものの個数を $${h_k}$$ とすると、 $${\sum_{k=0}^{n} k\cdot h_k = n!}$$ が成り立つことを確認せよ。
    (2) $${h_k = \binom{n}{k} D_{n-k}}$$ を用い、 $${\sum_{k=0}^{n} k \binom{n}{k} D_{n-k} = n!}$$ を導出せよ。

    第IV部の記事23で扱った「ヒット問題」(モンモール問題のヒット数)で、 $${E(X) = 1}$$ を線形性で出しました。これを場合の数の言葉に翻訳します。

    (1) 場合の数による表現

    期待値の定義から

    $$
    E(X) = \sum_{k=0}^{n} k\cdot P(X = k) = \sum_{k=0}^{n} k\cdot \frac{h_k}{n!}.
    $$

    両辺に $${n!}$$ を掛けると

    $$
    n!\cdot E(X) = \sum_{k=0}^{n} k\cdot h_k.
    $$

    $${E(X) = 1}$$ を代入して

    $$
    \sum_{k=0}^{n} k\cdot h_k = n!.
    $$

    これが (1) の確認です。

    (2) $${h_k}$$ の閉じた形

    ちょうど $${k}$$ 個のカードが「正しい位置」にあるパターンの数 $${h_k}$$ を求めます。

    • 正しい位置に置く $${k}$$ 個のカードの選び方:$${\binom{n}{k}}$$ 通り
    • 残り $${n - k}$$ 個のカードは、全員「自分の位置にない」配置:これは $${n - k}$$ 個の完全順列で $${D_{n-k}}$$ 通り

    したがって

    $$
    h_k = \binom{n}{k}\cdot D_{n-k}.
    $$

    (1) と合わせて

    $$
    \sum_{k=0}^{n} k\binom{n}{k} D_{n-k} = n!.
    $$

    これが目標の組合せ恒等式です。

    便宜上 $${D_0 = 1}$$ と約束しておきます(第IX部の記事43で確認した通り)。 $${k = n}$$ の項は $${n\cdot \binom{n}{n}\cdot D_0 = n}$$ で、正しく式に含まれます。

    直接の検証

    $${n = 4}$$ で確認します。

    $${\sum_{k=0}^{4} k\binom{4}{k} D_{4-k}}$$

    • $${k = 0}$$:$${0\cdot 1\cdot D_4 = 0}$$
    • $${k = 1}$$:$${1\cdot 4\cdot D_3 = 4\cdot 2 = 8}$$
    • $${k = 2}$$:$${2\cdot 6\cdot D_2 = 12\cdot 1 = 12}$$
    • $${k = 3}$$:$${3\cdot 4\cdot D_1 = 12\cdot 0 = 0}$$
    • $${k = 4}$$:$${4\cdot 1\cdot D_0 = 4\cdot 1 = 4}$$

    合計 $${0 + 8 + 12 + 0 + 4 = 24 = 4!}$$。等式が成立しています。

    何が起きたか

    ポイントは、 「線形性から得た $${E(X) = 1}$$」を、場合の数の世界に持ち帰った ことです。

    通常、組合せ恒等式 $${\sum_k k\binom{n}{k} D_{n-k} = n!}$$ を直接示そうとすると、二項係数や階乗の代数操作が必要になり、見通しが立ちにくいです。一方、 確率の世界で $${E(X) = 1}$$ を出すのは、指示関数 + 線形性で2行 。そこから等式を読み取れば、組合せ的な意味も自然に分かります。

    これは 確率的証明(probabilistic proof) と呼ばれる手法で、組合せ論や数論で重要な役割を果たします。「期待値や確率を使って、組合せ的な等式を示す」というアプローチは、高校範囲を超えて応用されます。

    別の例:和の期待値から $${\sum k = n(n+1)/2}$$

    もう少しシンプルな例として、 $${{1, 2, \ldots, n}}$$ から無作為に1つを取り出す試行を考えると、

    $$
    E(X) = \frac{1 + 2 + \cdots + n}{n} = \frac{1}{n}\sum_{k=1}^{n} k.
    $$

    直接計算で $${E(X) = \frac{n+1}{2}}$$ なら、

    $$
    \sum_{k=1}^{n} k = n\cdot \frac{n+1}{2} = \frac{n(n+1)}{2}.
    $$

    おなじみの等式が、 期待値の言葉から自然に出てきます

    これはほぼ自明な書き換えですが、 「期待値計算」と「和の公式」の対応 を意識すると、互いに行き来できるようになります。

    練習問題

    ヒット数 $${X}$$ の分散 $${V(X) = E(X^2) - E(X)^2 = 1}$$(記事31)から、組合せ恒等式 $${\sum_{k=0}^{n} k^2 \binom{n}{k} D_{n-k} = 2\cdot n!}$$ を導け。 $${n\ge 2}$$ とする。

