(1) t=2x とおく。x は実数全体を動くので,t のとりうる値の範囲は t>0 である。与えられた関数 f(x) を t を用いて表すと,8x=(2x)3=t3,4x=(2x)2=t2 より,
g(t)=t3−215t2+463t−857
とおくことができる。t で微分すると,
g′(t)=3t2−15t+463=3(t2−5t+421)=3(t−23)(t−27)
g′(t)=0 となるのは t=23,27 のときであり,これらはともに t>0 を満たす。t>0 における g(t) の増減表は以下のようになる。
| t |
(0) |
⋯ |
23 |
⋯ |
27 |
⋯ |
| g′(t) |
|
+ |
0 |
− |
0 |
+ |
| g(t) |
|
↗ |
極大 |
↘ |
極小 |
↗ |
t は xについて単調増加なので,g(t) と f(x) の増減は一致する。
補足この1行の意味
M,mを求めるのに必要なのはf(x)をxで微分したdxdfの符号だ。しかし、今計算したのはf(x)(=g(t))をtで微分したdtdfだ。
合成関数の微分よりdxdf=dxdtdtdfなので、dxdfの符号はdxdtの符号とdtdfの符号の掛け算で決まる。そのため「g(t) と f(x) の増減は一致する」を言うために、dxdt が常に正符号、つまり「t は xについて単調増加」であることを言っておく必要があるのだ。
とはいえ、時間制限もある中で完璧な答案を書くことができた受験生もそう多くはないだろう。今回書けなかったとしても気に病む必要はない。しかし、g(t)の増減をそのまま使っても大丈夫なのか?という疑問は解答時に抱いてほしい。
極大値 M は t=23 のときの値である。
M=g(23)=(23)3−215(23)2+463(23)−857=827−8135+8189−857=827−135+189−57=824=3
極小値 m は t=27 のときの値である。
m=g(27)=(27)3−215(27)2+463(27)−857=8343−8735+8441−857=8343−735+441−57=8−8=−1
よって,求める極大値と極小値は以下の通りである。
M=3,m=−1
(2) a≦x≦b において t=2x の変域を α≦t≦β とおく(ただし α=2a,β=2b)。この区間における g(t) の最大値が 3,最小値が −1 となるような α,β の条件を考える。まず,g(t)=3 および g(t)=−1 となる t の値を求める。
(i) g(t)=3 の解 t=23 で極大値 3 をとることから,方程式 g(t)−3=0 は (t−23)2 を因数に持つ。
g(t)−3=t3−215t2+463t−881
両辺を 8 倍して因数分解を行うと,
8t3−60t2+126t−81=(2t−3)2(2t−9)=0
よって,t=23,29。
(ii) g(t)=−1 の解 t=27 で極小値 −1 をとることから,方程式 g(t)+1=0 は (t−27)2 を因数に持つ。
g(t)+1=t3−215t2+463t−849
両辺を 8 倍して因数分解を行うと,
8t3−60t2+126t−49=(2t−7)2(2t−1)=0
よって,t=27,21。
以上の結果と g(t) の増減より,グラフの概形は下図のようになる。
区間 [α,β] において最大値が 3,最小値が −1 となるためには,区間 [α,β] が
21≦α≦β≦29
の範囲内にあり,かつ「最大値をとる点(t=23 または t=29)」と「最小値をとる点(t=21 または t=27)」の両方を少なくとも 1 つずつ含んでいる必要がある。
ここで,b−a=log2β−log2α=log2αβ であるから,b−a が最小となるのは比 αβ が最小となるときである。条件を満たす区間 [α,β] のとり方として,以下の 3 つのケースが考えられる。
(A) 極大点 t=23 と極小点 t=27 をともに含む場合
α≦23 かつ β≧27 である必要がある。このとき αβ の最小値は,α を最大(23),β を最小(27)にしたときであり,
αβ=3/27/2=37≈2.33
(B) 極大点 t=23 を含み,極小点 t=27 を含まない場合
最小値 −1 をとるためには,区間の左端が t=21 でなければならない(右端は t<27)。よって α=21。最大値 3 をとるためには,β≧23 であればよい。αβ を最小にするには β=23 とすればよく,
αβ=1/23/2=3
(C) 極小点 t=27 を含み,極大点 t=23 を含まない場合
最大値 3 をとるためには,区間の右端が t=29 でなければならない(左端は t>23)。よって β=29。最小値 −1 をとるためには,α≦27 であればよい。αβ を最小にするには α をできるだけ大きくすればよく,α=27 とすればよい。
αβ=7/29/2=79≈1.28
以上より,αβ が最小となるのは (C) のケースであり,その値は 79 である。このとき,α=27,β=29 であるから,
a=log227=log27−1,b=log229=2log23−1
である。
問題データ