重要知識と着眼点
(1)長さと内積が分かれば、角の余弦が決まる
ベクトルの内積
内積は、二つのベクトルから定まる数。
零ベクトルでない のなす角を とすると、
。
成分で計算するときは、対応する成分どうしを掛けて足す。
平面では、 に対して、
。
空間では、 に対して、
。
は と のなす角です。
長さ と内積 がすべて与えられているので、内積の定義の式に代入するだけです。
(2)(3) を で表し、垂直を内積で書く
内分点・外分点の位置ベクトル
とする。
- 線分 を に内分する点 :。
- 線分 を に外分する点 :()。
ベクトルの垂直条件
零ベクトルでない二つのベクトルが垂直であることと、内積が であることは同値。
。
垂直という条件を式にするときは、二つのベクトルの内積を計算し、 とおく。
ベクトルの長さの扱い方
図形として長さを考える。計算するときは2乗して内積を使う。
。
なので、 は線分 を に内分する点です。
したがって と表せます。
この問題では がすべて分かっています。
そのため、 で表したベクトルどうしの内積や長さは、すべて計算できます。
垂直条件 から の1次方程式が得られ、(3)の長さも2乗して内積で計算できます。
(2)は記述問題なので、 が線分上にあること、つまり も確認しておきましょう。
(4)(5) は平面 上のどのベクトルとも垂直
平面ベクトルを求める基本的な方法
同一平面上のベクトルについて、平行でない を使い、求めるベクトルを とおく。
- 同じベクトルを2通りに表せるときは、 の係数をそれぞれ比較する。
- 長さや垂直の条件があるときは、内積の式にして の方程式を作る。
は から平面 に下ろした垂線の足です。
は に垂直なので、 上の とも とも垂直です。
このため、 と の内積を考えると、 の部分が消えます。
つまり、 が成り立ちます。
問題文が を と で表すように指定しているのは、この2つが垂直だからです。
なので、 と の内積をとると だけが残ります。
(5)では、「 が 上にある」を式にします。
なので、 の場合も含めて です。
が 上にあることは 、すなわち と言いかえられます。
未知の値 を文字でおき、 をその文字で表せば、長さの条件から方程式が作れます。
解答
(1)
(2)
は線分 上の点で だから、 であり、
より なので、
よって であり、これは を満たす。
したがって、。
(3)
(2)より だから、
よって、。
補足座標を入れて確かめる
平面 上に、 を原点、 の向きを 軸の正の向きとする座標を入れます。
で、、 から、 ととれます。
すると、
成分が なので であり、長さも と一致します。
(4)
(3)より で、 だから、 は 上の平行でない2つのベクトルである。
は 上の点なので、 と表せる。
は に垂直だから、 である。
よって、
一方、 より、
したがって で、。
(5)
とおく。
(4)と同様に だから、 である。
よって より、 である。
また、 は 上の と垂直だから、
が 上にあることは 、すなわち と同値である。
に注意すると、
より 、すなわち 。
よって、 の値は または である。
補足図で確かめる
(4)の計算から、 です。
したがって となり、 は「 を通り に垂直な直線 」の上にあります。
が 上にあるとき、 は直線 と半径 の円 の交点です。
(3)の補足の座標を使うと、その2点は です。
との内積は となり、 と が得られます。
また、 自身も直線 上にあるので、 の の係数も で、(4)の と一致します。
講評
長さと内積だけが与えられた空間ベクトルの問題です。
座標が与えられていないので、すべてを などで表し、内積の計算で進めることになります。
(1)〜(3)は、内積の定義・内分点・垂直条件・長さの2乗という基本の組合せです。
ここは確実に取りましょう。
(2)は記述問題なので、 を で表す式、垂直条件を内積で書いた式、得られた が を満たすことを、順に書くと答案がまとまります。
差がつくのは(4)(5)です。
垂線の足 を扱うときは、「 が平面上のどのベクトルとも垂直」という性質を内積の式に直すのが基本です。
この性質から が得られれば、(4)はすぐに終わります。
(5)は、「 が 上にある」を「」と言いかえられるかがポイントです。
値の分からない を文字でおいて進める姿勢も大切です。
答えが2つあるのは、 上で条件を満たす点が直線 と円の交点として2つあるためで、図と対応させて理解しておきましょう。
空間の問題でも、扱うベクトルの多くが1つの平面上にあるときは、その平面上に座標を入れると見通しがよくなります。
本番では検算に使うと安心です。
難易度はB、目標時間は20分としました。
前半は基本事項で解けますが、(4)(5)で垂線の足の性質を内積に直す発想が必要なためです。


問題データ