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【解答・解説】2026年 早稲田大学 理工学部 数学 第4問

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a(1)=2a(1)=2 とし,a(2),a(3),a(4),a(2),a(3),a(4),\cdots を次の関係で定める。

a(2n)=3a(n)+1,a(2n+1)=3a(n)+2(n=1,2,)a(2n)=3a(n)+1,\quad a(2n+1)=3a(n)+2\quad(n=1,2,\cdots)

以下の問に答えよ。

(1) a(7),a(9)a(7),a(9) を求めよ。

(2) 自然数 nn に対して,a(2n+1)a(2^n+1) は,1または2のいずれかの値をとるような b0,b1,,bnb_0,b_1,\cdots,b_n を用いて,

a(2n+1)=k=0nbk3ka(2^n+1)=\sum_{k=0}^{n}b_k\cdot3^k

と表せる。b0,b1,,bnb_0,b_1,\cdots,b_n をそれぞれ求めよ。

(3) 自然数 nn に対して,k=12n1a(k)\displaystyle\sum_{k=1}^{2^n-1}a(k) を求めよ。

着眼点

添字が偶数か奇数かによって、使う漸化式が変わる。 (1) は求めたい項の添字を小さくする向きに式をたどり、初期値まで戻ればよい。

(2) では、漸化式を繰り返し代入したとき、3の累乗にどの係数が付くかに注目しよう。 (3) は各項を一つずつ求めるより、添字を2の累乗ごとの区間に分けて、その区間の和を考える。 偶数の項と次の奇数の項を組にすると、一つ前の区間の和との関係を作ることができる。

解答・補足

(1) 与えられた漸化式

a(2n)=3a(n)+1,a(2n+1)=3a(n)+2(n=1,2,)a(2n)=3a(n)+1,\quad a(2n+1)=3a(n)+2\quad(n=1,2,\cdots)

および初期条件 a(1)=2a(1)=2 に従い,順次値を求める。

まず,a(7)a(7) を求める。7=23+17=2\cdot3+1 であるから,

a(7)=a(23+1)=3a(3)+2a(7)=a(2\cdot3+1)=3a(3)+2

ここで a(3)a(3) は,3=21+13=2\cdot1+1 より

a(3)=a(21+1)=3a(1)+2=3(2)+2=8a(3)=a(2\cdot1+1)=3a(1)+2=3(2)+2=8

したがって,

a(7)=3(8)+2=26a(7)=3(8)+2=26

次に,a(9)a(9) を求める。9=24+19=2\cdot4+1 であるから,

a(9)=a(24+1)=3a(4)+2a(9)=a(2\cdot4+1)=3a(4)+2

ここで a(4)a(4) は,4=224=2\cdot2 より

a(4)=a(22)=3a(2)+1a(4)=a(2\cdot2)=3a(2)+1

さらに a(2)a(2) は,2=212=2\cdot1 より

a(2)=a(21)=3a(1)+1=3(2)+1=7a(2)=a(2\cdot1)=3a(1)+1=3(2)+1=7

よって,

a(4)=3(7)+1=22a(4)=3(7)+1=22

したがって,

a(9)=3(22)+2=66+2=68a(9)=3(22)+2=66+2=68

(2) a(2n+1)a(2^n+1) の値を nn を用いて表すことを考える。漸化式より,奇数の項については

a(2m+1)=3a(m)+2a(2m+1)=3a(m)+2

が成り立つ。ここで m=2n1m=2^{n-1} とおくと,2m+1=22n1+1=2n+12m+1=2\cdot2^{n-1}+1=2^n+1 となるので,

a(2n+1)=3a(2n1)+2(n1)a(2^n+1)=3a(2^{n-1})+2\quad(n\geqq1)

となる。次に,a(2n1)a(2^{n-1}) について考える。2n12^{n-1} は偶数であるから,漸化式の偶数の項の規則

a(2k)=3a(k)+1a(2k)=3a(k)+1

を繰り返し適用できる。

a(2n1)=a(22n2)=3a(2n2)+1a(2n2)=3a(2n3)+1 a(21)=3a(1)+1\begin{aligned} a(2^{n-1})&=a(2\cdot2^{n-2})=3a(2^{n-2})+1\\ a(2^{n-2})&=3a(2^{n-3})+1\\ &\ \vdots\\ a(2^1)&=3a(1)+1 \end{aligned}

