重要知識と着眼点
(1)表と裏に分け、偶数のカードを選ぶ
確率の定石
- 基本は、 で求める。
- 1つの場合の確率が分かるときは、。
- 試行回数に応じて変わる確率は、確率漸化式を考える。
1,2では重複なく数え、各場合が同様に確からしいことを確認する。
この問題では、表と裏が出る確率をそれぞれ とし、カードは10枚の中から偏りなく、同じカードを重ねて引かずに選びます。 引く順番は条件に関係しないため、カードの組合せを数えます。 表なら全体は 通り、裏なら 通りです。
どの小問でも、まず「2枚の場合」「3枚の場合」で条件を満たす確率を求め、それぞれに を掛けて足します。 (1)では、偶数のカードは の5枚です。 この5枚から2枚、または3枚を選ぶ組合せを数えればよいと分かります。
(2)最小の数を決める
数え上げの工夫
「初手で場合分け」「最終手で場合分け」など、何かを固定して場合分け → 各々の場合で数え上げて足し合わせる、が上手く行きやすい
連続する数の組は、最小の数を決めれば残りも決まります。 2枚なら 、3枚なら と表せるので、2枚なら より 、3枚なら より です。
「連続している」とは、引いた数字を小さい順に並べたときに連続する、という意味です。 引いた順番が昇順である必要はありません。 例えば と引いても、数字は と連続しています。
(3)小さい順に並べて、重複なく書き出す
場合の数を数える定石
基本方針は、すべて書き出して数え上げ。 多い場合は、書き出しながら数え上げの工夫ができないか考える。
2枚の場合は、小さい方を とすると、もう一方は です。 より なので、 の順に調べれば漏れなく数えられます。 3枚の場合も、数字を と並べ、最小の を固定すると整理できます。 残りの条件は です。
同じ数字のカードは1枚しかないので、 のような組は数えません。 また、 なら最小でも となります。 したがって の場合だけを調べれば十分です。
解答
コインの表と裏が出る確率は、それぞれ である。 表が出た場合のカードの選び方は 通り、裏が出た場合は 通りであり、それぞれの中で各組合せは同様に確からしい。
(1)
偶数のカードは5枚なので、すべて偶数となる選び方は、2枚の場合が 通り、3枚の場合が 通り。 したがって、求める確率は
よって、ワンは 、あいは である。
(2)
2枚の場合、連続する数字の組は
の9通り。 3枚の場合は
の8通り。 したがって、求める確率は
よって、うは 、えおは である。
(3)
2枚の場合、合計が になる組は
の5通り。
3枚の場合、数字を とする。 を満たす組を、 で場合分けして数える。 では となるので、 のみを調べればよい。
| 最小の数 | 組の数 | |
|---|---|---|
よって、3枚の場合も5通りであり、求める確率は
よって、かきは 、くけこは である。
補足2枚と3枚の場合の数を、そのまま足してはいけない
(1)で と計算するのは誤りです。 表が出て特定の2枚の組を引く確率は 、裏が出て特定の3枚の組を引く確率は です。 2枚の組と3枚の組を混ぜた165通りは、同様に確からしくありません。
まず引く枚数ごとに確率を求め、表・裏の確率を掛けてから足すことが大切です。
補足数え漏れ・重複を確かめる
(2)は、最初の組と最後の組を書き、最小の数が2枚なら から 、3枚なら から まで一つずつ並んでいるかを確かめます。
(3)の3枚の組は、解答とは逆に、最大の数 で分けて数え直せます。 では合計が最大でも 、 では最小でも なので、 を調べれば十分です。 残りの2枚を の順に書き、 を満たす組を探します。
| 最大の数 | 残りの2枚 |
|---|---|
得られた5組を解答の表と照合します。 総数だけでなく各組が一致するかを比べることで、数え漏れや重複を見つけやすくなります。
講評
コインの表裏で場合分けし、それぞれで組合せを数える確率の問題です。 難しい公式は必要なく、基本を正確に使って完答を目指したい内容です。 難易度はB、目標時間は書き出しと見直しを含めて15分程度です。
最初に、2枚の場合の全体は45通り、3枚の場合は120通りと整理できれば、3問とも同じ形で計算できます。 表裏の確率 を掛け忘れないよう、場合分けをした段階で式に書いておきましょう。 (1)は偶数5枚から選ぶだけなので、確実に取りたい問題です。
(2)は、最小の数から順に並べれば短く数えられます。 引く順番を区別するかどうかを途中で変えないことが大切です。 組合せで数えるなら、 と は同じ1通りです。
(3)は書き出しの正確さが問われます。 3枚の組を思い付くままに並べると、漏れや重複が生じます。 最小の数を と固定し、残りを小さい順に調べる方法を身に付けましょう。 同じ数字を2回使っていないか、 以降を除いてよいかも確認できれば、安心して得点につなげられます。


問題データ