重要知識と着眼点
(1)有理化した後は、逆数との関係に注目する
の有理化
分母分子に をかける。
分母の に対し、 を分母分子に掛けます。 有理化して得られる は、 との積が です。 したがって逆数がすぐに分かり、 を簡単な整数にできます。 ここで を使います。 二つの平方を別々に計算するより、和を先に求める方が計算を短くできます。
(2)最小値は平方完成、不等式は因数分解
2次関数の軸・頂点の求め方(平方完成)
を平方完成して の形にする。 軸は 、頂点は 。
最小値を求めるときは、平方の項が になる を考えます。 不等式では を因数分解し、二つの解の外側で正になることを使います。 最小値をとる と、最小値そのものを区別しましょう。
(3)実数解をもつ条件を一つずつ求める
2次方程式の解の種類と個数(判別式)
判別式 の符号を考える。
- :異なる2つの実数解。
- :重解。
- :実数解なし。互いに共役な2つの実数でない複素数解。
「実数解をもつ」には重解も含まれるので、条件は です。 今回は の係数が偶数なので、判別式を4で割った を使うと計算が短くなります。 それぞれの方程式について の範囲を求めた後、「ともに」なら共通部分、「少なくとも一方」なら合わせた範囲を取ります。 二つの方程式が同じ実数解をもつ条件を求める問題ではありません。
(4)積に含まれる素因数を考える
条件を満たさない方も考える(余事象)
条件を満たす方と満たさない方を比べ、数えやすい方を求める。 個数は「全体 − 満たさない個数」。 確率は 。
積が3の倍数になるのは、少なくとも1回、 または が出るときです。 反対の「3回とも のいずれか」を考えます。
4で割り切れるには、積の中に素因数 が二つ以上必要です。 は素因数 を二つ含むため、1回出るだけで条件を満たします。 と はそれぞれ素因数 を一つ含みます。 したがって4で割り切れないのは、「3回とも奇数」または「 が合わせてちょうど1回、残りは奇数」のときです。 単に「4が出ない」と考えると、 などを誤って含めてしまいます。
解答
(1)
より、。 よって、
アは 、イは 、ウは 、エオは 。
(2)
より、 のとき最小値 をとる。 また、
より、求める範囲は 。
カキは 、クは 、ケコは 、サは 。
(3)
①,②の判別式をそれぞれ とすると、
より、①が実数解をもつ条件は 。
より、②が実数解をもつ条件は または 。 したがって、ともに実数解をもつ範囲は
少なくとも一方が実数解をもつ範囲は
シは 、スは 、セソは 、タは 。
(4)
積が3の倍数にならない確率は だから、3の倍数となる確率は
積が4で割り切れない場合を、次の二つに分ける。
| 場合 | 確率 |
|---|---|
| 3回とも奇数 | |
| が合わせてちょうど1回、残り2回は奇数 |
よって、求める確率は 。
補足4で割り切れない場合の数え直し
3回の出目を区別して数えると、全部で 通りです。 奇数だけなら 通り。 偶数が1回だけで、その目が または なら 通りです。 合わせて 通りなので、 と確かめられます。
チツは 、テトは 、ナは 、ニは 。
講評
有理化、2次関数、判別式、確率の基本を使い分ける小問集合です。 獣医学科の受験生としては、最後まで取り切りたい難易度B、目標時間は見直しを含めて20分です。
(1)(2)は計算を落ち着いて進めれば得点できます。 (3)は判別式を計算した後の範囲の整理が要点です。 数直線に二つの範囲を書き、「ともに」と「少なくとも一方」の答えを取り違えないようにしましょう。
最も注意したいのは(4)の後半です。 積が4で割り切れる条件を、偶数が出る回数だけで判断すると失敗します。 と を分けるところまで考えられれば、場合分けは二つに整理できます。 本番では(1)〜(3)を先に確保し、(4)に考える時間を残してください。


問題データ