酪農学園大学で獣医師を目指す課程は、正式には「獣医学群 獣医学類」で、修業年限は6年です。学ぶ範囲は、家庭で暮らす伴侶動物、家畜などの産業動物、食の安全を含む公衆衛生、そして研究です。大学案内のカリキュラムでは、1〜4年次に基礎から臨床前までを段階的に学びます。そのうえで5年次に参加型の臨床実習、6年次に統合的な学習と研究発表へ進む流れが示されています。
この記事では、学年ごとの代表的な授業、5つの専修教育コース、国際認証の受け止め方、出願前に確認したい点を、大学の公開資料に基づいて整理します。授業の内容や配当年次は年度によって変わる可能性があります。最終的には、志望する年度の公式資料で確認してください。
まず押さえたい5つのポイント
- 獣医学類は6年制です。同じ獣医学群にある獣医保健看護学類は、別の4年制の学類です。
- 学びの範囲は、伴侶動物、産業動物、公衆衛生、研究にわたります。
- 3〜4年次にスキルスラボで臨床前の訓練を行い、5年次の臨床実習へつなげる構成です。
- 専門性を深める専修教育コースが5つ用意されています。
- 卒業は獣医師国家試験の受験資格につながります。ただし、合格や免許の取得が自動的に約束されるわけではありません。
獣医学類と獣医保健看護学類の違い
「酪農学園大学 獣医学部」と検索する人は多いですが、大学の組織名は「獣医学群」です。この獣医学群には、6年制の獣医学類と、4年制の獣医保健看護学類という2つの学類があります。
名称が似ているため、出願の際は募集単位を取り違えないよう注意が必要です。獣医師を目指すなら獣医学類が対象になります。2つの学類は修業年限が異なります。学びたい内容と目指す資格を、それぞれの学類の紹介ページで確かめておきましょう(酪農学園大学 獣医学類の紹介ページ)。
卒業と獣医師国家試験の関係
獣医学類を卒業すると、獣医師国家試験を受ける資格につながります。とはいえ、獣医師として働くには国家試験に合格し、免許を得る必要があります。6年間の学びは、その試験に挑むための土台と考えるのが正確です。
理念「健土健民」と獣医学の学び
酪農学園大学の理念は「健土健民」です。大地、食、生命のつながりを大切にする考え方と言えます(酪農学園大学 建学の精神)。
獣医学類のカリキュラムは、伴侶動物の診療だけで構成されていません。産業動物や食品衛生、感染症も扱います。こうした構成は、動物の健康を食や人の暮らしとつなげて捉えるこの理念と重ねると理解しやすい、というのが編集部の見方です。
6年間のカリキュラム:学年別の代表例
大学が公開しているカリキュラム資料は、2026年度版大学案内のp73〜74にあたります。この資料には、内容が2025年3月現在のものであるという注記があります(獣医学類 カリキュラム資料(PDF))。
下の表は、そこから代表的な授業を各学年2つずつ抜き出したもので、全科目ではありません。右の列は、編集部が各学年の位置づけをまとめたものです。
| 学年 | 代表的な授業の例 | 段階の目安(編集部による整理) |
|---|---|---|
| 1年次 | 獣医解剖学A、動物倫理・動物福祉学 | 体のつくりと、動物との向き合い方の基礎 |
| 2年次 | 獣医薬理学A、学外農場実習 | 病気と治療を理解するための基礎と、現場に触れる経験 |
| 3年次 | 伴侶動物臨床学総論、食品衛生学 | 臨床と公衆衛生の分野への入り口 |
| 4年次 | 人獣共通感染症学、産業動物臨床学実習A | 感染症や集団の視点と、臨床前の実習 |
| 5年次 | 参加型産業動物臨床実習、食肉衛生検査学実習(学外) | 現場に近い形での臨床と衛生の学び |
| 6年次 | 統合獣医学、研究発表 | 学びの統合と研究のまとめ |
1〜2年次:体のしくみと動物への接し方を学ぶ
1年次には、獣医解剖学で動物の体のつくりを学びます。あわせて、動物倫理・動物福祉学や動物ハンドリング実習で、動物を扱うときの考え方と基本を身につけます。2年次には薬理学や微生物学など、病気と治療を理解するための科目が並びます。学外農場実習も、この学年に示されています。
3〜4年次:臨床と公衆衛生へ広がる
3年次には、伴侶動物臨床学総論や産業動物臨床学Aといった臨床系の授業が始まります。食品衛生学も3年次の授業です。4年次には、人獣共通感染症学、獣医疫学、総合衛生学実習、産業動物臨床実習が置かれています。治療だけでなく、感染症の広がりや集団の健康、食の安全を扱う授業が組み込まれている点が特徴です。
