重要知識と着眼点
(1)同じ時間に進んだ距離を比べる
犬が 回目に家へ向かって走り出してから、引き返して再びA氏と会うまでの1往復を考えます。 出発時の家までの距離が 、再会時の家までの距離が です。
その間にA氏は だけ家へ近づきます。 犬は、家まで 走り、家から再会地点まで 戻るので、合計 走ります。 帰りの距離は ではありません。 犬が走っている間にも、A氏が家に向かって歩いているためです。
同じ1往復の間に、犬は二つの距離の和、A氏は二つの距離の差だけ進みます。
同じ時間に進む距離の比は、速さの比と等しくなります。 犬の距離がA氏の距離の 倍であることから、 と の関係を作ります。
(2)1往復の距離を一般項で表す
等比数列の一般項と和
初項 、公比 の等比数列について、
。
:。
:。
(1)で が の一定の倍数になれば、 は等比数列です。 最初に犬が走り出す地点から家までの距離は なので、初項は です。 一般項を求め、犬の1往復の距離 に代入します。
(3)何往復分の和かを確かめる
1回目に走り出してから2回目に走り出すまでは1往復です。 したがって、 回目に走り出すまでには、ちょうど 往復しています。 (2)の距離を1往復目から 往復目まで足し、等比数列の和の公式を使います。
別の方法として、同じ時間にA氏が進んだ距離 の 倍を計算しても求められます。 この方法は、和の計算を見直すときにも使えます。
解答
(1)
同じ時間に進む距離の比は速さの比に等しいから、犬の移動距離はA氏の歩いた距離の 倍である。
回目の出発から次の出発までに、犬は 、A氏は 進むので、
整理すると より、
なので、。 よって、ヤは 、ユは 、ヨ・ルは 、ラリ・レロは である。
(2)
は初項 、公比 の等比数列なので、
回目の往復で犬が移動する距離を とすると、
よって、ワンは 、あい・えおは 、うは である。
(3)
求める距離は 往復分の和なので、
よって、かは 、きは 、くは 、けこは である。
補足A氏の移動距離を使って検算する
回目の出発時に、家まで残っている距離は です。 A氏がそれまでに歩いた距離は なので、犬の移動距離は
となり、和の計算と一致します。 また、 を代入すれば1往復目の距離 に戻ります。 指数を や と取り違えていないかの確認になります。
講評
往復運動を等比数列で表す問題です。 難易度はB、目標時間は15分とします。 最も大切なのは(1)の立式であり、ここを越えれば(2)(3)は等比数列の一般項と和の基本問題です。
犬が戻る相手も動いているため、1往復の距離を としてはいけません。 出発時と再会時を図に分けて書き、犬は距離の和、A氏は距離の差だけ進むことを読み取りましょう。 速さを文字で置き、往路と復路の所要時間を別々に求めても解けますが、同じ時間に進む距離を比べれば短い式で済みます。
(3)は「 回目に走り出すまで」が 往復分に当たる点に注意してください。 式を作ったあとに で確かめる習慣を付けると、添字の間違いを防げます。


問題データ