重要知識と着眼点
全体 2乗して根号を外し、同値かどうかを確かめる
不等式の両辺を2乗するときの条件
のとき、。
2乗する前に、両辺が非負であることを確認する。
は、2乗すると中の と が打ち消し合います。
二重根号の和を見たら、まず2乗してみるのが自然です。
上の知識は不等式についてのものですが、等式でも同じです。
のとき、 と は同じ条件です。
両辺の符号が分からないまま2乗すると、もとの方程式を満たさない解が混ざります。
この問題では2回2乗するので、そのたびに両辺が0以上であることを確認します。
(1) の大きさで挟む
2乗した式は です。
なので が成り立ち、左辺は 以上 未満になります。
両辺を で割れば、 の範囲が分かります。
(2)(3)整数の等式に直し、平方数に注目する
整数解を求める問題の定石
- 因数分解して、約数の組を調べる。
- 不等式で範囲を絞る。
- 整数で割った余りを考える。
もう一度2乗して根号をすべて消すと、 という整数の等式になります。
右辺の は平方数です。
左辺の も平方数なので、 も平方数 になると予想できます。
こうすると、解は という1つの自然数で番号を付けられます。
あとは(1)の範囲から の大きさを絞ります。
「少なくとも1つ存在する」は具体的な解を1つ示せば十分で、「個数が より小さい」は のとりうる値を数えれば示せます。
解答
準備
が定義されるには 、つまり が必要である。
このとき、方程式は
と同じで、両辺はともに正である。
よって両辺を2乗しても同値で、
すなわち
となる。
したがって、自然数解とは「 かつ (A) を満たす自然数の組 」のことである。
(1)
を自然数解とする。
より だから、 である。
これと (A) より、
で割って をかけると、 が成り立つ。
(2)
自然数解の条件を整数の等式に直す
自然数 について、次の2つが同値であることを示す。
- 「 かつ (A)」
- 「 かつ 」 ……(B)
(A) は
と変形できる。
前者から後者を示す。
(1)より である。
上の式の両辺を2乗して をかけると、
を使って整理すると、 となる。
で割って、 を得る。
後者から前者を示す。
だから であり、
よって である。
また、上の計算を逆にたどると が成り立つ。
より で、 でもあるから、2乗する前の等式も成り立つ。
すなわち (A) が成り立つ。
解を自然数 で表す
自然数解 に対して とおく。
は正の有理数で、(B) の等式は と書きかえられる。
は自然数なので、 は自然数である(下の補足を参照)。
さらに、 が自然数なので、 は の約数である。
(B) の範囲 は、 と同じである。
は無理数なので とはならず、 である。
逆に、 の約数で を満たす自然数 に対して、
とおくと、 は自然数で、 かつ を満たす。
よって (B) を満たし、自然数解である。
以上より、自然数解は、次の条件を満たす自然数 と1対1に対応する。
異なる からは異なる が得られるので、同じ解を重ねて数えることはない。
少なくとも1つ存在すること
は の約数で、 を満たす。
よって は自然数解である。
個数が より小さいこと
自然数解の個数は、 より小さい自然数の個数 以下である。
その自然数は であり、 だから、自然数解の個数は より小さい。
補足2乗が整数になる有理数は整数
( は互いに素な自然数)とおき、( は自然数)とします。
すると です。
もし なら、 の素因数 は を割り切るので、 も割り切ります。
これは が互いに素であることに反するので、 となり、 は自然数です。
(3)
のとき、、 で、 である。
の約数で より小さい自然数 は、 である。
は の約数ではない。
よって、求める自然数解は
補足もとの方程式で確かめる
(A) の左辺と右辺を、それぞれ計算します。
- :、
- :、
- :、
いずれも一致し、 も満たします。
また、 なら だけで、解は の1個です。
実際、 なので、 となり、方程式を満たします。
講評
根号を含む方程式を、整数の問題に直して解く問題です。
(1)は2乗した式から不等式を作るだけなので、ここは得点したいところです。
差がつくのは(2)です。
もう一度2乗して までたどり着けるか、そこで「平方数」に注目できるかがポイントです。
とおけると、解の存在も個数の評価も、 を調べるだけで済みます。
答案では、2乗したときに同値性が崩れないことを書く必要があります。
特に2回目の2乗では、右辺 が0以上であることを(1)の結果から確認します。
ここを省くと、論証として不十分になりやすいので注意しましょう。
(3)は(2)で得た対応を使えば、 の約数を調べるだけです。
(2)の論証が完成しなくても、 と(1)の範囲さえ得られれば、 では を順に調べて解を求められます。
本番では(1)と(3)を確実に取り、(2)の論証で上乗せを狙うとよいでしょう。
難易度はC、目標時間は30分としました。
(2)で平方数に注目する発想と、同値性の確認が必要なためです。


問題データ