    $${E(X^2) = V(X) + E(X)^2 = 1 + 1 = 2}$$。

    期待値の定義から

    $$
    E(X^2) = \sum_{k=0}^{n} k^2\cdot \frac{h_k}{n!} = \sum_{k=0}^{n} k^2\cdot \frac{\binom{n}{k} D_{n-k}}{n!}.
    $$

    $${E(X^2) = 2}$$ なので

    $$
    \sum_{k=0}^{n} k^2 \binom{n}{k} D_{n-k} = 2\cdot n!.
    $$

    $${n = 4}$$ で検算すると

    • $${k = 0}$$:$${0}$$
    • $${k = 1}$$:$${1\cdot 4\cdot 2 = 8}$$
    • $${k = 2}$$:$${4\cdot 6\cdot 1 = 24}$$
    • $${k = 3}$$:$${9\cdot 4\cdot 0 = 0}$$
    • $${k = 4}$$:$${16\cdot 1\cdot 1 = 16}$$

    合計 $${48 = 2\cdot 4!}$$。OK。

    期待値・分散の値から、 モンモール数を含む恒等式が次々と出てくる 、というのが興味深い現象です。 $${E(X^k)}$$ を高次まで求めれば、もっと複雑な恒等式が得られます。

    第IX部のまとめ

    第IX部では、漸化式アプローチを6本にわたって扱いました。

    • 漸化式アプローチの全体像と基本形 $${e_s = 1 + \sum p_{ss'} e_{s'}}$$
    • モンモール数 $${D_n = (n-1)(D_{n-1} + D_{n-2})}$$、 $${D_0 = 1}$$ の約束
    • コイン投げ:初めて表が出るまで $${E(X) = 2}$$、幾何分布の典型
    • 1次元ランダムウォーク $${e_i = i(n - i)}$$、線形差分方程式の解
    • 2人じゃんけんで決着するまで $${E(N) = \frac{3}{2}}$$、 $${\frac{1}{p}}$$ の応用
    • 期待値から場合の数を逆算:$${E(X) = 1}$$ から組合せ恒等式

    「状態遷移」「初めて〇〇が起きるまで」型の問題は、 漸化式が圧倒的に効く 、というのが第IX部のメッセージです。

    次の第X部では、これまで身につけた指示関数・線形性・tail-sum・漸化式の道具をフル動員して、実際の入試問題6題に取り組みます。

    次に読む記事

    次回から第X部「入試問題総合演習編」です。鹿児島大、東北大、一橋大、慶應医、京大、昭和医の6題を、1題ずつ扱います。最初の回は鹿児島大2024年度(前期)の問題から始めます。

    【無料相談受付中】学習マネジメントはゴウカライズにおまかせを!

    「成績が伸び悩んでいるけどどうやって打破すればいいかわからない…」
    「塾・予備校に行ってるけど、全体の成績が思ったように上がらない…」

    そんな悩みをお持ちの受験生・保護者の皆様、ゴウカライズにご相談ください!

    入試を突破するため、私たちはあなたの志望校や受験方式に必要なすべてをトータルサポートします。

    【一般入試】完全オーダーメイドの学習計画
    入試は、わずかな失点が合否を分けることもあります。
    あなたの現状と志望校の出題傾向を分析し、合格ラインに到達するための最短ルートを設計。
    日々の進捗管理で、学習の遅れも見逃しません。

    【推薦・総合型選抜】面接・小論文もプロが対応
    推薦入試や総合型選抜で必須となる「面接・小論文・志望理由書」の対策もお任せください。
    医学部や獣医系特有のテーマ(動物倫理や獣医療時事など)に対応できるプロ講師が、合格レベルの答案作成と受け答えを指導します。

    プロ講師・優秀学生講師の個別指導
    学習管理だけでなく、経験豊富なプロ講師や、高倍率から選抜された優秀な学生講師による完全個別指導も提供。
    苦手科目の克服や過去問解説など、あなたのニーズに合わせた1対1の指導が可能です。

    【医学部・獣医学部対策】特殊な対策に完全対応
    医学部入試、獣医学部入試は特殊な対策が必要です。
    面接などがある入試形式の場合、面接対策も侮れません。
    そんな入試に精通したプロがゴウカライズには多数在籍しています。
    ゴウカライズ代表の大北も医学部・獣医学部受験の指導経験は15年を超える大ベテランです。

    まずは無料相談で、あなたの合格までのロードマップを一緒に描きませんか?
    無理な勧誘は一切ありません。
    予備校選びに迷っているなどの相談でも、客観的にアドバイスを行います。

    公式LINEでいつでも無料相談を受け付けています!

    https://goukalize.com/

    https://goukalize-official-line-harness.tiny-atlas.workers.dev/r/Expected-Value

    #オンライン予備校 #大学受験 #数学 #モンモール #組合せ恒等式

    医学部受験生はこちらへ!

    獣医学部受験生はこちらへ!

    ゴウカライズ編集部

    オンライン予備校ゴウカライズの編集部が、大学受験に役立つ情報を整理してお届けしています。

    前後の記事