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【解答・解説】2026年 早稲田大学 商学部(数学型) 数学 第3問

公開

3

空間において,点 O\mathrm{O} を中心とする半径 11 の円を SS,円 SS を底面にもち点 P\mathrm{P} を頂点とする直円錐を VV とする。円 SS の周上に 44 点 A\mathrm{A},B\mathrm{B},C\mathrm{C},D\mathrm{D} を AB=CD=2\mathrm{AB}=\mathrm{CD}=2,AB⊥CD\mathrm{AB}\perp\mathrm{CD} となるようにとる。直線 CD\mathrm{CD} を含み,PA\mathrm{PA} と平行な平面を α\alpha とする。PA=6\mathrm{PA}=6 のとき,次の設問に答えよ。

(1)円 SS と平行な平面で,VV との共通部分が半径 rr の円となるものを βr\beta_r とする。α\alpha と βr\beta_r の交線と VV の共通部分が長さ ll の線分となるとき,ll を rr を用いて表せ。また,この線分を含む直線と点 O\mathrm{O} の距離 dd を rr を用いて表せ。

(2)線分 AB\mathrm{AB} を t:(1−t)t:(1-t) に内分する点を通り,α\alpha と平行な平面を αt\alpha_t とする。tt を 0<t<10<t<1 の範囲で変化させたとき,αt\alpha_t と VV の共通部分の面積の最大値を求めよ。

重要知識と着眼点

全体 座標を入れ、平面 α\alpha の上に長さを測れる座標を作る

空間内の4点が同一平面上にある条件

  1. A,B,C\mathrm{A},\mathrm{B},\mathrm{C} が同一直線上にあるとき、4点 A,B,C,D\mathrm{A},\mathrm{B},\mathrm{C},\mathrm{D} は同一平面上にある。
  2. A,B,C\mathrm{A},\mathrm{B},\mathrm{C} が同一直線上にないとき、同一平面上にある   ⟺  \iff AD→=sAB→+tAC→\overrightarrow{\mathrm{AD}}=s\overrightarrow{\mathrm{AB}}+t\overrightarrow{\mathrm{AC}} を満たす実数 s,ts,t が存在する。

AB=CD=2\mathrm{AB}=\mathrm{CD}=2 は、円 SS の直径の長さです。
したがって AB\mathrm{AB}、CD\mathrm{CD} はどちらも O\mathrm{O} を通る直径で、互いに垂直です。
この2本を xx 軸、yy 軸にとり、頂点 P\mathrm{P} を zz 軸上に置くと、すべての点の座標が決まります。
直円錐なので P\mathrm{P} は O\mathrm{O} の真上にあり、高さは PO=PA2−OA2=35\mathrm{PO}=\sqrt{\mathrm{PA}^2-\mathrm{OA}^2}=\sqrt{35} です。

平面 α\alpha は、O\mathrm{O} を通り、直線 CD\mathrm{CD} の向きと PA\mathrm{PA} の向きをもつ平面です。
上の知識の2のように、α\alpha 上の点は「O\mathrm{O} + 2つの向きのベクトルの実数倍の和」で表せます。
2つの向きの単位ベクトルは互いに垂直なので、それぞれの実数倍の係数 (y,u)(y,u) は α\alpha 上の直交座標になります。
長さや面積をこの座標でそのまま測れるので、空間の問題を平面の問題に直せます。

円錐 VV は、高さ zz で切ると半径 1−z351-\dfrac{z}{\sqrt{35}} の円になる立体です。
この条件を、α\alpha 上の座標 (y,u)(y,u) で書き直すのが方針です。

底面の円Sに直径ABとCDが垂直に引かれ、頂点Pをもつ直円錐。母線PAの長さは6。CDを含みPAに平行な平面αで切った切り口を塗っている。切り口は放物線と線分CDで囲まれ、放物線の頂点は母線PBの中点M。高さ方向は縮めて描いた模式図
円錐 VV と平面 α\alpha の切り口(模式図)

(1)βr\beta_r の上で「円と直線」の問題に直す

βr\beta_r は円 SS と平行なので、その上では、VV との共通部分は半径 rr の円です。
α\alpha との交線はこの円の上を通る直線なので、共通部分の長さは「円の中心と直線の距離」から三平方の定理で求められます。

距離 dd は、交線が直線 CD\mathrm{CD} と平行であることに注目します。
交線も O\mathrm{O} も平面 α\alpha 上にあるので、α\alpha 上の座標を使えば、平行な2直線の間の距離として読み取れます。

