重要知識と着眼点
(1) を求めず、和と積を使う
対称式の扱い方
- の対称式は、 と のみで表せる。
- の対称式は、 と と のみで表せる。
まず から を求めます。 5乗の和は、まず から3乗の和を求めておくと計算できます。 を展開すると、求める のほかに が現れます。 この余分な部分を引けばよいのです。
(2)実数解の条件を確かめてから、符号を調べる
2次方程式の解の種類と個数(判別式)
判別式 の符号を考える。
- :異なる2つの実数解。
- :重解。
- :実数解なし。互いに共役な2つの実数でない複素数解。
「実数解をもつ」には重解も含むため、判別式の条件は です。 「2解がともに正」についても、まず実数解であることを確認します。 そのうえで解の積が正なら、2解は同符号です。 さらに和が正なら、2解とも正だと分かります。
この方程式の2解を とすると、解と係数の関係より 。 したがって、 をすべて満たす範囲を求めます。 和と積の条件だけでは、実数でない解まで含めてしまう点に注意してください。
(3) だけの2次式に直す
倍角・半角の公式
。 。 これを変形すると、 、。
を使えば、 は の2次式になります。 とおき、 の範囲で考えます。
を解くときは、得られた がこの範囲に入るかを確認します。 最大値を求めるときは、下に凸の放物線なので、区間の両端の値を比べます。
(4)因数分解して、約数の個数に結び付ける
整数解を求める問題の定石
- 因数分解して、約数の組を調べる。
- 不等式で範囲を絞る。
- 整数で割った余りを考える。
を見たら、 を作れないか考えます。 積の形にすると、一方の整数を約数として選ぶたびに、もう一方が一つに決まります。
正の約数の個数・総和の求め方
と素因数分解したとき、約数の
- 個数:。
- 総和:。 各素因数の指数を から順に選ぶと、すべての約数が得られる。
後半は となります。 なので、二つの因数がともに正の場合と、ともに負の場合を数えます。 整数解が16組なら、 の正の約数は8個です。 約数が8個となる素因数分解の形を挙げ、それぞれで最小の数を比べましょう。
解答
(1)
より、
また、
したがって、
アは 、イウエオは 。
補足条件を満たす数について
この問題では、 が実数であるとは指定されていません。 実際、実数なら ですが、与えられた条件からは となります。 条件を満たすのは複素数の組です。 上の計算は複素数でも成り立つ恒等式だけを使っているので、そのまま求められます。
(2)
判別式を とすると、
よって、 となる範囲は
2解を とすると、。 2解がともに正の実数となる条件は
これらを合わせると 。 なので、整数 は の 個である。
カキは 、クは 、ケは 、コは 。
(3)
とおくと、 であり、
より 。 範囲に入るのは だけなので、
また、 のグラフは下に凸だから、 での最大値は両端の値の大きい方である。 で 、 で より、最大値は 。
サシは 、スは 、セは 。
(4)
最初の方程式を変形すると、
は の8通りで、そのたびに は一つに決まる。 したがって、整数 の組は 個。
次の方程式は
の正の約数を とすると、
が対応する。 よって、整数解が16組となるのは、 の正の約数が8個のときである。
異なる素数を とすると、その素因数分解の形と最小値は次のとおり。
| 素因数分解の形 | 約数の個数 | その形での最小値 |
|---|---|---|
したがって、求める最小の正の整数は 。
ソは 、タチは 。
補足負の約数と、順序のある組を忘れない
と は、異なる を与えます。 また、 のように両方が負の場合もあります。 正の因数の組を大小の区別なく挙げるだけでは、整数解の個数を少なく数えてしまいます。
講評
対称式、2次方程式、三角関数、整数を扱う小問集合です。 難易度はB、目標時間は20分です。 一つ一つは標準的ですが、(4)の後半まで取り切るには、因数分解と約数の個数を結び付ける力が必要です。
(1)は を個別に求めようとせず、対称式の計算に徹しましょう。 (2)は「判別式・和・積」の条件をそろえ、(3)は置換した変数の範囲を忘れずに扱うことが得点につながります。 (4)で手が止まった場合も、積が6となる最初の空欄は確保しておきたいところです。


問題データ