重要知識と着眼点
(1)一つ先の項を作り、二つの部分を比べる
有理数部分と無理数部分の比較
が有理数で、 が無理数のとき、
ならば 。 とすると が有理数になり、矛盾する。
乗は、 乗に を掛けたものです。 そこで を展開し、「有理数の部分」と「 の係数」に分けます。 問題文に「有理数からなる数列 」とあるため、それぞれを と比較できます。
等比数列の一般項と和
初項 、公比 の等比数列について、
- :。
- :。
次の は、 と を別々に求めなくても計算できます。 求めた漸化式を使い、 を展開してみましょう。 の項が消え、もとの の 倍になります。 この式全体を一つの数列と見れば、公比 の等比数列です。
(2)差の式も等比数列になる
(1)で得た二つの漸化式から、 を計算します。 でくくれれば、 という等比数列の形になります。 初項は、もとの定義に を代入して求めます。 初項と公比が等しいので、一般項は です。
式が長く見えるときは、(1)で求めた を因数分解する方法もあります。
と因数分解すると、一方の因数は問題文で与えられた累乗、もう一方は です。 この方法は解答の別解で扱います。
(3)和と差が分かれば、それぞれを取り出せる
問題文から 、(2)から が分かります。 二つの式を加えれば が消え、引けば が消えます。 ただし、引いて得られるのは です。 を求めるときは で割り、分母を有理化して空欄の形に合わせます。
解答
(1)
定義より、
が有理数で、 が無理数であることから、
よって、ナ・ノ・ヒは 、ニ・ネ・ハ・フは 、ヌは である。
とおくと、
また、 より 。 したがって、
よって、 であり、ヘホは である。
(2)
(1)より、
なので、
よって、マは 、ミは 、ムは である。
別解:(1)の積を利用する
(1)から、
より、
(3)
定義と(2)から、
両式を加えて で割ると、
また、上の式から下の式を引いて で割ると、
よって、空欄は次のとおり。
| 空欄 | 解答 |
|---|---|
| メ・ヤ・ヨ | |
| モ・ル | |
| ユ・ラ・リ | |
| レロ |
補足小さい n で検算する
では、一般項に代入して になることを確かめます。 さらに、
より です。 このとき となり、 と一致します。 の分母に や を掛け忘れると、 の確認で気づけます。
講評
平方根を含む累乗と、等比数列を結び付ける問題です。 数列の式は長く見えますが、一つ先の項を作る、式をまとめて等比数列を見つける、二つの式を加減する、という基本的な操作で最後まで進められます。 難易度はB、目標時間は見直しを含めて15分程度です。
まず確実に取りたいのは、(1)の二つの漸化式です。 乗にするために何を掛けるかが分かれば、あとは展開して整理するだけです。 ここで を落とすと後の計算にも影響するため、 の係数を特に確認しましょう。
(1)の後半では、 全体を一つの数列と見ることが要点です。 の一般項を先に求めようとすると、問題の誘導を使いにくくなります。 一つ先の式を計算し、もとの式と比べる習慣を付けておきたいところです。
(2)まで求まれば、(3)は和と差を使う計算です。 ここは取り切りましょう。 特に は、差を で割ってから有理化します。 答えが空欄と違う形でも慌てず、 と直せば一致します。 最後は を代入して確かめ、負号を含むヘホと、2桁のレロまで正確に転記してください。


問題データ