これらを a(2n+1)=3a(2n1)+2a(2^n+1)=3a(2^{n-1})+2 に順次代入していく。

a(2n+1)=3a(2n1)+2=3(3a(2n2)+1)+2=32a(2n2)+31+2=32(3a(2n3)+1)+3+2=33a(2n3)+32+3+2 =3n1a(21)+(3n2++31)+2=3n1(3a(1)+1)+k=1n23k+2=3na(1)+3n1+k=1n23k+2=23n+k=1n13k+2\begin{aligned} a(2^n+1)&=3a(2^{n-1})+2\\ &=3(3a(2^{n-2})+1)+2=3^2a(2^{n-2})+3\cdot1+2\\ &=3^2(3a(2^{n-3})+1)+3+2=3^3a(2^{n-3})+3^2+3+2\\ &\ \vdots\\ &=3^{n-1}a(2^1)+(3^{n-2}+\cdots+3^1)+2\\ &=3^{n-1}(3a(1)+1)+\sum_{k=1}^{n-2}3^k+2\\ &=3^na(1)+3^{n-1}+\sum_{k=1}^{n-2}3^k+2\\ &=2\cdot3^n+\sum_{k=1}^{n-1}3^k+2 \end{aligned}

ここで,最後の項2は 2302\cdot3^0 とみなせる。よって,

a(2n+1)=23n+k=1n113k+230a(2^n+1)=2\cdot3^n+\sum_{k=1}^{n-1}1\cdot3^k+2\cdot3^0

これを k=0nbk3k\displaystyle\sum_{k=0}^{n}b_k\cdot3^k の形と比較すると,係数 bkb_k は以下のようになる。

  • k=nk=n のとき,bn=2b_n=2
  • 1kn11\leqq k\leqq n-1 のとき,bk=1b_k=1
  • k=0k=0 のとき,b0=2b_0=2

なお,n=1n=1 のときは a(21+1)=a(3)=8=231+230a(2^1+1)=a(3)=8=2\cdot3^1+2\cdot3^0 となり,中間項 (1kn1)(1\leqq k\leqq n-1) は存在しないが,上記の規則 (b1=2,b0=2)(b_1=2,b_0=2) と矛盾しない。

(3) 求める和を Sn=k=12n1a(k)S_n=\displaystyle\sum_{k=1}^{2^n-1}a(k) とおく。自然数 kk の2進数表記の桁数に着目し,群に分けて和を計算する。第 jj 群を 2j1k2j12^{j-1}\leqq k\leqq2^j-1 を満たす自然数 kk の集合とし,その和を TjT_j とする。

Tj=k=2j12j1a(k)T_j=\sum_{k=2^{j-1}}^{2^j-1}a(k)

このとき,求める和 SnS_n

Sn=j=1nTjS_n=\sum_{j=1}^{n}T_j

である。

まず T1T_1 を求める。範囲は 20k2112^0\leqq k\leqq2^1-1 即ち k=1k=1 のみである。

T1=a(1)=2T_1=a(1)=2

次に j2j\geqq2 のとき,TjT_j の漸化式を導く。区間 [2j1,2j1][2^{j-1},2^j-1] に含まれる整数 kk は,2m2m または 2m+12m+1(ただし 2j2m2j112^{j-2}\leqq m\leqq2^{j-1}-1)の形で表せる。よって,

Tj=m=2j22j11(a(2m)+a(2m+1))=m=2j22j11((3a(m)+1)+(3a(m)+2))=m=2j22j11(6a(m)+3)=6m=2j22j11a(m)+m=2j22j113\begin{aligned} T_j&=\sum_{m=2^{j-2}}^{2^{j-1}-1}(a(2m)+a(2m+1))\\ &=\sum_{m=2^{j-2}}^{2^{j-1}-1}((3a(m)+1)+(3a(m)+2))\\ &=\sum_{m=2^{j-2}}^{2^{j-1}-1}(6a(m)+3)\\ &=6\sum_{m=2^{j-2}}^{2^{j-1}-1}a(m)+\sum_{m=2^{j-2}}^{2^{j-1}-1}3 \end{aligned}

