(1) 与えられた方程式
m−n+m+n−k1mn=0(1)
において,根号内が非負である条件より m−n≧0,すなわち m2≧n が必要である。(1) を変形して
m−n+m+n=k1mn
両辺はともに非負であるから,2乗しても同値である。
(m−n)+(m+n)+2(m−n)(m+n)=k2mn
2m+2m2−n=k2mn
移項して整理すると
2m2−n=m(k2n−2)(2)
左辺は 2m2−n≧0 であり,m は自然数であるから,右辺について
k2n−2≧0⟺n≧2k2(3)
が成り立つ必要がある。さらに (2) の両辺を2乗して
4(m2−n)=m2(k2n−2)2
4m2−4n=m2(k4n2−k24n+4)
4m2−4n=k4m2n2−k24m2n+4m2
両辺から 4m2 を引き,−n (n=0) で割ると
4=k4m2n+k24m2
よって
m2(4k2−n)=4k4(4)
ここで m2>0,4k4>0 より,4k2−n>0 すなわち n<4k2 でなければならない。これと (3) を合わせて
2k2≦n<4k2
が示された。
(2) (4) 式より
m2=4k2−n4k4
m が自然数であるためには,m2 が平方数である必要がある。分子 4k4=(2k2)2 は平方数であるから,分母 4k2−n も平方数でなければならない。そこで,自然数 d を用いて
4k2−n=d2
とおく。これを n について解くと n=4k2−d2 である。(1) で示した範囲 2k2≦n<4k2 に代入すると
2k2≦4k2−d2<4k2
各辺から 4k2 を引いて
−2k2≦−d2<0
0<d2≦2k2
d は自然数であるから
1≦d≦2k(5)
このとき m は
m=d24k4=d2k2
となる。m が自然数となる条件は,d が 2k2 の約数であることである。以上より,自然数解 (m,n) の個数は,条件 (5) を満たす 2k2 の約数 d の個数に等しい。
【存在の証明】k は自然数であるから,d=k とすると
1≦k<2k
より,条件 (5) を満たす。また,2k2=k⋅(2k) より,k は 2k2 の約数である。したがって,d=k に対応する自然数解 (m,n) が少なくとも1つ存在する。(具体的には m=k2k2=2k,n=4k2−k2=3k2)
【個数の評価】自然数解の個数を N とすると,N は 1≦d≦2k を満たす 2k2 の約数 d の個数である。この範囲にある約数の個数は,当然ながらこの範囲にある自然数の個数以下である。1≦d≦2k を満たす自然数 d の個数は ⌊2k⌋ 個である。ここで 2 は無理数であり,k は自然数であるから,2k が整数になることはない。よって
⌊2k⌋<2k
したがって
N≦⌊2k⌋<2k
となり,自然数解の個数は 2k より小さいことが示された。
(3) k=3 のとき,条件 (5) は
1≦d≦32=18
4<18<5 より,d の候補は 1,2,3,4 である。また,d は 2k2=2⋅32=18 の約数でなければならない。1,2,3,4 のうち18の約数であるものは d∈{1,2,3} である。それぞれの d について m=d18,n=36−d2 を計算する。
(i) d=1 のとき
m=118=18,n=36−12=35
(ii) d=2 のとき
m=218=9,n=36−22=32
(iii) d=3 のとき
m=318=6,n=36−32=27
以上より,求める自然数解 (m,n) は
(m,n)=(18,35),(9,32),(6,27)
補足
(2) において,解の個数が 2k より「小さい」ことを示す際,2k が整数になり得ない(2 が無理数であるため)という事実は重要です。もし 2k が整数であれば,解の個数が 2k と等しくなる可能性(すべての整数が約数である場合など)を排除するために,より詳細な議論が必要になりますが,本問では無理数性により厳密な不等号 < が成立します。
問題データ