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【解答・解説】2024年 麻布大学 獣医学科 第Ⅰ期B日程 数学 第2問

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AB=AC\mathrm{AB}=\mathrm{AC} である二等辺三角形 ABC\mathrm{ABC} において,頂点 A\mathrm A から辺 BC\mathrm{BC} へ下ろした垂線と BC\mathrm{BC} との交点を H\mathrm H とする。AH\mathrm{AH} の長さを 22ACH=θ\angle\mathrm{ACH}=\theta とするとき以下の問いに答えよ。

(1)二等辺三角形 ABC\mathrm{ABC} の面積は,\dfrac{\boxed{\text{ナ}}}{\boxed{\text{ニ}}} である。空欄 \boxed{\text{ニ}} については,最も適切な式を以下の解答群から1つ選択せよ。

  • cosθ\cos\theta
  • sinθ\sin\theta
  • tanθ\tan\theta
  • cos2θ\cos^2\theta
  • sin2θ\sin^2\theta
  • tan2θ\tan^2\theta

(2)二等辺三角形 ABC\mathrm{ABC} の内接円の半径を rr,外接円の半径を RR とすると,

r=+cosθ,R=r=\frac{\boxed{\text{ヌ}}}{\boxed{\text{ネ}}+\boxed{\text{ノ}}}\cos\theta, \quad R=\frac{\boxed{\text{ハ}}}{\boxed{\text{ヒ}}}

である。空欄 , \boxed{\text{ノ}},\ \boxed{\text{ヒ}} については,最も適切な式を以下の解答群から1つずつ選択せよ。

  • cosθ\cos\theta
  • sinθ\sin\theta
  • tanθ\tan\theta
  • cos2θ\cos^2\theta
  • sin2θ\sin^2\theta
  • tan2θ\tan^2\theta

(3)θ\theta の関数 rR\dfrac rR は,θ=π\theta=\dfrac{\boxed{\text{フ}}}{\boxed{\text{ヘ}}}\pi のとき最大値 \dfrac{\boxed{\text{ホ}}}{\boxed{\text{マ}}} をとる。

重要知識と着眼点

(1)半分の直角三角形を見る

二等辺三角形なので、垂線 AH\mathrm{AH} は底辺 BC\mathrm{BC} を二等分します。 直角三角形 ACH\mathrm{ACH} で、高さ AH=2\mathrm{AH}=2 が角 θ\theta の向かい側にあることを確認しましょう。

tanθ=2CH,sinθ=2AC\tan\theta=\frac{2}{\mathrm{CH}},\qquad \sin\theta=\frac{2}{\mathrm{AC}}

より、底辺の半分 CH\mathrm{CH} と等しい二辺の長さを表せます。 また、θ\theta は直角三角形の鋭角なので、0<θ<π20<\theta<\dfrac\pi2 です。

二等辺三角形ABC。底辺BCの中点Hから頂点Aへの高さは2で、角ACHがθ。右半分の直角三角形ACHを色で示している。

CH=2/tanθ\mathrm{CH}=2/\tan\thetaAC=2/sinθ\mathrm{AC}=2/\sin\theta と表す。

(2)半径を面積や辺の長さと結び付ける

三角形の内接円の半径の扱い方

3辺の長さを a,b,ca,b,c、面積を SS、内接円の半径を rr とすると、S=12r(a+b+c)S=\dfrac12r(a+b+c)

内接円の中心と三つの頂点を結ぶと、三角形は高さがすべて rr の三つの三角形に分かれます。 これが上の面積公式の意味です。 (1)の面積と三辺の長さを代入し、rr について解きましょう。

三角形の辺と角・外接円の半径の関係(正弦定理)

A,B,CA,B,C の対辺を a,b,ca,b,c、外接円の半径を RR とすると、 asinA=bsinB=csinC=2R\dfrac a{\sin A}=\dfrac b{\sin B}=\dfrac c{\sin C}=2R

外接円については、ABC=θ\angle\mathrm{ABC}=\theta と、その対辺 AC\mathrm{AC} を使うと簡潔です。 頂角 BAC=π2θ\angle\mathrm{BAC}=\pi-2\theta を使う方法もありますが、底角を使えば倍角の公式を使わずに求められます。

(3)三角比を一つにそろえる

三角関数・指数・対数を含む方程式や最大・最小の扱い方

  1. 「1種類のもの」で表せないか考える。 例えば「 sinx\sin x のみで表す」「 log2x\log _{2}x のみで表す」「 2x2^{x} のみで表す」。
  2. 1種類のもので表せたら、それをtt とおく。
  3. もとの変数の範囲から tt の範囲を求めて解く。 例えば t=2xt=2^x なら t>0t>0

r/Rr/R を計算すると、sin2θ\sin^2\thetacosθ\cos\theta が現れます。 sin2θ=1cos2θ=(1cosθ)(1+cosθ)\sin^2\theta=1-\cos^2\theta=(1-\cos\theta)(1+\cos\theta) と変形すると、分母の 1+cosθ1+\cos\theta を約分できます。 すると、cosθ\cos\theta だけの2次式になります。