5〜6年次:臨床実習と学びの統合
5年次には、伴侶動物と産業動物それぞれの参加型臨床実習があります。食肉衛生検査学実習もこの学年です。6年次には、統合獣医学、研究発表、専修アドバンスドコースが示されています。
表の科目名や配当年次は、資料作成時点のものです。入学する年度の履修要件と同じとは限らないため、志望年度の資料とあわせて確認してください。
スキルスラボでの臨床前訓練
同じカリキュラム資料によると、3〜4年次にスキルスラボで動物モデルを使った臨床前の訓練を行い、5年次の臨床実習へつなげる構成になっています。実際の動物に向き合う前に、段階を踏んで練習する仕組みと言えます。
どの手技をどの程度練習するのか、臨床実習に進むためにどんな条件があるのかは、公開資料だけでは読み取りきれません。気になる人は、入学年度に適用される履修ガイドで確かめるか、大学に直接問い合わせるのが確実です。
5つの専修教育コース
獣医学類には、次の5つの専修教育コースがあります。
- 生体機能学
- 感染・病理学
- 予防獣医学
- 生産動物医療学
- 伴侶動物医療学
コース名を見ると、獣医学が体のしくみ、病気、予防、産業動物、伴侶動物と幅広い領域にまたがっていることがわかります。将来の進路がまだ決まっていない人にとっても、獣医学の広がりを知る手がかりになるでしょう。
カリキュラム資料の6年次には、各分野のアドバンスドコースも記載されています。コースを選ぶ時期や方法、研究室との関係までは、公開資料から読み取りきれません。オープンキャンパスなどで質問してみることをおすすめします。
EAEVE国際認証の受け止め方
酪農学園大学は、獣医学教育について2024年にEAEVEの国際認証を取得したと公表しています。教育の仕組みが外部の基準で評価されたことを示す、ひとつの情報です。
出典:獣医学類の紹介ページ
ただし、この認証があるからといって、卒業生が世界中で自動的に獣医師資格を得られたり、就職できたりするわけではありません。海外で働くことを考えている人は、働きたい国の資格制度を別に調べる必要があります。
出願前に確認したいこと(編集部の提案)
大学は、学生向けに履修ガイドとシラバスを案内しています(酪農学園大学 履修ガイド・シラバスの案内)。授業の内容を詳しく知りたいときは、自分が入学する年度に適用されるものを見るようにしましょう。
オープンキャンパスや施設見学の機会があれば、たとえば次のような点を質問すると、入学後の学びを具体的にイメージしやすくなります。
- 少人数で行う実習には、どのような形で参加するのか
- 実習で扱う動物の種類は何か
- 実習はどのように評価されるのか
- 研究室にはいつ、どのように所属するのか
- 専修教育コースはいつ選ぶのか
回答は年度や担当者によって変わることがあります。聞いた内容はメモに残し、最終的には公式資料と照らし合わせて判断してください。
獣医学類を目指す受験対策の相談
獣医学類で学ぶためには、まず入試を突破する必要があります。ゴウカライズVETは、獣医学部受験に特化したオンライン予備校です。志望校や現在の学力に合わせた学習計画づくりと、個別の指導を行っています。
公式サイトはこちらから:
公式LINEでは無料相談を受け付けています。「酪農学園大学を目指すなら、今から何をすべきか」といった疑問もご相談ください。
確認日と一次資料
確認日:2026年10月4日
- 酪農学園大学 獣医学類の紹介ページ(6年制、5つの専修教育コース、EAEVE国際認証)
- 酪農学園大学 建学の精神(健土健民)
- 獣医学類 カリキュラム資料(PDF、2026年度版大学案内p73〜74、2025年3月現在の内容)
- 酪農学園大学 履修ガイド・シラバスの案内
本記事は一般的情報の提供を目的とし、個別の学習指導・受験対策・医療・法律・投資等の助言ではありません。
内容の正確性・最新性の確保に努めますが、その完全性は保証できません。
入試制度・配点・募集要項・参考書版次・各種手続などは変更され得るため、必ず公式発表や一次情報で最新をご自身で確認してください。
利用に伴う損害について当方は責任を負いません。
学習や進路に関する最終判断は必ずご自身の責任で行い、必要に応じて専門家にご相談ください(ゴウカライズでも相談を受け付けています)。