(2)共通部分は放物線と線分で囲まれた図形になる

放物線と直線で囲まれた面積(1/6公式)

放物線の式の x2x^2 の係数を aa、2つの交点の xx 座標を α<β\alpha<\beta とすると、
S=∣a∣6(β−α)3S=\dfrac{|a|}{6}(\beta-\alpha)^3。

関数の最大・最小の求め方

定義域を確認し、微分して増減を調べる。極値や区間の端の値を調べ、最大・最小を判断する。
2次関数は平方完成してグラフを描いても求められる。

(1)で求めた ll と dd の関係を見ると、ll は dd の1次式の平方根です。
つまり、α\alpha と VV の共通部分の境界のうち、側面上の曲線は、α\alpha 上の座標で見ると放物線です。
円錐を母線と平行な平面で切ると、切り口に放物線が現れます。

αt\alpha_t は、α\alpha を直線 AB\mathrm{AB} の方向に平行移動した平面です。
同じ座標を αt\alpha_t 上にも作ると、共通部分は「放物線」と「底面上の線分」で囲まれた図形になります。
面積は1/6公式で求められ、tt の関数になります。

面積の式には根号が残るので、2乗した式の増減を調べると計算が楽になります。
面積は正なので、2乗が最大になる tt で面積も最大になります。

解答

準備

AB=CD=2\mathrm{AB}=\mathrm{CD}=2 は円 SS の直径に等しいから、線分 AB\mathrm{AB}、CD\mathrm{CD} はどちらも O\mathrm{O} を通る直径で、AB⊥CD\mathrm{AB}\perp\mathrm{CD} である。
VV は直円錐だから、PO\mathrm{PO} は円 SS を含む平面に垂直で、PO=62−12=35\mathrm{PO}=\sqrt{6^2-1^2}=\sqrt{35} である。
そこで、座標空間に

O(0,0,0),A(1,0,0),B(−1,0,0),C(0,1,0),D(0,−1,0),P(0,0,35)\begin{aligned} &\mathrm{O}(0,0,0),\quad\mathrm{A}(1,0,0),\quad\mathrm{B}(-1,0,0),\\ &\mathrm{C}(0,1,0),\quad\mathrm{D}(0,-1,0),\quad\mathrm{P}(0,0,\sqrt{35}) \end{aligned}

をとる。
高さ zz(0≦z≦350\leqq z\leqq\sqrt{35})で VV を切った切り口は、半径 1−z351-\dfrac{z}{\sqrt{35}} の円(周と内部)だから、

V: 0≦z≦35,x2+y2≦(1−z35)2.V:\ 0\leqq z\leqq\sqrt{35},\quad x^2+y^2\leqq\left(1-\frac{z}{\sqrt{35}}\right)^2.

2つの単位ベクトルを

e⃗=16AP→=(−16, 0, 356),f⃗=(0,1,0)\vec e=\frac16\overrightarrow{\mathrm{AP}}=\left(-\frac16,\ 0,\ \frac{\sqrt{35}}6\right),\qquad \vec f=(0,1,0)

とする。
e⃗⋅f⃗=0\vec e\cdot\vec f=0、∣e⃗∣=∣f⃗∣=1|\vec e|=|\vec f|=1 である。
α\alpha は O\mathrm{O} を通り、e⃗\vec e と f⃗\vec f に平行な平面だから、α\alpha 上の点は実数 u,yu,y を用いて

ue⃗+yf⃗=(−u6, y, 356u)u\vec e+y\vec f=\left(-\frac u6,\ y,\ \frac{\sqrt{35}}6u\right)

と表せる。
e⃗,f⃗\vec e,\vec f は垂直な単位ベクトルなので、(y,u)(y,u) は α\alpha 上の直交座標であり、この座標で測った長さ・面積は実際の長さ・面積に等しい。

(1)

βr\beta_r は高さ z=35(1−r)z=\sqrt{35}(1-r) の平面である。ここではまず、底面より上の断面 0<r<10<r<1 を考える。
α\alpha 上の点の高さは 356u\dfrac{\sqrt{35}}6u だから、α\alpha と βr\beta_r の交線は、α\alpha 上で

u=6(1−r)u=6(1-r)

を満たす点全体で、点 (r−1, 0, 35(1−r))\left(r-1,\ 0,\ \sqrt{35}(1-r)\right) を通り f⃗\vec f に平行な直線である。

この直線上の点 (r−1, y, 35(1−r))\left(r-1,\ y,\ \sqrt{35}(1-r)\right) が VV に含まれる条件は、

(r−1)2+y2≦r2  ⟺  y2≦2r−1.(r-1)^2+y^2\leqq r^2\iff y^2\leqq 2r-1.

