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【解答・解説】2026年 早稲田大学 理工学部 数学 第1問

公開 更新

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次の関数 f(x)f(x) について,以下の問に答えよ。

f(x)=8x1524x+6342x578f(x) = 8^x - \frac{15}{2}\cdot 4^x + \frac{63}{4}\cdot 2^x - \frac{57}{8}

(1) f(x)f(x) の極大値 MM と極小値 mm を求めよ。

(2) (1) で求めた M, mM,\ m に対して,axba \leqq x \leqq b における f(x)f(x) の最大値が MM,最小値が mm となるような実数の組 (a, b)(a,\ b) のうち,bab-a が最小となる組を求めよ。

着眼点

(1)

極値を求められているので増減表を書くことが目標になる。素直に(ax)=logaax(a^x)'=\log{a} \cdot a^xを使って微分計算しても解答は可能だが、計算が重そうなので何か工夫できないか考えてみよう。

8=23, 4=228 = 2^3,\ 4 = 2^2なので、8x=(2x)3,4x=(2x)28^x = (2^x)^3, 4^x = (2^x)^2と底を22にそろえて表せることに気づけば、t=2xt = 2^xと置き換えた関数を考えることで計算量を減らすことができる。文字を置き換えたときは置き換え後の文字の取りうる値に注意しよう。


(2)

問題が複雑なときはグラフや図を書いて状況を把握しよう。g(t)g(t)のグラフを書いてみるとこのようなグラフになる。

y=g(t) のグラフ

このグラフに直線y=My=Mと直線y=my=mを引いてみよう。グラフとの共有点に注目すると、最大値MMをとりうる点も最小値mmをとりうる点も22つずつあることが分かる。このグラフ上でttがどんな範囲であれば最大値がMM、最小値がmmになるのかを考えると解答の糸口が見えてくる。ttの範囲をxxの範囲に戻すことを忘れないよう注意しよう。

解答・補足

(1) t=2xt=2^x とおく。xx は実数全体を動くので,tt のとりうる値の範囲は t>0t>0 である。与えられた関数 f(x)f(x)tt を用いて表すと,8x=(2x)3=t38^x=(2^x)^3=t^34x=(2x)2=t24^x=(2^x)^2=t^2 より,

g(t)=t3152t2+634t578g(t)=t^3-\frac{15}{2}t^2+\frac{63}{4}t-\frac{57}{8}

とおくことができる。tt で微分すると,

g(t)=3t215t+634=3(t25t+214)=3(t32)(t72)\begin{aligned} g'(t) &=3t^2-15t+\frac{63}{4} =3\left(t^2-5t+\frac{21}{4}\right) \\ &=3\left(t-\frac{3}{2}\right)\left(t-\frac{7}{2}\right) \end{aligned}

g(t)=0g'(t)=0 となるのは t=32,72t=\frac{3}{2},\frac{7}{2} のときであり,これらはともに t>0t>0 を満たす。t>0t>0 における g(t)g(t) の増減表は以下のようになる。

tt (0)(0) \cdots 32\dfrac{3}{2} \cdots 72\dfrac{7}{2} \cdots
g(t)g'(t) ++ 00 - 00 ++
g(t)g(t) 極大 極小

ttxxについて単調増加なので,g(t)g(t)f(x)f(x) の増減は一致する。

補足この1行の意味

M,mM,mを求めるのに必要なのはf(x)f(x)xxで微分したdfdx\frac{df}{dx}の符号だ。しかし、今計算したのはf(x)(=g(t))f(x)(=g(t))ttで微分したdfdt\frac{df}{dt}だ。

合成関数の微分よりdfdx=dtdxdfdt\frac{df}{dx} = \frac{dt}{dx} \frac{df}{dt}なので、dfdx\frac{df}{dx}の符号はdtdx\frac{dt}{dx}の符号とdfdt\frac{df}{dt}の符号の掛け算で決まる。そのため「g(t)g(t)f(x)f(x) の増減は一致する」を言うために、dtdx\frac{dt}{dx} が常に正符号、つまり「ttxxについて単調増加」であることを言っておく必要があるのだ。

とはいえ、時間制限もある中で完璧な答案を書くことができた受験生もそう多くはないだろう。今回書けなかったとしても気に病む必要はない。しかし、g(t)g(t)の増減をそのまま使っても大丈夫なのか?という疑問は解答時に抱いてほしい。

極大値 MMt=32t=\frac{3}{2} のときの値である。

M=g(32)=(32)3152(32)2+634(32)578=2781358+1898578=27135+189578=248=3\begin{aligned} M &=g\left(\frac{3}{2}\right) \\ &=\left(\frac{3}{2}\right)^3-\frac{15}{2}\left(\frac{3}{2}\right)^2+\frac{63}{4}\left(\frac{3}{2}\right)-\frac{57}{8} \\ &=\frac{27}{8}-\frac{135}{8}+\frac{189}{8}-\frac{57}{8} \\ &=\frac{27-135+189-57}{8}=\frac{24}{8}=3 \end{aligned}

極小値 mmt=72t=\frac{7}{2} のときの値である。

m=g(72)=(72)3152(72)2+634(72)578=34387358+4418578=343735+441578=88=1\begin{aligned} m &=g\left(\frac{7}{2}\right) \\ &=\left(\frac{7}{2}\right)^3-\frac{15}{2}\left(\frac{7}{2}\right)^2+\frac{63}{4}\left(\frac{7}{2}\right)-\frac{57}{8} \\ &=\frac{343}{8}-\frac{735}{8}+\frac{441}{8}-\frac{57}{8} \\ &=\frac{343-735+441-57}{8}=\frac{-8}{8}=-1 \end{aligned}

