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【解答・解説】2026年 麻布大学 獣医学科 第Ⅰ期B日程 数学 第2問

公開

2

xx の4次方程式

4x4+2ax3+bx2+a2x+14=0(1◯)4x^4+2ax^3+bx^2+\frac a2x+\frac14=0\tag{\textcircled{1}}

の解がすべて実数となるような,定数 a, ba,\ b の範囲を知りたい。 以下の生徒と教師の会話文を読み,適切な数値を解答欄にマークせよ。 タ\boxed{\text{タ}},ト\boxed{\text{ト}} については,適切な選択肢を各々の解答群から1つずつ選択せよ。

生徒:2次方程式であれば実数解をもつ条件が判別式から求められましたが,4次方程式の場合は習っていません。

教師:まず,x=0x=0 は解ではないから①の両辺を x2x^2 で割ってみよう。すると①は

4x2+2ax+b+a2x+14x2=04x^2+2ax+b+\frac{a}{2x}+\frac1{4x^2}=0

となるね。このとき y=2x+12xy=2x+\dfrac1{2x} とおくと①は,

タ=0(2◯)\boxed{\text{タ}}=0\tag{\textcircled{2}}

と変形できるよ。

生徒:yy に関する2次方程式になりました。あとはこの2次方程式が実数解を持つ条件を求めて解決ですね。

教師:話はそう単純じゃないんだ。例えば,y=0y=0 のときを考えるとわかるように,yy が実数であっても xx が実数にならない場合があるよ。だから xx が実数となるための yy の条件を考える必要があるんだ。

生徒:そのような yy の条件は,y≤チツy\le\boxed{\text{チツ}} または y≥テy\ge\boxed{\text{テ}} です。

教師:そうだね。つまり,①の解が実数となるための aa の条件は,②がその範囲で解を持つことなんだ。

生徒:わかりました,これで a, ba,\ b の存在範囲が求められますね。

教師:では,それを abab-平面に図示すると,どのような図が描けるかな。

生徒:(a, b)(a,\ b) の存在範囲の概略は,境界を含む斜線部分 ト\boxed{\text{ト}} になります。

タの解答群

選択肢 式
⓪ y2−ay−b−2y^2-ay-b-2
① y2−ay+b−2y^2-ay+b-2
② y2+ay+b+2y^2+ay+b+2
③ y2+ay−b+2y^2+ay-b+2
④ y2−ay−b+2y^2-ay-b+2
⑤ y2−ay+b+2y^2-ay+b+2
⑥ y2+ay+b−2y^2+ay+b-2
⑦ y2+ay−b−2y^2+ay-b-2

トの解答群

選択肢⓪。右上の放物線と直線の間、および左下の横軸と直線で区切られた領域に斜線。
選択肢①。右上の放物線と直線の間、中央左の放物線と直線の間、および縦軸右側の下方に斜線。
選択肢②。左右上方の放物線と直線の間、および2直線より下の領域に斜線。
選択肢③。左上の放物線と直線の間、および右下の横軸と直線で区切られた領域に斜線。
選択肢④。左上の放物線と直線の間、中央右の放物線と直線の間、および縦軸左側の下方に斜線。
選択肢⑤。中央の放物線と2直線で囲まれた領域、および2直線より下の領域に斜線。

重要知識と着眼点

タ:まとまりを見つけ、y で表す

かたまりのある式の扱い方

同じかたまりを別の文字で置き換えると、見通しが良くなる。

会話文の指示に従い、y=2x+12xy=2x+\dfrac1{2x} とおいて式を整理します。 まず、aa を含む項は a(2x+12x)a\left(2x+\dfrac1{2x}\right) とまとめられるので、ayay と表せます。 残りの 4x2+14x24x^2+\dfrac1{4x^2} を表すには、置換の式の両辺を平方します。

y2=(2x+12x)2=4x2+2+14x2y^2=\left(2x+\frac1{2x}\right)^2=4x^2+2+\frac1{4x^2}

となるので、4x2+14x2=y2−24x^2+\dfrac1{4x^2}=y^2-2 です。 これらを代入すると、yy の二次方程式に変形できます。

チツ・テ:x の二次方程式に直す

2次方程式の解の種類と個数(判別式)

判別式D=b2−4acD=b^2-4ac の符号を考える。

  1. D>0D>0:異なる2つの実数解。
  2. D=0D=0:重解。
  3. D<0D<0:実数解なし。互いに共役な2つの実数でない複素数解。

会話文にある通り、「yy が実数であっても xx が実数にならない場合がある」ため、xx が実数となるための yy の条件を求める必要があります。 y=2x+12xy=2x+\dfrac1{2x} の両辺に 2x2x を掛けて整理すると、4x2−2yx+1=04x^2-2yx+1=0 という xx の2次方程式が得られます。 yy を定数とみなしたとき、この方程式が実数解をもつ条件は判別式が 00 以上となることです。 この条件から yy のとり得る範囲を求めます。

