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【解答・解説】2026年 早稲田大学 商学部(数学型) 数学 第2問

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2

整数 cc を初項とする数列 {an}\{a_n\} が以下を満たすとする。

n2an+1=(n+1)2an−26n(n+1)(n=1,2,3,⋯⋯ )\begin{gathered} n^2a_{n+1}=(n+1)^2a_n-26n(n+1)\\ (n=1,2,3,\cdots\cdots) \end{gathered}

次の設問に答えよ。

(1)数列 {an}\{a_n\} の一般項を求めよ。

(2)数列 {an}\{a_n\} の最大の項が 5656 であるとき,cc の値を求めよ。

重要知識と着眼点

(1)両辺を n2(n+1)2n^2(n+1)^2 で割り、同じ形のかたまりを作る

置き換えを使う漸化式の解き方

別の数列に置き換え、等差数列や等比数列に帰着できないか考える。
例えば an+1=AanBan+Ca_{n+1}=\dfrac{Aa_n}{Ba_n+C}(A≠0A\ne0、各項と分母は 00 でない)なら、bn=1anb_n=\dfrac1{a_n} とおく。
bn+1=CAbn+BAb_{n+1}=\dfrac CA b_n+\dfrac BA となる。

差の形に分解できる数列の和の求め方

ak=bk−bk+1a_k=b_k-b_{k+1} と表せれば、途中の項が消える。
a1+⋯+ana_1+\cdots+a_n
=(b1−b2)+⋯+(bn−bn+1)=(b_1-b_2)+\cdots+(b_n-b_{n+1})
=b1−bn+1=b_1-b_{n+1}。
例:1k(k+1)=1k−1k+1\dfrac1{k(k+1)}=\dfrac1k-\dfrac1{k+1}。

漸化式の an+1a_{n+1} には n2n^2、ana_n には (n+1)2(n+1)^2 がかかっています。
番号と係数が「ずれて」いるので、このままでは扱いにくい形です。
両辺を n2(n+1)2n^2(n+1)^2 で割ると、an+1(n+1)2\dfrac{a_{n+1}}{(n+1)^2} と ann2\dfrac{a_n}{n^2} という、番号と係数がそろった同じ形のかたまりが現れます。
このかたまりを bn=ann2b_n=\dfrac{a_n}{n^2} とおけば、bn+1−bnb_{n+1}-b_n が nn だけの式で表せます。

残る項は 26n(n+1)\dfrac{26}{n(n+1)} です。
これは 26(1n−1n+1)26\left(\dfrac1n-\dfrac1{n+1}\right) と差の形に分けられるので、和をとると途中の項が消えます。

(2)ana_n を nn の2次式とみて、軸の近くの整数を調べる

2次関数の軸・頂点の求め方(平方完成)

y=ax2+bx+cy=ax^2+bx+c を平方完成して y=a(x−p)2+qy=a(x-p)^2+q の形にする。
軸は x=px=p、頂点は (p,q)(p,q)。

整数解を求める問題の定石

  1. 因数分解して、約数の組を調べる。
  2. 不等式で範囲を絞る。
  3. 整数で割った余りを考える。

(1)の結果は an=(c−26)n2+26na_n=(c-26)n^2+26n で、nn の2次式です。
最大の項があるかどうかは、n2n^2 の係数 c−26c-26 の符号で決まります。
c−26≧0c-26\geqq0 なら ana_n はどこまでも大きくなるので、最大の項はありません。

c−26<0c-26<0 なら、上に凸な放物線の上に項が並びます。
平方完成すると、すべての項は頂点の yy 座標以下です。
最大の項が 5656 なら頂点の yy 座標は 5656 以上なので、この不等式で cc の候補が少数に絞れます。
残った候補ごとに、軸に近い整数 nn での値を調べます。

解答

(1)

n≧1n\geqq1 より n2(n+1)2≠0n^2(n+1)^2\ne0 だから、漸化式の両辺を n2(n+1)2n^2(n+1)^2 で割って、

an+1(n+1)2=ann2−26n(n+1).\frac{a_{n+1}}{(n+1)^2}=\frac{a_n}{n^2}-\frac{26}{n(n+1)}.

bn=ann2b_n=\dfrac{a_n}{n^2} とおくと、b1=a1=cb_1=a_1=c であり、

bn+1−bn=−26n(n+1)=−26(1n−1n+1).b_{n+1}-b_n=-\frac{26}{n(n+1)}=-26\left(\frac1n-\frac1{n+1}\right).

