重要知識と着眼点
全体:箱Xと箱Yの引き方を分けて数える
確率の定石
- 基本は、 で求める。
- 1つの場合の確率が分かるときは、
。
- 試行回数に応じて変わる確率は、確率漸化式を考える。
1,2では重複なく数え、各場合が同様に確からしいことを確認する。
カードは箱の中だけでやりとりされ、箱Xの引き方と箱Yの引き方は互いに影響しません。
A、Bの数の組 は、異なる奇数を順に並べる 通りで、どれも同様に確からしいです。
C、Dの数の組 も同じく 通りです。
したがって、 は全部で 通りで、どれも同様に確からしいと考えられます。
また、 は のどれも確率 、 は のどれも確率 で、 と は互いに影響しません。
と だけに関する (ii) の前半と (iii) は、 の 通りで考えれば十分です。
(ii)(iii) の値を表にする
場合の数を数える定石
基本方針は、すべて書き出して数え上げ。
多い場合は、書き出しながら数え上げの工夫ができないか考える。
は16通りしかないので、 の値を表にすると確実です。
表ができれば、(ii) の前半は値が のマスを数えるだけ、(iii) の期待値は16マスの値の平均を求めるだけです。
| \ | ||||
|---|---|---|---|---|
(ii) の後半の は、「 かつ 」と言い換えられます。
を決めると はただ1通りに決まるので、そのような が実際に引けるかを確かめれば数えられます。
(iv) が起こった場合だけを全体として数える
条件付き確率の意味と求め方
事象 が起きたという条件のもとで、事象 が起きる確率。。
条件付き確率は、「 が起こった場合」だけを全体として、その中で も起こる割合を求めます。
を満たす は表の7通りで、それぞれに対して は残りのカードから 通りあります。
が引けるのは、 を除いた残りのカードからです。
そのため、 が端の組 や か、それ以外かによって、 となる組の数が変わります。
の7通りを、この違いで分けて数えましょう。
解答
準備
は異なる奇数 を順に並べたもので 通り、 は異なる偶数 を順に並べたもので 通りある。
箱Xと箱Yの引き方は互いに影響しないので、 の 通りは同様に確からしい。
(i)
となる は の3通りだから、確率は
となるのは、これらに となる を加えた6通りだから、確率は
(57) は 、(58) は 、(59) は 、(60) は である。
(ii)
となる は、
の7通りである。
そのそれぞれに対して、 は 以外の3通り、 は 以外の3通りあるから、 となるのは 通りである。
よって、確率は
次に、 は かつ と同じである。
の12通りのそれぞれに対して、 は異なる偶数で、どちらも 以下だから、条件を満たす はちょうど1通りある。
よって、確率は
(61) は 、(62)(63) は 、(64) は 、(65)(66) は である。
(iii)
は 、 は のどれも確率 でとり、 と は互いに影響しない。
よって、 の16通りは同様に確からしい。
の値は次の表のとおりである。
| \ | ||||
|---|---|---|---|---|
の値が となるのは、それぞれ 通りだから、期待値は
(67)(68) は 、(69) は である。
(iv)
(ii) より、 が起こるのは63通りである。
このうち も起こる場合を、 ごとに数える。
となる の候補は、(ii) で挙げた7組である。
このうち、 となる組と となる組は引けないので除く。
のとき
除くのは で、残りは の5通りである。
のとき
同様に、除くのは で、残りは5通りである。
がそれ以外の5通りのとき
を含む組は2組、 を含む組は2組で、 自身は両方に含まれる。
除くのは 組で、残りは 通りである。
例えば なら、除くのは で、残りは である。
よって、 と がともに起こるのは 通りである。
求める条件付き確率は
(70)(71) は 、(72)(73) は である。
補足式で書くと
、 なので、 です。
が起こる63通りが同様に確からしいので、場合の数の比で計算しても同じ結果になります。
講評
カードを戻さずに引く設定で、差の値に関する確率、期待値、条件付き確率を問う問題です。
場合の数が少なく、書き出せばどの小問も確実に数えられます。
(i)〜(iii) は短時間で取り切り、(iv) まで正確に数え切りたい大問です。
全体を見通すうえで大切なのは、箱Xと箱Yの引き方が互いに影響しないことです。
さらに、 と はそれぞれ箱の最初の1枚なので、どの値も確率 でとります。
このことに気付けば、(ii) の前半と (iii) は の16通りの表だけで処理できます。
(ii) の後半では、 と言い換えると、 ごとに が1通りに決まることが見えます。
ここで、 が自動的に成り立つことも確認しておきましょう。
差がつくのは (iv) です。
は を除いた残りのカードから引くので、 ごとに となる組の数が変わります。
「端の組 とそれ以外」に分けて数えると、漏れや重複を防げます。
条件付き確率の分母は全体の144通りではなく、 が起こる63通りであることにも注意しましょう。
難易度はB、目標時間は20分としました。
(i)〜(iii) は基本的ですが、(iv) で ごとに場合を分けて正確に数え、全体を見直す時間まで含めて見積もっています。


問題データ