ト:二つの解がどこにあればよいか考える

二次方程式の解の配置問題の解き方

グラフを書いて(y軸は書かない)、3つの条件

  • 判別式:解の個数を判定。頂点のy座標で考えても良い
  • 端点条件:端点のy座標を図から判断
  • 軸条件:軸の範囲を図から判断

をチェック。これらすべてを満たした共通範囲が答え。

チツ・テより、xx が実数となるための条件は y≤−2y\le-2 または y≥2y\ge2 です。 したがって、4次方程式 ① の解がすべて実数となるには、置換した2次方程式 ② の2つの解(重解を含む)がともにこの範囲に入る必要があります。 考えられる解の配置は、次の3通りです。

  • 2つの解がともに −2-2 以下
  • 2つの解がともに 22 以上
  • 1つの解が −2-2 以下、もう1つの解が 22 以上

f(y)=y2+ay+b−2f(y)=y^2+ay+b-2 とおき、解の位置に対応する放物線を描いて条件を整理します。 この問題では、横軸に yy の値、縦方向に f(y)f(y) の値をとります。 重要知識にある「端点のy座標」は、ここでは境界における値 f(−2)f(-2) や f(2)f(2) を指します。

(i)2つの解がともに −2-2 以下

2つの交点がともに −2-2 以下の領域にある放物線を描きます。

  • 判別式:横軸と共有点をもつので D≥0D\ge0
  • 軸条件:放物線の軸が −2-2 以下にあるので −a2≤−2-\dfrac a2\le-2
  • 端点条件:y=−2y=-2 で曲線が横軸以上にあるので f(−2)≥0f(-2)\ge0

これら3つの条件をすべて満たす共通範囲を求めます。 重解の場合や、解がちょうど −2-2 になる場合も含めるため、いずれも等号を含みます。

二つの交点がマイナス2以下にある放物線。縦軸は省略。頂点は横軸以下、マイナス2での高さは0以上、軸はマイナス2以下。

(ii)2つの解がともに 22 以上

2つの交点がともに 22 以上の領域にある放物線を描きます。 (i)と同様に条件を読み取ると、D≥0D\ge0、−a2≥2-\dfrac a2\ge2、f(2)≥0f(2)\ge0 となります。

二つの交点が2以上にある放物線。縦軸は省略。頂点は横軸以下、2での高さは0以上、軸は2以上。

(iii)1つの解が −2-2 以下、もう1つの解が 22 以上

−2-2 と 22 の両方が2つの交点の間(または交点上)にある放物線を描きます。 端点条件は、どちらでも曲線が横軸以下にあればよいので、f(−2)≤0f(-2)\le0 かつ f(2)≤0f(2)\le0 です。 この二つの条件を満たすと、横軸との交点が −2-2 以下と 22 以上に一つずつできるため、判別式の条件も満たされます。 軸は二つの交点の中央にありますが、−2-2 と 22 の間にあるとは限りません。 この場合は、軸の位置について条件を追加する必要はありません。

左の交点がマイナス2以下、右の交点が2以上にある放物線。縦軸は省略。マイナス2と2での高さはともに0以下。軸の位置に追加の制限はない。

最後に、(i)〜(iii)で求めた各領域を合わせたものが求める存在範囲となります。

解答

タ

y=2x+12xy=2x+\dfrac1{2x} より、

y2=4x2+2+14x2.y^2=4x^2+2+\frac1{4x^2}.

したがって、①を x2x^2 で割った式は

y2−2+ay+b=0,y^2-2+ay+b=0,

すなわち y2+ay+b−2=0y^2+ay+b-2=0 となる。 よって、タは ⑥ である。

チツ・テ

y=2x+12xy=2x+\dfrac1{2x} の両辺に 2x2x を掛けて整理すると、

4x2−2yx+1=0.4x^2-2yx+1=0.

この二次方程式は x=0x=0 を解にもたない。 したがって、実数の xx が得られる条件は、判別式より

(−2y)2−4⋅4⋅1≥0.(-2y)^2-4\cdot4\cdot1\ge0.

これを解くと y2≥4y^2\ge4 なので、

y≤−2またはy≥2.y\le-2\quad\text{または}\quad y\ge2.

よって、チツは −2\boxed{-2}、テは 2\boxed{2} である。

ト

②の二つの実数解(重解を含む)が、ともに「−2-2 以下または 22 以上」の範囲に入る条件を求める。 f(y)=y2+ay+b−2f(y)=y^2+ay+b-2 とおくと、判別式は

D=a2−4b+8D=a^2-4b+8

であり、放物線の軸は y=−a2y=-\dfrac a2 である。 また、

f(−2)=b−2a+2,f(2)=b+2a+2.f(-2)=b-2a+2,\quad f(2)=b+2a+2.