よって、n≧2n\geqq2 のとき、

bn=b1+∑k=1n−1(bk+1−bk)=c−26∑k=1n−1(1k−1k+1)=c−26(1−1n).\begin{aligned} b_n&=b_1+\sum_{k=1}^{n-1}(b_{k+1}-b_k)\\ &=c-26\sum_{k=1}^{n-1}\left(\frac1k-\frac1{k+1}\right)\\ &=c-26\left(1-\frac1n\right). \end{aligned}

この式は n=1n=1 のときも b1=cb_1=c となり成り立つ。
したがって、

an=n2bn=(c−26)n2+26n.a_n=n^2b_n=(c-26)n^2+26n.
補足漸化式に戻して確かめる

a2a_2 は漸化式で n=1n=1 として a2=4c−52a_2=4c-52 です。
一般項に n=2n=2 を代入しても 4(c−26)+52=4c−524(c-26)+52=4c-52 で、一致します。
一般の nn でも、両辺に一般項を代入すると、どちらも (c−26)n2(n+1)2+26n2(n+1)(c-26)n^2(n+1)^2+26n^2(n+1) になります。

(2)

(1)より、an=(c−26)n2+26na_n=(c-26)n^2+26n である。

c≧26c\geqq26 のとき

an+1−an=(c−26)(2n+1)+26>0a_{n+1}-a_n=(c-26)(2n+1)+26>0

だから、{an}\{a_n\} は増加し続け、最大の項はない。
よって c≦25c\leqq25 である。

c≦25c\leqq25 のとき

m=26−cm=26-c とおくと、cc は整数なので mm は正の整数である。

an=−mn2+26n=−m(n−13m)2+169ma_n=-mn^2+26n=-m\left(n-\frac{13}{m}\right)^2+\frac{169}{m}

だから、すべての nn で an≦169ma_n\leqq\dfrac{169}{m} である。
最大の項が 5656 なら 56≦169m56\leqq\dfrac{169}{m}、つまり m≦16956m\leqq\dfrac{169}{56} で、16956=3.01⋯\dfrac{169}{56}=3.01\cdots より m=1,2,3m=1,2,3 に限られる。

  • m=1m=1 のとき、a13=−169+338=169>56a_{13}=-169+338=169>56 だから、最大の項は 5656 ではない。
  • m=2m=2 のとき、a6=−72+156=84>56a_6=-72+156=84>56 だから、最大の項は 5656 ではない。
  • m=3m=3 のとき、an+1−an=−3(2n+1)+26=23−6na_{n+1}-a_n=-3(2n+1)+26=23-6n である。

m=3m=3 の場合、an+1−ana_{n+1}-a_n は n≦3n\leqq3 で正、n≧4n\geqq4 で負だから、

a1<a2<a3<a4,a4>a5>a6>⋯ .a_1<a_2<a_3<a_4,\qquad a_4>a_5>a_6>\cdots.

よって最大の項は a4=−48+104=56a_4=-48+104=56 で、条件を満たす。

c=23のときの項a1からa8を点で示した図。値は23、40、51、56、55、48、35、16で、放物線y=−3x²+26xの上に並ぶ。軸はn=13/3で、最大の項はa4=56
c=23c=23 のときの項 an=−3n2+26na_n=-3n^2+26n

以上より、m=3m=3、すなわち

c=23.c=23.
補足項を並べて確かめる

c=23c=23 のとき、漸化式から直接計算すると、

a1=23,a2=4⋅23−52=40,a3=9⋅40−1564=51,a4=16⋅51−3129=56\begin{aligned} a_1&=23,\\ a_2&=4\cdot23-52=40,\\ a_3&=\frac{9\cdot40-156}{4}=51,\\ a_4&=\frac{16\cdot51-312}{9}=56 \end{aligned}

となり、一般項 an=−3n2+26na_n=-3n^2+26n の値と一致します。
a5=55a_5=55 以降は減っていきます。

問題データ

主分野
数列
関連分野
なし
難易度の目安
A(易)
目標時間
20分

講評

置き換えで階差の形に直せる漸化式と、2次式で表された数列の最大値を組み合わせた問題です。
方針は典型的なので、確実に完答したい1題です。

(1)の鍵は、両辺を n2(n+1)2n^2(n+1)^2 で割ることです。
係数 n2n^2 と (n+1)2(n+1)^2 が番号と「ずれて」かかっている漸化式では、割り算で番号と係数をそろえる発想が有効です。
26n(n+1)\dfrac{26}{n(n+1)} を差の形に分けて和をとる処理も、数列の基本としてすらすらできるようにしておきましょう。
求めた一般項は、n=1,2n=1,2 を代入して漸化式と比べると、すぐに確かめられます。

(2)では、次の2点で差がつきます。

  • c≧26c\geqq26 のとき最大の項がないことを、答案に書いておくこと。
  • 頂点の yy 座標 169m\dfrac{169}{m} が 5656 以上であることから、候補を m=1,2,3m=1,2,3 に絞ること。

mm の範囲を絞らずに、思いついた値だけを試して c=23c=23 を答えると、他に解がないことが示せません。
「整数の条件は、不等式で範囲を絞ってから調べる」という流れを身につけておきましょう。

また、m=3m=3 のとき軸は n=133n=\dfrac{13}{3} で、軸をはさむ整数は 44 と 55 です。
答案では、階差 an+1−ana_{n+1}-a_n の符号を調べるか、a4a_4 と a5a_5 を比べて、どちらが最大の項かをはっきり示しましょう。

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