重要知識と着眼点
(1)両辺を で割り、同じ形のかたまりを作る
置き換えを使う漸化式の解き方
別の数列に置き換え、等差数列や等比数列に帰着できないか考える。
例えば (、各項と分母は でない)なら、 とおく。
となる。
差の形に分解できる数列の和の求め方
と表せれば、途中の項が消える。
。
例:。
漸化式の には 、 には がかかっています。
番号と係数が「ずれて」いるので、このままでは扱いにくい形です。
両辺を で割ると、 と という、番号と係数がそろった同じ形のかたまりが現れます。
このかたまりを とおけば、 が だけの式で表せます。
残る項は です。
これは と差の形に分けられるので、和をとると途中の項が消えます。
(2) を の2次式とみて、軸の近くの整数を調べる
2次関数の軸・頂点の求め方(平方完成)
を平方完成して の形にする。
軸は 、頂点は 。
整数解を求める問題の定石
- 因数分解して、約数の組を調べる。
- 不等式で範囲を絞る。
- 整数で割った余りを考える。
(1)の結果は で、 の2次式です。
最大の項があるかどうかは、 の係数 の符号で決まります。
なら はどこまでも大きくなるので、最大の項はありません。
なら、上に凸な放物線の上に項が並びます。
平方完成すると、すべての項は頂点の 座標以下です。
最大の項が なら頂点の 座標は 以上なので、この不等式で の候補が少数に絞れます。
残った候補ごとに、軸に近い整数 での値を調べます。
解答
(1)
より だから、漸化式の両辺を で割って、
とおくと、 であり、
よって、 のとき、
この式は のときも となり成り立つ。
したがって、
補足漸化式に戻して確かめる
は漸化式で として です。
一般項に を代入しても で、一致します。
一般の でも、両辺に一般項を代入すると、どちらも になります。
(2)
(1)より、 である。
のとき
だから、 は増加し続け、最大の項はない。
よって である。
のとき
とおくと、 は整数なので は正の整数である。
だから、すべての で である。
最大の項が なら 、つまり で、 より に限られる。
- のとき、 だから、最大の項は ではない。
- のとき、 だから、最大の項は ではない。
- のとき、 である。
の場合、 は で正、 で負だから、
よって最大の項は で、条件を満たす。
以上より、、すなわち
補足項を並べて確かめる
のとき、漸化式から直接計算すると、
となり、一般項 の値と一致します。
以降は減っていきます。
講評
置き換えで階差の形に直せる漸化式と、2次式で表された数列の最大値を組み合わせた問題です。
方針は典型的なので、確実に完答したい1題です。
(1)の鍵は、両辺を で割ることです。
係数 と が番号と「ずれて」かかっている漸化式では、割り算で番号と係数をそろえる発想が有効です。
を差の形に分けて和をとる処理も、数列の基本としてすらすらできるようにしておきましょう。
求めた一般項は、 を代入して漸化式と比べると、すぐに確かめられます。
(2)では、次の2点で差がつきます。
- のとき最大の項がないことを、答案に書いておくこと。
- 頂点の 座標 が 以上であることから、候補を に絞ること。
の範囲を絞らずに、思いついた値だけを試して を答えると、他に解がないことが示せません。
「整数の条件は、不等式で範囲を絞ってから調べる」という流れを身につけておきましょう。
また、 のとき軸は で、軸をはさむ整数は と です。
答案では、階差 の符号を調べるか、 と を比べて、どちらが最大の項かをはっきり示しましょう。


問題データ