重要知識と着眼点
タ:まとまりを見つけ、y で表す
かたまりのある式の扱い方
同じかたまりを別の文字で置き換えると、見通しが良くなる。
会話文の指示に従い、 とおいて式を整理します。 まず、 を含む項は とまとめられるので、 と表せます。 残りの を表すには、置換の式の両辺を平方します。
となるので、 です。 これらを代入すると、 の二次方程式に変形できます。
チツ・テ:x の二次方程式に直す
2次方程式の解の種類と個数(判別式)
判別式 の符号を考える。
- :異なる2つの実数解。
- :重解。
- :実数解なし。互いに共役な2つの実数でない複素数解。
会話文にある通り、「 が実数であっても が実数にならない場合がある」ため、 が実数となるための の条件を求める必要があります。 の両辺に を掛けて整理すると、 という の2次方程式が得られます。 を定数とみなしたとき、この方程式が実数解をもつ条件は判別式が 以上となることです。 この条件から のとり得る範囲を求めます。
ト:二つの解がどこにあればよいか考える
二次方程式の解の配置問題の解き方
グラフを書いて(y軸は書かない)、3つの条件
- 判別式:解の個数を判定。頂点のy座標で考えても良い
- 端点条件:端点のy座標を図から判断
- 軸条件:軸の範囲を図から判断
をチェック。これらすべてを満たした共通範囲が答え。
チツ・テより、 が実数となるための条件は または です。 したがって、4次方程式 ① の解がすべて実数となるには、置換した2次方程式 ② の2つの解(重解を含む)がともにこの範囲に入る必要があります。 考えられる解の配置は、次の3通りです。
- 2つの解がともに 以下
- 2つの解がともに 以上
- 1つの解が 以下、もう1つの解が 以上
とおき、解の位置に対応する放物線を描いて条件を整理します。 この問題では、横軸に の値、縦方向に の値をとります。 重要知識にある「端点のy座標」は、ここでは境界における値 や を指します。
(i)2つの解がともに 以下
2つの交点がともに 以下の領域にある放物線を描きます。
- 判別式:横軸と共有点をもつので
- 軸条件:放物線の軸が 以下にあるので
- 端点条件: で曲線が横軸以上にあるので
これら3つの条件をすべて満たす共通範囲を求めます。 重解の場合や、解がちょうど になる場合も含めるため、いずれも等号を含みます。
(ii)2つの解がともに 以上
2つの交点がともに 以上の領域にある放物線を描きます。 (i)と同様に条件を読み取ると、、、 となります。
(iii)1つの解が 以下、もう1つの解が 以上
と の両方が2つの交点の間(または交点上)にある放物線を描きます。 端点条件は、どちらでも曲線が横軸以下にあればよいので、 かつ です。 この二つの条件を満たすと、横軸との交点が 以下と 以上に一つずつできるため、判別式の条件も満たされます。 軸は二つの交点の中央にありますが、 と の間にあるとは限りません。 この場合は、軸の位置について条件を追加する必要はありません。
最後に、(i)〜(iii)で求めた各領域を合わせたものが求める存在範囲となります。
解答
タ
より、
したがって、①を で割った式は
すなわち となる。 よって、タは ⑥ である。
チツ・テ
の両辺に を掛けて整理すると、
この二次方程式は を解にもたない。 したがって、実数の が得られる条件は、判別式より
これを解くと なので、
よって、チツは 、テは である。
ト
②の二つの実数解(重解を含む)が、ともに「 以下または 以上」の範囲に入る条件を求める。 とおくと、判別式は
であり、放物線の軸は である。 また、
(i)二つの解がともに 以下の場合
次の3条件を満たせばよい。
| 調べること | 条件 |
|---|---|
| 実数解をもつ | |
| での高さが 以上 | |
| 軸は 以下 |
これらを整理して、
(ii)二つの解がともに 以上の場合
(i)と同様に、
より、
(iii)一方の解が 以下、もう一方が 以上の場合
と で放物線が横軸以下にあればよいので、
したがって、
(i)(ii)は、それぞれ左右上方の直線と放物線の間の領域を表す。 (iii)は、二つの直線の両方より下側の領域を表す。 これらを合わせると、境界を含めて選択肢②の斜線部分になる。 よって、トは ② である。
右上が(i)、左上が(ii)、下方が(iii)の領域。
補足なぜ軸の位置も調べるのか
判別式が 以上であることを確かめたうえで、端点と軸の位置を調べます。 異なる二つの実数解があるとき、 だけでは、二つの解がともに 以下なのか、ともに 以上なのかを区別できません。 下に凸の放物線は、二つの交点の間で横軸より下にあり、その外側では横軸より上にあるからです。 そこで軸の位置も調べ、 という条件を加えます。 重解の場合も、解は軸の位置にあるため、この条件で 以下にあることを確認できます。
(ii)も同じ考え方です。 「判別式・軸・端点」を丸暗記するだけでなく、簡単な放物線を描いて確かめましょう。
補足左右に一つずつある場合の考え方
上に開く放物線は、二つの交点の間で横軸以下になります。 と は、 と がどちらもその間にある、という条件です。 そのため、左の交点は 以下、右の交点は 以上になります。 この場合は二つの交点があることも分かるので、判別式を別に調べる必要はありません。
| 空欄 | 解答 |
|---|---|
| タ | ⑥ |
| チツ | |
| テ | |
| ト | ② |
講評
前半は会話文に沿った計算、後半は二次関数のグラフを使って考える問題です。 麻布大学獣医学科を目指す受験生としては、まずタ・チツ・テを確実に取りたいところです。 最後のトは、解の位置を調べる問題に慣れているかどうかで差がつきそうです。 全体の目標時間は、見直しを含めて20分程度とします。
タは、指示された を平方してみれば進められます。 相反方程式という名前を知らなくても解けるので、四次方程式という見た目に身構える必要はありません。 チツ・テも、 の二次方程式に直せば、いつもの判別式の問題です。 「今はどの文字についての方程式を考えているか」を確認しながら進めましょう。
トで手が止まったら、まず数直線に と を書き、二つの解を置いてみてください。 二つとも左、二つとも右、左右に一つずつ、という3通りが見えてきます。 条件式をいきなり並べようとするより、放物線を描いてから軸や交点の位置を確かめる方が、符号の間違いを防げます。 また、重解も実数解なので、等号を除かないように注意しましょう。
本番では、選択肢を使って絞り込む方法もあります。 元の方程式で を に変えると、 の符号を逆にした式になります。 の符号が逆でも解がすべて実数となるかどうかは変わらないので、領域は 軸対称です。 これで候補は②と⑤に絞れます。 さらに では となり、実数解はありません。 原点を斜線に含む⑤を除けば、②が残ります。 時間が足りないときはこのような絞り込みも活用し、復習では3通りの条件をグラフから説明できるようにしておきましょう。


問題データ