(i)二つの解がともに −2-2 以下の場合

次の3条件を満たせばよい。

調べること 条件
実数解をもつ a2−4b+8≥0a^2-4b+8\ge0
−2-2 での高さが 00 以上 b−2a+2≥0b-2a+2\ge0
軸は −2-2 以下 −a2≤−2-\dfrac a2\le-2

これらを整理して、

a≥4,2a−2≤b≤a24+2.a\ge4,\quad 2a-2\le b\le\frac{a^2}{4}+2.

(ii)二つの解がともに 22 以上の場合

(i)と同様に、

D≥0,f(2)≥0,−a2≥2D\ge0,\quad f(2)\ge0,\quad -\frac a2\ge2

より、

a≤−4,−2a−2≤b≤a24+2.a\le-4,\quad -2a-2\le b\le\frac{a^2}{4}+2.

(iii)一方の解が −2-2 以下、もう一方が 22 以上の場合

y=−2y=-2 と y=2y=2 で放物線が横軸以下にあればよいので、

f(−2)≤0,f(2)≤0.f(-2)\le0,\quad f(2)\le0.

したがって、

b≤2a−2,b≤−2a−2.b\le2a-2,\quad b\le-2a-2.

(i)(ii)は、それぞれ左右上方の直線と放物線の間の領域を表す。 (iii)は、二つの直線の両方より下側の領域を表す。 これらを合わせると、境界を含めて選択肢②の斜線部分になる。 よって、トは ② である。

左右上方は放物線と直線の間、下方は二つの直線の両方より下側。いずれも境界を含む。

右上が(i)、左上が(ii)、下方が(iii)の領域。

補足なぜ軸の位置も調べるのか

判別式が 00 以上であることを確かめたうえで、端点と軸の位置を調べます。 異なる二つの実数解があるとき、f(−2)≥0f(-2)\ge0 だけでは、二つの解がともに −2-2 以下なのか、ともに −2-2 以上なのかを区別できません。 下に凸の放物線は、二つの交点の間で横軸より下にあり、その外側では横軸より上にあるからです。 そこで軸の位置も調べ、−a2≤−2-\dfrac a2\le-2 という条件を加えます。 重解の場合も、解は軸の位置にあるため、この条件で −2-2 以下にあることを確認できます。

(ii)も同じ考え方です。 「判別式・軸・端点」を丸暗記するだけでなく、簡単な放物線を描いて確かめましょう。

補足左右に一つずつある場合の考え方

上に開く放物線は、二つの交点の間で横軸以下になります。 f(−2)≤0f(-2)\le0 と f(2)≤0f(2)\le0 は、−2-2 と 22 がどちらもその間にある、という条件です。 そのため、左の交点は −2-2 以下、右の交点は 22 以上になります。 この場合は二つの交点があることも分かるので、判別式を別に調べる必要はありません。

空欄 解答
タ ⑥
チツ −2-2
テ 22
ト ②

問題データ

関連分野
図形と方程式
難易度の目安
B(標準)
目標時間
20分

講評

前半は会話文に沿った計算、後半は二次関数のグラフを使って考える問題です。 麻布大学獣医学科を目指す受験生としては、まずタ・チツ・テを確実に取りたいところです。 最後のトは、解の位置を調べる問題に慣れているかどうかで差がつきそうです。 全体の目標時間は、見直しを含めて20分程度とします。

タは、指示された yy を平方してみれば進められます。 相反方程式という名前を知らなくても解けるので、四次方程式という見た目に身構える必要はありません。 チツ・テも、xx の二次方程式に直せば、いつもの判別式の問題です。 「今はどの文字についての方程式を考えているか」を確認しながら進めましょう。

トで手が止まったら、まず数直線に −2-2 と 22 を書き、二つの解を置いてみてください。 二つとも左、二つとも右、左右に一つずつ、という3通りが見えてきます。 条件式をいきなり並べようとするより、放物線を描いてから軸や交点の位置を確かめる方が、符号の間違いを防げます。 また、重解も実数解なので、等号を除かないように注意しましょう。

本番では、選択肢を使って絞り込む方法もあります。 元の方程式で xx を −x-x に変えると、aa の符号を逆にした式になります。 aa の符号が逆でも解がすべて実数となるかどうかは変わらないので、領域は bb 軸対称です。 これで候補は②と⑤に絞れます。 さらに a=b=0a=b=0 では 4x4+14=04x^4+\dfrac14=0 となり、実数解はありません。 原点を斜線に含む⑤を除けば、②が残ります。 時間が足りないときはこのような絞り込みも活用し、復習では3通りの条件をグラフから説明できるようにしておきましょう。

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