これが長さが正の線分になるのは 2r−1>02r-1>0、すなわち r>12r>\dfrac12 のときで、

l=22r−1.l=2\sqrt{2r-1}.

また、この直線は α\alpha 上で f⃗\vec f に平行な直線 u=6(1−r)u=6(1-r) であり、O\mathrm{O} は α\alpha 上の座標で (y,u)=(0,0)(y,u)=(0,0) だから、

d=6(1−r).d=6(1-r).

以上より、12<r<1\dfrac12<r<1 で

l=22r−1,d=6(1−r).l=2\sqrt{2r-1},\qquad d=6(1-r).
補足r の両端で確かめる

底面に対応する r=1r=1 にまで式を延長すると、l=2l=2、d=0d=0 となります。
これは、α\alpha と底面の交線が直径 CD\mathrm{CD}(長さ 22、O\mathrm{O} を通る)であることと一致します。
底面も βr\beta_r に含める場合は、上の公式は 12<r≦1\dfrac12<r\leqq1 で成り立ちます。

r=12r=\dfrac12 では l=0l=0 で、交線は VV と1点だけを共有します。
その点は (−12, 0, 352)\left(-\dfrac12,\ 0,\ \dfrac{\sqrt{35}}2\right)、つまり母線 PB\mathrm{PB} の中点です。

(2)

線分 AB\mathrm{AB} を t:(1−t)t:(1-t) に内分する点を T\mathrm{T} とすると、T(1−2t, 0, 0)\mathrm{T}(1-2t,\ 0,\ 0) である。
αt\alpha_t は T\mathrm{T} を通り e⃗,f⃗\vec e,\vec f に平行な平面だから、αt\alpha_t 上の点は

OT→+ue⃗+yf⃗=(1−2t−u6, y, 356u)\overrightarrow{\mathrm{OT}}+u\vec e+y\vec f=\left(1-2t-\frac u6,\ y,\ \frac{\sqrt{35}}6u\right)

と表せ、(y,u)(y,u) は αt\alpha_t 上の直交座標である。

この点が VV に含まれる条件を求める。
高さの条件 0≦356u≦350\leqq\dfrac{\sqrt{35}}6u\leqq\sqrt{35} は 0≦u≦60\leqq u\leqq6 である。
w=1−u6w=1-\dfrac u6 とおくと、切り口の条件は

(w−2t)2+y2≦w2  ⟺  y2≦4t(w−t)  ⟺  u≦6(1−t)−32ty2.\begin{aligned} (w-2t)^2+y^2\leqq w^2&\iff y^2\leqq4t(w-t)\\ &\iff u\leqq6(1-t)-\frac{3}{2t}y^2. \end{aligned}

6(1−t)<66(1-t)<6 だから、u≦6u\leqq6 はこの条件から自動的に成り立つ。
よって、αt\alpha_t と VV の共通部分は、(y,u)(y,u) 座標で

0≦u≦6(1−t)−32ty20\leqq u\leqq6(1-t)-\frac{3}{2t}y^2

と表される。
これは、放物線 u=−32ty2+6(1−t)u=-\dfrac{3}{2t}y^2+6(1-t) と直線 u=0u=0 で囲まれた図形である。

平面αt上の座標(y,u)で見た切り口。原点は線分ABの内分点T。放物線の頂点はu=6(1-t)、底面上の線分はy=-2√(t(1-t))からy=2√(t(1-t))まで。t=1/4の場合を、縦方向を縮めて描いた模式図
αt\alpha_t 上で見た共通部分(t=14t=\dfrac14、縦方向を縮めた模式図)

放物線と直線 u=0u=0 の交点の yy 座標は y=±2t(1−t)y=\pm2\sqrt{t(1-t)} だから、1/6公式より、面積 S(t)S(t) は

S(t)=16⋅32t{4t(1−t)}3=14t⋅64 tt (1−t)1−t=16t (1−t)1−t.\begin{aligned} S(t)&=\frac16\cdot\frac{3}{2t}\left\{4\sqrt{t(1-t)}\right\}^3\\ &=\frac{1}{4t}\cdot64\,t\sqrt t\,(1-t)\sqrt{1-t}\\ &=16\sqrt{t}\,(1-t)\sqrt{1-t}. \end{aligned}

