重要知識と着眼点
(1)極値を取る の値と、極値そのものを区別する
関数の増減・極値・グラフの調べ方
微分して の符号を調べ、増減表を作る。
- の区間では増加、 の区間では減少。
- 微分可能な点の前後で、 の符号が なら極大、 なら極小。
増減・極値・定義域の端での値や極限をもとに、グラフを描く。
定数 は微分すると消えるので、極値を取る の値は によらず求まります。 増減を調べて、極大・極小を取る位置を確かめましょう。 問題の「和が 」は、それらの 座標の和ではなく、極大値と極小値という二つの関数値の和です。 から が決まります。
接線の方程式の求め方
接点を で置いて接線の式を立てる。 の での接線は 。
接線では、傾き と接点の高さ を別々に計算します。 特に、 の計算には、求めた の値を代入する必要があります。
(2)平行移動して、左右の面積を比べる
グラフを平行移動した式の求め方
軸方向に 、 軸方向に 平行移動するには、もとの式の を に置き換える。 なら、。
左に 動かすので、 を に置き換え、新しい曲線を と表します。 移動後の式を とすると、 となります。 の項と定数項が消え、 が成り立つので、グラフは原点について対称です。
水平に移動しても、 軸との間の面積は変わりません。 移動後の左右二つの図形は面積が等しいため、片方の面積を求めて 倍できます。 ただし、右側では曲線が 軸より下にあります。 面積は正の量なので、その区間では「上側の式 下側の式」、つまり を積分します。
移動後の二つの領域は、原点の周りに 回転すると重なります。
解答
(1)
したがって、増減は次のようになる。
| ↗ | ↘ | ↗ |
極大値と極小値の和が であるから、
このとき で極大値 を取る。 また、
よって、接線の方程式は
補足接線の式を確かめる
接線 に を代入すると、 です。 傾きが であることと、接点を通ることの二つを確認すれば、展開時の符号の誤りを見つけられます。
しすは 、せそは 、たちつは 、てとなは 、にぬは である。
(2)
軸方向に だけ平行移動すると、
とおく。 軸との交点の 座標は であり、 より左右の領域の面積は等しい。 また、 では である。
補足対称な区間の積分と、面積の和は異なる
は奇関数なので、
です。 これは、左側の正の積分と右側の負の積分が打ち消し合うためです。 面積の和を求めるときは、 軸より下の部分も正に数えます。 したがって、一度に積分して と答えることはできません。
平行移動で面積は変わらないので、求める面積の和は
ねのは 、はひふへは である。
講評
三次関数の極値、接線、定積分による面積を扱う問題です。 難易度はB、目標時間は20分とします。 (1)は微分から増減表を作る標準的な手順で解けるため、極大値と接線まで確実に取りたい内容です。
(2)は問題文の平行移動の誘導を使うことが大切です。 もとの関数のままでも計算できますが、左に 動かすと の項と定数項が消え、交点と対称性が読み取りやすくなります。 復習では、左に動かすときに とする理由と、右側の積分に負号が必要な理由を確認しましょう。 符号を図で確かめてから積分する習慣が、面積問題の失点防止につながります。


問題データ