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【解答・解説】2025年 麻布大学 獣医学科 第Ⅰ期B日程 数学 第3問

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3

A氏が犬を連れて家に帰る途中,家から LL メートルの地点に来たときに犬が家に向かって走り出し,家に着くとすぐに引き返して再びA氏のもとへ戻ってきた。 そして,A氏のもとに戻るとまたすぐに家に向かって走り出し,家に着くとすぐに引き返しA氏のところへ戻った。 犬は,この一連の往復運動をA氏が家に着くまで繰り返した。 犬が走る速さはA氏が歩く速さの 4.54.5 倍であるとし,A氏と犬はそれぞれ常に一定の速さで移動すると仮定する。 次の問いに答えよ。

(1)kk 回目(k1k\geqq1)にA氏のもとから家に向かって走り出したとき,その地点から家までの距離を aka_k(メートル)とする。 犬の移動距離はA氏の歩いた距離の \dfrac{\boxed{\text{ヤ}}}{\boxed{\text{ユ}}} 倍であることに注意すると,

a2=ラリL,ak+1=レロak(k1)a_2=\frac{\boxed{\text{ヨ}}}{\boxed{\text{ラリ}}}L,\qquad a_{k+1}=\frac{\boxed{\text{ル}}}{\boxed{\text{レロ}}}a_k \quad(k\geqq1)

である。

(2)kk 回目にA氏のもとから家に向かって走り出し,再びA氏のもとに戻ってくるまでに犬が移動する距離は,ワンあいL(えお)k1\dfrac{\boxed{\text{ワン}}}{\boxed{\text{あい}}}L\cdot\left(\dfrac{\boxed{\text{う}}}{\boxed{\text{えお}}}\right)^{k-1} である。

(3)11 回目に家に向かって走り出してから k+1k+1 回目に家に向かって走り出すまでに犬が移動する距離は,L{1(けこ)k}\dfrac{\boxed{\text{か}}}{\boxed{\text{き}}}L\cdot\left\{1-\left(\dfrac{\boxed{\text{く}}}{\boxed{\text{けこ}}}\right)^k\right\} である。

重要知識と着眼点

(1)同じ時間に進んだ距離を比べる

犬が kk 回目に家へ向かって走り出してから、引き返して再びA氏と会うまでの1往復を考えます。 出発時の家までの距離が aka_k、再会時の家までの距離が ak+1a_{k+1} です。

その間にA氏は akak+1a_k-a_{k+1} だけ家へ近づきます。 犬は、家まで aka_k 走り、家から再会地点まで ak+1a_{k+1} 戻るので、合計 ak+ak+1a_k+a_{k+1} 走ります。 帰りの距離は aka_k ではありません。 犬が走っている間にも、A氏が家に向かって歩いているためです。

家、再会地点、出発地点を左から順に並べた図。犬は出発地点から家へ進んで再会地点へ戻り、A氏は出発地点から再会地点へ進む。

同じ1往復の間に、犬は二つの距離の和、A氏は二つの距離の差だけ進みます。

同じ時間に進む距離の比は、速さの比と等しくなります。 犬の距離がA氏の距離の 92\dfrac92 倍であることから、aka_kak+1a_{k+1} の関係を作ります。

(2)1往復の距離を一般項で表す

等比数列の一般項と和

初項 aa、公比 r0r\ne0 の等比数列について、

an=arn1a_n=ar^{n-1}

  1. r1r\ne1Sn=a+ar++arn1=a(1rn)1rS_n=a+ar+\cdots+ar^{n-1}=\dfrac{a(1-r^n)}{1-r}

  2. r=1r=1Sn=naS_n=na

(1)で ak+1a_{k+1}aka_k の一定の倍数になれば、{ak}\{a_k\} は等比数列です。 最初に犬が走り出す地点から家までの距離は LL なので、初項は a1=La_1=L です。 一般項を求め、犬の1往復の距離 ak+ak+1a_k+a_{k+1} に代入します。