S(t)>0S(t)>0 だから、S(t)2=256 t(1−t)3S(t)^2=256\,t(1-t)^3 が最大になるとき S(t)S(t) も最大になる。
φ(t)=t(1−t)3\varphi(t)=t(1-t)^3 とおくと、

φ′(t)=(1−t)3−3t(1−t)2=(1−t)2(1−4t).\varphi'(t)=(1-t)^3-3t(1-t)^2=(1-t)^2(1-4t).
t(0)⋯14⋯(1)φ′(t)+0−φ(t)↗27256↘\begin{array}{c|ccccc} t & (0) & \cdots & \dfrac14 & \cdots & (1) \\ \hline \varphi'(t) & & + & 0 & - & \\ \varphi(t) & & \nearrow & \dfrac{27}{256} & \searrow & \end{array}

よって、φ(t)\varphi(t) は t=14t=\dfrac14 で最大値 14⋅(34)3=27256\dfrac14\cdot\left(\dfrac34\right)^3=\dfrac{27}{256} をとる。
このとき S(t)2=256⋅27256=27S(t)^2=256\cdot\dfrac{27}{256}=27 だから、求める最大値は

S(14)=27=33.S\left(\frac14\right)=\sqrt{27}=3\sqrt3.
補足(1)の結果と t=1/2 で照らし合わせる

t=12t=\dfrac12 のとき T=O\mathrm{T}=\mathrm{O} で、αt\alpha_t は α\alpha そのものです。
上の式では S(12)=16⋅12⋅122=4S\left(\dfrac12\right)=16\cdot\dfrac1{\sqrt2}\cdot\dfrac1{2\sqrt2}=4 です。

一方、(1)では、α\alpha 上の直線 u=d=6(1−r)u=d=6(1-r) の上に、長さ l=22r−1l=2\sqrt{2r-1} の線分があります。
線分の両端の yy 座標は y2=(l2)2=2r−1y^2=\left(\dfrac l2\right)^2=2r-1 を満たし、r=1−u6r=1-\dfrac u6 を代入すると y2=1−u3y^2=1-\dfrac u3 です。
つまり、α\alpha と VV の共通部分は、放物線 u=−3y2+3u=-3y^2+3 と直線 u=0u=0 で囲まれた図形です。
2つの交点は y=±1y=\pm1 なので、1/6公式より面積は 36{1−(−1)}3=4\dfrac36\{1-(-1)\}^3=4 となり、一致します。

問題データ

主分野
ベクトル
関連分野
微分・積分
難易度の目安
C(やや難)
目標時間
30分

講評

円錐を母線と平行な平面で切った切り口の面積を求める、空間図形の問題です。
立体を思い浮かべるだけでは式が立たないので、座標を入れて平面の問題に直せるかどうかが分かれ目です。

最初の関門は、AB=CD=2\mathrm{AB}=\mathrm{CD}=2 から「2本とも直径」と読み取ることです。
ここに気づけば、A,B,C,D,P\mathrm{A},\mathrm{B},\mathrm{C},\mathrm{D},\mathrm{P} の座標がすべて決まり、高さ 35\sqrt{35} も三平方の定理ですぐに出ます。

(1)は、βr\beta_r の上で「半径 rr の円」と「中心から 1−r1-r 離れた直線」の問題に直せば、三平方の定理だけで ll が求まります。
dd は、交線が CD\mathrm{CD} と平行であることを使うと、α\alpha の上で平行な2直線の距離として読み取れます。
この小問を落とすと(2)にも響くので、r=1r=1 のとき l=2l=2、d=0d=0 になることを確かめておきましょう。

差がつくのは(2)です。
(1)は、α\alpha と VV の共通部分を、CD\mathrm{CD} に平行な線分の集まりとして見るための誘導になっています。
l2l^2 が dd の1次式になることから、切り口の曲線部分が放物線だと見抜ければ、1/6公式で面積が一気に求まります。
その際、平面上に「長さがそのまま測れる直交座標」をとることが大切です。
単位ベクトル e⃗,f⃗\vec e,\vec f が垂直であることを答案に書いておけば、面積の計算に説得力が出ます。

最大値を求める部分は、S(t)2=256 t(1−t)3S(t)^2=256\,t(1-t)^3 の増減を調べるだけの標準的な計算です。
求めた S(t)S(t) に t=12t=\dfrac12 を代入し、(1)の α\alpha の場合と一致するかを確かめると、途中の計算ミスに気づけます。

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