よって,求める極大値と極小値は以下の通りである。

M=3,m=1M=3,\quad m=-1

(2) axba\leqq x\leqq b において t=2xt=2^x の変域を αtβ\alpha\leqq t\leqq\beta とおく(ただし α=2a,β=2b\alpha=2^a,\beta=2^b)。この区間における g(t)g(t) の最大値が 33,最小値が 1-1 となるような α,β\alpha,\beta の条件を考える。まず,g(t)=3g(t)=3 および g(t)=1g(t)=-1 となる tt の値を求める。

(i) g(t)=3g(t)=3 の解 t=32t=\frac{3}{2} で極大値 33 をとることから,方程式 g(t)3=0g(t)-3=0(t32)2\left(t-\frac{3}{2}\right)^2 を因数に持つ。

g(t)3=t3152t2+634t818g(t)-3=t^3-\frac{15}{2}t^2+\frac{63}{4}t-\frac{81}{8}

両辺を 88 倍して因数分解を行うと,

8t360t2+126t81=(2t3)2(2t9)=08t^3-60t^2+126t-81=(2t-3)^2(2t-9)=0

よって,t=32,92t=\frac{3}{2},\frac{9}{2}

(ii) g(t)=1g(t)=-1 の解 t=72t=\frac{7}{2} で極小値 1-1 をとることから,方程式 g(t)+1=0g(t)+1=0(t72)2\left(t-\frac{7}{2}\right)^2 を因数に持つ。

g(t)+1=t3152t2+634t498g(t)+1=t^3-\frac{15}{2}t^2+\frac{63}{4}t-\frac{49}{8}

両辺を 88 倍して因数分解を行うと,

8t360t2+126t49=(2t7)2(2t1)=08t^3-60t^2+126t-49=(2t-7)^2(2t-1)=0

よって,t=72,12t=\frac{7}{2},\frac{1}{2}

以上の結果と g(t)g(t) の増減より,グラフの概形は下図のようになる。

y=g(t) のグラフ

区間 [α,β][\alpha,\beta] において最大値が 33,最小値が 1-1 となるためには,区間 [α,β][\alpha,\beta]

12αβ92\frac{1}{2}\leqq\alpha\leqq\beta\leqq\frac{9}{2}

の範囲内にあり,かつ「最大値をとる点(t=32t=\frac{3}{2} または t=92t=\frac{9}{2})」と「最小値をとる点(t=12t=\frac{1}{2} または t=72t=\frac{7}{2})」の両方を少なくとも 11 つずつ含んでいる必要がある。

ここで,ba=log2βlog2α=log2βαb-a=\log_2\beta-\log_2\alpha=\log_2\frac{\beta}{\alpha} であるから,bab-a が最小となるのは比 βα\frac{\beta}{\alpha} が最小となるときである。条件を満たす区間 [α,β][\alpha,\beta] のとり方として,以下の 33 つのケースが考えられる。

(A) 極大点 t=32t=\frac{3}{2} と極小点 t=72t=\frac{7}{2} をともに含む場合

α32\alpha\leqq\frac{3}{2} かつ β72\beta\geqq\frac{7}{2} である必要がある。このとき βα\frac{\beta}{\alpha} の最小値は,α\alpha を最大(32\frac{3}{2}),β\beta を最小(72\frac{7}{2})にしたときであり,

βα=7/23/2=732.33\frac{\beta}{\alpha}=\frac{7/2}{3/2}=\frac{7}{3}\approx2.33

(B) 極大点 t=32t=\frac{3}{2} を含み,極小点 t=72t=\frac{7}{2} を含まない場合

最小値 1-1 をとるためには,区間の左端が t=12t=\frac{1}{2} でなければならない(右端は t<72t<\frac{7}{2})。よって α=12\alpha=\frac{1}{2}。最大値 33 をとるためには,β32\beta\geqq\frac{3}{2} であればよい。βα\frac{\beta}{\alpha} を最小にするには β=32\beta=\frac{3}{2} とすればよく,

βα=3/21/2=3\frac{\beta}{\alpha}=\frac{3/2}{1/2}=3

(C) 極小点 t=72t=\frac{7}{2} を含み,極大点 t=32t=\frac{3}{2} を含まない場合

最大値 33 をとるためには,区間の右端が t=92t=\frac{9}{2} でなければならない(左端は t>32t>\frac{3}{2})。よって β=92\beta=\frac{9}{2}。最小値 1-1 をとるためには,α72\alpha\leqq\frac{7}{2} であればよい。βα\frac{\beta}{\alpha} を最小にするには α\alpha をできるだけ大きくすればよく,α=72\alpha=\frac{7}{2} とすればよい。

βα=9/27/2=971.28\frac{\beta}{\alpha}=\frac{9/2}{7/2}=\frac{9}{7}\approx1.28

以上より,βα\frac{\beta}{\alpha} が最小となるのは (C) のケースであり,その値は 97\frac{9}{7} である。このとき,α=72,β=92\alpha=\frac{7}{2},\beta=\frac{9}{2} であるから,

a=log272=log271,b=log292=2log231a=\log_2\frac{7}{2}=\log_2 7-1,\quad b=\log_2\frac{9}{2}=2\log_2 3-1

である。

問題データ

関連分野
微分・積分
難易度の目安
B(標準)
目標時間
25

講評

指数関数の式を、置換によって扱いやすい多項式へ直せるかが最初のポイントになる。 置換後の変数の範囲だけでなく、元の変数との増減の関係まで説明できるようにしておきたい。

後半では、極大値・極小値と、区間内の最大値・最小値を区別することが大切である。 グラフ上で条件を満たす区間を確かめ、最後に元の変数へ戻して長さを比べる。 復習では、置換、グラフによる場合分け、区間の長さの比較をそれぞれ自分の言葉で説明してみよう。

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