重要知識と着眼点
(i) 接点の 座標が分かっている接線
接線の方程式の求め方
接点を で置いて接線の式を立てる。 の での接線は 。
接点 が与えられているので、 を求めて公式に代入するだけです。
直線 は と平行で原点を通るので、傾きが と同じで切片が の直線、つまり です。
(ii) 交点は3次方程式の解。整数解を探して因数分解する
2つの関数のグラフの交点の求め方
を解いて、交点の 座標を求める。
座標は、その値を の計算しやすい方に代入して求める。
多項式の因数の見つけ方(因数定理)
多項式 について、 は を因数にもつ。
は3次方程式です。
答えの形から は整数なので、定数項 の約数を代入して解を探します。
1つ解が見つかれば、残りは2次方程式の解の公式で求められます。
(iii) 接点では が で割り切れる
2つの曲線が接する条件
2つの曲線が接する条件は3つ
- かつ
- で重解
- 判別式=0
は で に接するので、 は を重解にもちます。
したがって、 は を因数にもち、残りの1次式は定数項を比べるとすぐ分かります。
因数分解しておくと、積分する区間で であること、つまり が の上側にあることも読み取れます。
(iv) 絶対値は、中身の符号が変わる で場合分けする
絶対値を含む関数のグラフの定石
- 中身の符号で場合分けし、各区間のグラフを描く。
- について、 のグラフの の部分を、 軸について折り返す。
- を使う。
絶対値を含む定積分の求め方
絶対値の中身の符号が変わる点で、積分区間を分ける。
各区間で絶対値を外して積分する。
は で符号が変わります。
では なので、(iii) で因数分解した式がそのまま使えます。
では なので、 を新たに解きます。
積分も で区間を分けます。
の部分は (iii) の結果そのものなので、新たに計算するのは の部分だけです。
(v) 交点 までの積分
は、(ii) で求めた交点 までの区間です。
は (ii) で整理した3次式なので、そのまま積分します。
解答
(i)
より、 である。
また だから、点 における接線 は
よって であり、(43) は 、(44)(45) は である。
(ii)
直線 は と平行で原点を通るから、 である。
とすると、
を代入すると なので、左辺は を因数にもつ。
だから、
また、 である。
(46) は 、(47) は 、(48) は 、(49) は 、(50) は 、(51) は 、(52) は 、(53)(54) は である。
補足交点は直線 m 上にもある
は と の交点なので、 からも確かめられます。
(iii)
よって、
(55)(56) は である。
補足接点を中心に展開して確かめる
と変形すると、
となり、一致します。
(iv)
は、 で 以上、 で負である。
のとき
だから、(iii) より である。
の範囲で となるのは だけである。
のとき
だから、
なので、これが となるのは だけであり、 は を満たす。
だから、共有点は と である。
よって、(ア)は である。
次に積分を求める。
では だから、
では だから、(iii) よりこの区間の積分は である。
よって、
(イ)は である。
補足積分の値の意味
上の因数分解から、 では です。
したがって、この積分は曲線 と のグラフで囲まれた部分の面積に等しくなります。
(v)
(ii) より だから、
(ウ)は である。
補足(iv) の前半と比べて確かめる
(iv) の前半では、 で なので、 を求めました。
これとの差は、
です。
したがって、2つの積分が同じ値 になることと矛盾しません。
講評
3次関数の接線、直線との交点、定積分を順に問う、微分・積分の標準的な問題です。
(i)〜(iii) はマークシート、(iv)(v) は答えのみを解答用紙Bに書く形式で、どの小問も教科書の例題と同じ考え方で解けます。
確実に取り切りたい大問です。
(ii) では、3次方程式 の整数解 を素早く見つけることが大切です。
答えの形から が整数だと分かるので、定数項の約数から順に代入しましょう。
(iii) は、そのまま展開して積分しても解けます。
ただ、「接点では を因数にもつ」と知っていれば、因数分解で と の上下関係まで確かめられます。
この性質は、接線と曲線で囲まれた面積の問題で繰り返し使います。
差がつきやすいのは (iv) です。
の部分では となり、 と の交点ではなく、 と折り返した直線の交点を求め直す必要があります。
以外の解がないことは、 で確かめます。
積分は で区間を分け、 の部分に (iii) の結果を使えば、計算量を減らせます。
(iv)(v) は答えのみを記入する形式なので、計算ミスがそのまま失点になります。
グラフの概形をかいて符号や大小を確かめる、(v) と (iv) の前半を比べるなど、短時間でできる見直しを習慣にしておきましょう。
難易度はB、目標時間は20分としました。
方針はいずれも典型的ですが、絶対値の場合分けと4つの定積分を正確に処理し、見直しをする時間まで含めて見積もっています。


問題データ