重要知識と着眼点
(1)(2)中心と直線の距離で、共有点の個数を判定する
円と直線が接する条件
円の中心と直線の距離が、円の半径に等しい。
点と直線の距離の求め方
点 と直線 の距離は、。
円と直線の共有点は、連立して判別式を調べても求められます。
ただし、この問題では(3)で の長さ、(5)で回転体の半径が問われます。
どちらも「中心 と直線 の距離」なので、最初から距離 を使っておくと、後の小問にそのまま使えます。
と半径 を比べると、 なら接し、 なら2点で交わります。
接するときの共有点(接点)は、 から に下ろした垂線の足です。
そこで、垂線の足の座標を で表しておきます。
(3)(4)中点 は、 から に下ろした垂線の足
直径の両端から円の方程式を求める方法
異なる2点 を直径の両端とする円周上に点 がある 。
2つの交点を とすると、 です。
は線分 の垂直二等分線上にあるので、 から に下ろした垂線の足は、ちょうど の中点 になります。
つまり、 は(1)(2)で調べた垂線の足そのものです。
の長さも、中心と直線の距離 になります。
さらに、 のときは で、、 は を通ります。
したがって となり、 は を直径とする円の上にあると予想できます。
のときは で、この点もその円の上にあります。
答案では、 の座標を代入して確かめます。
(5)回転体は、2つの円錐を底面で貼り合わせた形
関数の最大・最小の求め方
定義域を確認し、微分して増減を調べる。極値や区間の端の値を調べ、最大・最小を判断する。
2次関数は平方完成してグラフを描いても求められる。
三角形 の辺 は回転軸 上にあります。
頂点 は軸から距離 の位置にあり、 から軸に下ろした垂線の足 は と の間にあります。
そのため、回転してできる立体は、底面の半径が の円錐2つを、底面どうしで貼り合わせた形です。
2つの円錐の高さの和は なので、体積は とまとめられます。
なお、 のときは三角形が線分に退化し、体積は です。
も三平方の定理から で表せるので、 は だけの式になります。
のまま微分すると計算が重くなるので、 を1つの文字に置き換えて最大値を調べましょう。
最後に、その になる を求めます。
解答
準備: から に下ろした垂線の足
直線 の方程式は 、すなわち である。
から に下ろした垂線の足を とする。
は 上にあるので とおける。
の方向ベクトル と が垂直だから、
このとき なので、
また、 と の距離を とすると、
(1)
円 と直線 がただ1つの共有点をもつのは、 のときである。
接点では半径と接線が垂直なので、接点は である。
よって、その 座標は
(2)
異なる2点で交わる条件は である。
よって、イは 、ウは である。
(3)
2つの交点を とする。
より、 は線分 の垂直二等分線上にある。
この垂直二等分線は に垂直で、 と で交わるから、 から に下ろした垂線の足は である。
すなわち であり、
補足絶対値を忘れない
は負の値もとるので、 です。
と書くと、 のとき長さが負になってしまいます。
(4)
とすると、準備の結果から
これより、
よって、 の軌跡の方程式は
であり、これは を直径とする円である。
また、 で、 は の範囲を動くから、 の範囲は となり、問題文の範囲と一致する。
逆に、、 を満たす点に対し、 とおく。
より であり、この を上の の座標に代入すると、もとの に一致する。
したがって、この範囲の円弧上のすべての点が軌跡に含まれる。
(5)
のとき、 は線分 上にあり、三角形は線分に退化して となる。
まず として考える。
、 は 上にあり、 から に下ろした垂線の足 は線分 の中点である。
よって、三角形 を のまわりに1回転してできる立体は、底面の半径が 、高さが 、 の2つの円錐を合わせたものである。
三角形 は直角三角形で だから、、 である。
この体積の式は、、すなわち のときも となり成り立つ。
とおく。
(4)より だから、 が を動くとき、 は の範囲を動く。
が最大となるのは、 が最大となるときである。
よって、 は のとき最大となる。
このとき、
だから、これは範囲内にある。
したがって、 が最大となる の値は
なお、最大値は である。
補足相加平均と相乗平均の関係で確かめる
のとき、 と見ると、3つの正の数 の和は で一定です。
相加平均と相乗平均の関係から、
等号は 、つまり のときに成り立ち、微分で求めた結果と一致します。
講評
円と直線の位置関係から、弦の中点の軌跡、回転体の体積の最大までを順に問う、図形と方程式の標準的な問題です。
すべての小問が「中心 と直線 の距離」と「 から に下ろした垂線の足」でつながっています。
この2つを最初に で表しておけるかどうかで、後半の解きやすさが大きく変わります。
(1)〜(4)は確実に取りたい小問です。
(1)は接点の 座標まで求める必要はなく、問われている 座標だけを答えます。
(3)では、 のときを考えて絶対値を付けることを忘れないようにしましょう。
(4)は、垂直に着目して「 を直径とする円」と見抜ければ、計算はほぼ確認だけで済みます。
の範囲が問題文に書かれているので、自分の計算と一致するかを見直しに使えます。
差がつくのは(5)です。
回転してできる立体を正しく思い描けるかが鍵になります。
が と の間にあるので、円錐2つの体積の和が にまとまります。
また、 のまま微分しようとすると式が複雑になります。
体積を の式にしてから文字を置き換える、という「変数の選び方」を身に付けておきましょう。
答えは の2つで、片方だけを書かないよう注意が必要です。
難易度はB、目標時間は20分としました。
どの小問も典型的な方針で解けますが、(5)で立体の形をつかみ、置き換えて最大値を調べる処理に時間がかかるためです。


問題データ