右辺のシグマの中身 a(m)\displaystyle\sum a(m) は,定義より Tj1T_{j-1} そのものである。また,定数3を足す回数(項数)は (2j11)2j2+1=2j2(2^{j-1}-1)-2^{j-2}+1=2^{j-2} である。したがって,次の漸化式が得られる。

Tj=6Tj1+32j2(j2)T_j=6T_{j-1}+3\cdot2^{j-2}\quad(j\geqq2)

この漸化式を解く。両辺を 2j2^j で割ると,

Tj2j=3Tj12j1+34\frac{T_j}{2^j}=3\frac{T_{j-1}}{2^{j-1}}+\frac34

数列 {Tj2j}\left\{\frac{T_j}{2^j}\right\} は,初項 T121=22=1\frac{T_1}{2^1}=\frac22=1,公比3の等比数列の形に近い。特性方程式 c=3c+34c=3c+\frac34 を解くと c=38c=-\frac38 となるので

Tj2j+38=3(Tj12j1+38)\frac{T_j}{2^j}+\frac38=3\left(\frac{T_{j-1}}{2^{j-1}}+\frac38\right)

よって,

Tj2j+38=(1+38)3j1=1183j1\frac{T_j}{2^j}+\frac38=\left(1+\frac38\right)\cdot3^{j-1}=\frac{11}{8}\cdot3^{j-1} Tj2j=1183j138\frac{T_j}{2^j}=\frac{11}{8}\cdot3^{j-1}-\frac38 Tj=1183j12j382j=1146j1382jT_j=\frac{11}{8}\cdot3^{j-1}\cdot2^j-\frac38\cdot2^j=\frac{11}{4}\cdot6^{j-1}-\frac38\cdot2^j

これは j=1j=1 のとき T1=11434=2T_1=\frac{11}{4}-\frac34=2 となり成立する。

最後に総和 SnS_n を計算する。

Sn=j=1nTj=j=1n(11246j382j)=1124j=1n6j38j=1n2j=11246(6n1)61382(2n1)21=1120(6n1)34(2n1)=11(6n1)15(2n1)20=116n11152n+1520=116n152n+420\begin{aligned} S_n&=\sum_{j=1}^{n}T_j=\sum_{j=1}^{n}\left(\frac{11}{24}\cdot6^j-\frac38\cdot2^j\right)\\ &=\frac{11}{24}\sum_{j=1}^{n}6^j-\frac38\sum_{j=1}^{n}2^j\\ &=\frac{11}{24}\cdot\frac{6(6^n-1)}{6-1}-\frac38\cdot\frac{2(2^n-1)}{2-1}\\ &=\frac{11}{20}(6^n-1)-\frac34(2^n-1)\\ &=\frac{11(6^n-1)-15(2^n-1)}{20}\\ &=\frac{11\cdot6^n-11-15\cdot2^n+15}{20}\\ &=\frac{11\cdot6^n-15\cdot2^n+4}{20} \end{aligned}
補足

(3) の考え方を視覚的に理解するために,数列 a(k)a(k) の生成規則を木構造で表すと以下のようになります。各深さにあるノードの総和が TjT_j に対応します。

図のように,深さ jj の層には 2j12^{j-1} 個の項があり,それぞれの項 a(m)a(m) から次の層の a(2m),a(2m+1)a(2m),a(2m+1) が生成されます。この親子関係における和の変化(a(2m)+a(2m+1)=6a(m)+3a(2m)+a(2m+1)=6a(m)+3)を利用することで,層ごとの和 TjT_j の漸化式を立てることができます。

問題データ

主分野
数列
関連分野
なし
難易度の目安
B(標準)
目標時間
25

講評

通常の隣り合う項の漸化式とは、添字の変化の仕方が異なる。 小さい項を実際に求めて規則を確認し、その計算を一般の添字へ広げる流れを押さえたい。

和を求める設問では、各項の一般式を先に完成させる必要はない。 規則に合う区間へ分け、区間の和そのものの漸化式を作ることができる。 復習では、区間の端と項数、初期値を正しく数えられているかを確かめよう。

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