(3)何往復分の和かを確かめる

1回目に走り出してから2回目に走り出すまでは1往復です。 したがって、k+1k+1 回目に走り出すまでには、ちょうど kk 往復しています。 (2)の距離を1往復目から kk 往復目まで足し、等比数列の和の公式を使います。

別の方法として、同じ時間にA氏が進んだ距離 Lak+1L-a_{k+1}92\dfrac92 倍を計算しても求められます。 この方法は、和の計算を見直すときにも使えます。

解答

(1)

同じ時間に進む距離の比は速さの比に等しいから、犬の移動距離はA氏の歩いた距離の 4.5=924.5=\dfrac92 倍である。

kk 回目の出発から次の出発までに、犬は ak+ak+1a_k+a_{k+1}、A氏は akak+1a_k-a_{k+1} 進むので、

ak+ak+1=92(akak+1).a_k+a_{k+1}=\frac92(a_k-a_{k+1}).

整理すると 11ak+1=7ak11a_{k+1}=7a_k より、

ak+1=711ak.\boxed{a_{k+1}=\frac7{11}a_k}.

a1=La_1=L なので、a2=711L\boxed{a_2=\dfrac7{11}L}。 よって、ヤは 99、ユは 22、ヨ・ルは 77、ラリ・レロは 1111 である。

(2)

{ak}\{a_k\} は初項 LL、公比 711\dfrac7{11} の等比数列なので、

ak=L(711)k1.a_k=L\left(\frac7{11}\right)^{k-1}.

kk 回目の往復で犬が移動する距離を dkd_k とすると、

dk=ak+ak+1=(1+711)ak=1811L(711)k1.\begin{aligned} d_k&=a_k+a_{k+1}\\ &=\left(1+\frac7{11}\right)a_k\\ &=\boxed{\frac{18}{11}L\left(\frac7{11}\right)^{k-1}}. \end{aligned}

よって、ワンは 1818、あい・えおは 1111、うは 77 である。

(3)

求める距離は kk 往復分の和なので、

j=1kdj=1811L1(711)k1711=92L{1(711)k}.\begin{aligned} \sum_{j=1}^k d_j &=\frac{18}{11}L\cdot \frac{1-\left(\frac7{11}\right)^k}{1-\frac7{11}}\\ &=\boxed{\frac92L\left\{1-\left(\frac7{11}\right)^k\right\}}. \end{aligned}

よって、かは 99、きは 22、くは 77、けこは 1111 である。

補足A氏の移動距離を使って検算する

k+1k+1 回目の出発時に、家まで残っている距離は ak+1=L(711)ka_{k+1}=L\left(\dfrac7{11}\right)^k です。 A氏がそれまでに歩いた距離は Lak+1L-a_{k+1} なので、犬の移動距離は

92(Lak+1)=92L{1(711)k}\frac92(L-a_{k+1}) =\frac92L\left\{1-\left(\frac7{11}\right)^k\right\}

となり、和の計算と一致します。 また、k=1k=1 を代入すれば1往復目の距離 1811L\dfrac{18}{11}L に戻ります。 指数を k1k-1k+1k+1 と取り違えていないかの確認になります。

問題データ

主分野
数列
関連分野
なし
難易度の目安
B(標準)
目標時間
15

講評

往復運動を等比数列で表す問題です。 難易度はB、目標時間は15分とします。 最も大切なのは(1)の立式であり、ここを越えれば(2)(3)は等比数列の一般項と和の基本問題です。

犬が戻る相手も動いているため、1往復の距離を 2ak2a_k としてはいけません。 出発時と再会時を図に分けて書き、犬は距離の和、A氏は距離の差だけ進むことを読み取りましょう。 速さを文字で置き、往路と復路の所要時間を別々に求めても解けますが、同じ時間に進む距離を比べれば短い式で済みます。

(3)は「k+1k+1 回目に走り出すまで」が kk 往復分に当たる点に注意してください。 式を作ったあとに k=1k=1 で確かめる習慣を付けると、添字の間違いを防げます。

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