重要知識と着眼点
(1)大きな数の約分
最大公約数の求め方(ユークリッドの互除法)
正の整数 について、 なら、 の最大公約数は の最大公約数に等しい。 余りが になるまで割り算を繰り返すと、最後の割る数が最大公約数。
分子・分母をいきなり素因数分解しようとすると、割れる数を探すのに時間がかかります。 大きい方を小さい方で割り、次に「割る数」を「余り」で割る操作を繰り返しましょう。 最後に求めた最大公約数で、分子と分母を割ります。
(2)等しい比を一つの文字で表す
三つの分数に共通する値を とおきます。 すると です。 三つの式を足せば が分かるので、各式を引いて を求められます。 求める式では分子にも分母にも が現れ、約分できます。
(3)割る式を0にする値を代入する
多項式を1次式で割った余りの求め方(剰余の定理)
多項式 を で割った余りは 。
今回は割る式が ですが、同じ考え方が使えます。 に を代入すれば、 と分かります。 求める余りも、 に を代入して計算します。
(4)一方の角を消去する
三角関数の基本的な関係式
。 ()。
まず と直します。 この二つを に代入すれば、 を消去できます。 展開して整理すると、 です。
の扱い方(三角関数の合成)
とする。 。 ただし、、。
左辺を とまとめると、 になります。 を求めた後はもとの二式に戻り、 と の両方を使って を決めましょう。
(5)底と指数に同じ対数がある
対数方程式の解き方
- 真数・底の条件を確認する
- 底を1種類にする
- 置換して方程式を解く
とおけば、 なので、方程式は です。 実数の指数を含む累乗として底を正として扱うため、 の範囲で考えます。 両辺の底2の対数を取ると、指数の を前に出せます。 を求めたところで終わらず、 に戻すことが大切です。
(6)「1と6の2種類」の意味を確認する
条件を満たさない方も考える(余事象)
条件を満たす方と満たさない方を比べ、数えやすい方を求める。 個数は「全体 − 満たさない個数」。 確率は 。
求めるのは、1と6がどちらも出て、ほかの目は出ない場合です。 各サイコロの目を1か6から選ぶと 通りありますが、すべて1の場合と、すべて6の場合は除きます。 サイコロを区別して数えれば、全体の 通りは同様に確からしくなります。
(7)二つの向きを別々に調べる
必要条件と十分条件の定義
ならば が成り立つとき、
- は の必要条件。
- は の十分条件。
を「 かつ 」、 を「 かつ 」とします。 から がいえるか、逆に から がいえるかを分けて考えましょう。
では より です。 もし なら となり、もう一つの条件に反します。 も同様です。 逆向きは、 がともに正でも和が1以下になる例を探せば否定できます。
解答
(1)
ユークリッドの互除法より、
最大公約数は であるから、
アイは 、ウエは 。
(2)
共通の値を とおくと、
辺々を加えると より、。 したがって、 なので、
オは 、カキは 。
(3)
剰余の定理より、。 よって、求める余りは
クは 。
(4)
を2乗して加えると、
したがって、
より なので、
もとの二式から、
より 。 この組はもとの連立方程式を満たす。 ケは 、コは 、サは 、シは 。
(5)
とおくと であり、
両辺の底2の対数を取って、。 より 、したがって 。 よって、
スセソは 。
(6)
4個のサイコロを区別すると、目の出方は全部で 通りであり、いずれも同様に確からしい。 1と6がどちらも出る場合は 通りなので、求める確率は
タは 、チツテは 。
補足1の出る個数で数え直す
1が出る個数は1個、2個、3個です。 それぞれ 通り、 通り、 通りで、合計14通りになります。 引くべき場合の数に迷ったときは、この数え方でも確認できます。
(7)
を「 かつ 」、 を「 かつ 」とする。 が成り立つとする。 より 。 なら となり、 に矛盾する。 したがって であり、同様に である。 よって は の十分条件である。
一方、 は を満たすが、 なので を満たさない。 よって は の必要条件ではない。 したがって、トは ①。
講評
七つの独立した小問からなる問題です。 難易度はB、目標時間は見直しを含めて25分程度とします。 特に(4)は、二つの角を含む式から一方を消す工夫が必要で、小問集合の中では時間がかかりやすい設問です。
まず(1)〜(3)と(6)を確実に得点しましょう。 (1)は互除法、(3)は剰余の定理を使えば、必要な計算を絞れます。 (6)は「1か6だけが出る」と「1と6が両方出る」を区別できるかがポイントです。
(4)で手が止まったら、ほかの小問へ進んでから戻って構いません。 復習では、 を使って角を消す手順を身に付けてください。 (5)は対数を取った後の計算は短く、最後に から へ戻すだけです。 (7)は具体例だけで十分条件を証明したつもりにならず、成り立つ向きには一般的な根拠、成り立たない向きには反例を用意しましょう。


問題データ