重要知識と着眼点
(1)展開して、積 xy に注目する
和の最小値・積の最大値の扱い方(相加相乗平均の不等式)
- のとき、。等号成立は 。
- のとき、。等号成立は 。
和または積が一定のときに、使えないか考える。
そのまま二つの括弧を比べるより、展開して とする方が簡単です。 と は正で、積が に固定されています。 相加相乗平均の不等式を使い、等号が成り立つ が存在することまで確かめます。
(2)差の2乗を求めてから、符号を決める
の扱い方
2乗して、積や倍角の式に直す。
和の2乗と差の2乗を足すと、積の項が打ち消し合い、 となります。 したがって、和の値から差の2乗を求められます。 ただし、2乗だけでは差の符号は決まりません。 では であることを使い、正負のどちらが条件に合うかを確認します。
(3)2次の項から、因数の形を決める
2次の項をまとめると、 です。 そのため、求める因数分解の形を とおけます。 展開したときの の係数と定数項を比較して を求め、最後に の係数 を調べます。
(4)成分ごとに等式を作る
ベクトルが等しいときは、対応する成分がそれぞれ等しくなります。 の右辺を成分で表せば、 の連立1次方程式になります。
(5)定点と平行条件を分けて考える
定点は、 にどの値を入れても直線の式を満たす点です。 と整理し、 の係数と残りの部分をともに にします。
平行条件は傾きの一致です。 ただし、 は のとき の項が消え、 軸に垂直な直線になります。 この場合を確認してから、 で割って傾きを求めます。
(6)ノートを丸、3人の境目を仕切りで表す
重複を許して選ぶ場合の数(重複組合せ)
種類から順序を区別せず 個選ぶ場合の数は、。 個の○と 本の仕切りを並べ、仕切りで分けられた各区画の○の個数を、各種類を選ぶ個数と考える。
6個の丸と2本の仕切りを並べ、左からA、B、Cに渡す冊数を表します。 例えば「○○||○○○○」は、Aに2冊、Bに0冊、Cに4冊を渡す配り方です。 0冊でもよいため、仕切りを端に置いたり、2本を隣り合わせたりしてかまいません。
解答
(1)
より、
等号は 、すなわち のときに成り立つ。 例えば で実現するので、最小値は 。
アイは 。
(2)
よって 。 もし ならば、
となり、 に反する。 したがって、。
ウエは 、オは 。
(3)
係数を比較すると、。 を に代入して、
よって であり、。 実際に、
と因数分解できる。 したがって、。
カキは 、クは 。
(4)
を成分で表すと、
対応する成分を比較して、
上の式を2倍、下の式を3倍して加えると、 より 。 これを上の式に代入して 。
よって、。 ケは 、コサは 。
(5)
の式は 。 とすれば、 の値によらず成り立つので、定点は 。
のとき、 は であり、 と平行ではない。 のとき、傾きを比較して、
したがって、
より 。 どちらも を満たす。 また、2直線の切片は のとき 、 のとき で、直線どうしは一致しない。 よって、。
シスは 、セは 、ソタは 、チは 、ツは 。
(6)
6個の丸と2本の仕切りを並べると考える。 8か所から仕切りを置く2か所を選ぶので、
テトは 。
補足冊数を固定して数え直す
Aに渡す冊数を とすると、Bに渡せる冊数は 冊から 冊までの 通りです。 Cの冊数は残りとして決まるので、合計は 通りとなります。 仕切りによる計算に不安があれば、この数え方でも確認できます。
講評
基本的な計算力と、条件を落とさずに処理する力を問う小問集合です。 難易度はB、目標時間は見直しを含めて20分です。
(1)(4)(6)は確実に得点したい問題です。 (2)は差の2乗を求めた後の符号、(5)は傾きを求めるときの分母に注意しましょう。 (3)で因数の形が浮かばなければ、先に残りの小問を解き、戻って2次の項の因数分解から考えてください。 負号も一つの解答欄に入るため、最後に空欄への転記まで見直しましょう。


問題データ