重要知識と着眼点
(1)平方完成して、二つの頂点の中点を調べる
を代入し、二つの式を平方完成します。 の係数が と なので、二つの放物線は上下の向きが逆で、開き方は同じです。 頂点どうしを対応させると、その中点が点対称の中心の候補になります。
点 に関する対称移動では、 は に移ります。 候補を求めた後は、実際にこの移動で一方の式が他方の式になることを確かめます。
(2)交点の条件を、2次方程式の実数解の条件に直す
2つの関数のグラフの交点の求め方
を解いて、交点の 座標を求める。 座標は、その値を の計算しやすい方に代入して求める。
相異なる2点で交わる条件は、 が異なる二つの実数解をもつことです。 判別式でも調べられますが、本問では平方完成すると
となります。 右辺が正なら二つの実数解、 なら一つの重解です。 この形にすると、(3)で使う交点の間隔も読み取れます。
(3)二つの関数の差を積分する
面積は、交点の間で「上のグラフの式−下のグラフの式」を積分して求めます。 二つの放物線そのものを別々に扱うより、差 を整理する方が見通しがよくなります。
とおけば、交点の 座標は 、二つの関数の差は です。 積分すると面積を の式で表せるので、最後に が最も大きくなる を求めましょう。
解答
(1)
のとき、
頂点はそれぞれ であり、その中点は 。 また、
なので、点 を に関して対称移動した点 は 上にある。 したがって、点対称の中心は 。
か・きは 。
(2)
を整理すると、
異なる二つの実数解をもつ条件は、
よって、。
く・こは 、け・さは 。
(3)
(2)の範囲で とおくと、。 交点の 座標は であり、
これは交点の間で正なので、面積 は
では が大きいほど も大きい。 の等号は のときに成り立つ。 は(2)の範囲に含まれるので、
しは 、すは 、せは 。
補足面積の係数と、範囲の端を確かめる
交点の 座標を とすれば、 です。 この差を積分すると、 となります。 本問では なので、 と確認できます。 二つの式の差の の係数は であることに注意してください。
また、 では となって交点が一つに重なります。 相異なる2点で交わらないため、(2)の範囲には端の値を含めません。
講評
放物線の対称性、交点、囲まれた面積を問う問題です。 難易度はB、目標時間は15分です。
(1)は頂点を求める平方完成、(2)は交点を求める2次方程式が基本です。 (3)では、交点を個別に長い式で書くより、中心 から左右に同じ距離だけ離れていると捉えると、積分が整理されます。 面積を で微分しなくても、 が最大になる条件から結論を出せます。 式が複雑に見えるときほど、まず二つの関数の差を取り、平方完成する習慣を付けておきましょう。


問題データ