2次関数の軸・頂点の求め方(平方完成)

y=ax2+bx+cy=ax^2+bx+c を平方完成して y=a(xp)2+qy=a(x-p)^2+q の形にする。 軸は x=px=p、頂点は (p,q)(p,q)

t=cosθt=\cos\theta とおくと 0<t<10<t<1 です。 平方完成して頂点を求め、その tt が範囲内にあることを確認します。 最後に、対応する θ\theta を求めます。

解答

(1)

AB=AC\mathrm{AB}=\mathrm{AC} より BH=CH\mathrm{BH}=\mathrm{CH}。 直角三角形 ACH\mathrm{ACH} において、

CH=2tanθ,AC=2sinθ.\mathrm{CH}=\frac2{\tan\theta},\qquad \mathrm{AC}=\frac2{\sin\theta}.

したがって、三角形 ABC\mathrm{ABC} の面積 SS

S=12BCAH=124tanθ2=4tanθ.S=\frac12\mathrm{BC}\cdot\mathrm{AH} =\frac12\cdot\frac4{\tan\theta}\cdot2 =\boxed{\frac4{\tan\theta}}.

ナは 44、ニは tanθ\tan\theta に対応する

(2)

三辺の長さの和は AB+BC+CA=4sinθ+4tanθ\mathrm{AB}+\mathrm{BC}+\mathrm{CA}=\dfrac4{\sin\theta}+\dfrac4{\tan\theta} である。 面積と内接円の半径の関係より、

4tanθ=r2(4sinθ+4tanθ).\frac4{\tan\theta} =\frac r2\left(\frac4{\sin\theta}+\frac4{\tan\theta}\right).

tanθ=sinθcosθ\tan\theta=\dfrac{\sin\theta}{\cos\theta} を用い、両辺に sinθ\sin\theta を掛けて整理すると、

4cosθ=2r(1+cosθ).4\cos\theta=2r(1+\cos\theta).

よって、

r=21+cosθcosθ.\boxed{r=\frac2{1+\cos\theta}\cos\theta}.

また、ABC=θ\angle\mathrm{ABC}=\theta なので、正弦定理より、

2R=ACsinθ=2sin2θ.2R=\frac{\mathrm{AC}}{\sin\theta} =\frac2{\sin^2\theta}.

したがって、R=1sin2θ\boxed{R=\dfrac1{\sin^2\theta}}。 ヌは 22、ネは 11、ノは cosθ\cos\theta に対応する 、ハは 11、ヒは sin2θ\sin^2\theta に対応する

(3)

0<θ<π20<\theta<\dfrac\pi2 であるから、0<cosθ<10<\cos\theta<1。 (2)より、

rR=2cosθsin2θ1+cosθ=2cosθ(1cosθ)=2(cosθ12)2+12.\begin{aligned} \frac rR &=\frac{2\cos\theta\sin^2\theta}{1+\cos\theta}\\ &=2\cos\theta(1-\cos\theta)\\ &=-2\left(\cos\theta-\frac12\right)^2+\frac12. \end{aligned}

したがって、cosθ=12\cos\theta=\dfrac12、すなわち θ=π3\boxed{\theta=\dfrac\pi3} のとき、最大値 12\boxed{\dfrac12} をとる。 フは 11、ヘは 33、ホは 11、マは 22

補足正三角形の場合で確かめる

θ=π3\theta=\dfrac\pi3 では、三つの角がすべて 6060^\circ となり、三角形は正三角形です。 (2)の式に代入すると r=23, R=43r=\dfrac23,\ R=\dfrac43 なので、r/R=12r/R=\dfrac12 になります。 正三角形の外心と内心は重心と一致し、高さを 2:12:1 に分けることからも、R=43, r=23R=\dfrac43,\ r=\dfrac23 と確かめられます。

問題データ

主分野
三角関数
関連分野
なし
難易度の目安
B(標準)
目標時間
15

講評

直角三角形の三角比、内接円・外接円の公式、2次関数の最大値を組み合わせる問題です。 難易度はB、目標時間は15分程度とします。 (1)で辺の長さを正しく表せれば、(2)以降にもそのまま利用できます。

最初に注意したいのは、2tanθ\dfrac2{\tan\theta} が底辺全体ではなく半分の長さであることです。 面積に使う BC\mathrm{BC} は、その2倍です。 (2)では、内接円は面積の公式、外接円は正弦定理と、使う関係式を区別しましょう。

差がつくのは(3)の式の整理です。 三角比が混在していても、sin2θ=1cos2θ\sin^2\theta=1-\cos^2\theta と直せば、平方完成まで進められます。 最大値だけでなく、それをとる θ\theta まで答える練習をしておきたい問題です。

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